10月1日は「香水の日」。
こんにちは。香りのコミュニケーターHIROです。
個人的には可能性を秘めた嗅覚に関心が強く、香りの可能性を日々追求しているわけだが、若い頃から香水には魅了されていた。
「香水の日」は、一時期日本でも展開していたセフォラ・エーエーピー・ジャパンが2000年、また、日本フレグランス協会によって2010年に制定された。日付の由来は新しい香水の発売日が毎年10月1日頃であること。また、秋はファッションの季節であり、新しい秋冬の服に合わせて香水への関心が高まる時期であることから。人々の気持ちを豊かにする香水の魅力を広め、クリスマスから年末にかけての香水マーケットの賑わいを目指している。
筆者自身、ニューヨーク生活中にこのクリスマス商戦の時期に有名百貨店Bloomingdale’sの香水フロアで、夏から半年の間、セールスアソシエイトとして販売を担当していた経験もあるが、感謝祭からクリスマスまで確かによく売れた。
ソース:Mordor Intelligence
海外からのニッチブランドの参入、国内のブランドの増加にも関わらず、長らく横ばいの日本の香水市場でも、この時期に実際に売上げが上がるのだろうか?
年末商戦で売上げの上昇がみられるかは不明だが、国内の香水市場は大きく拡大しているようだ。
週刊粧業によれば、2017年のフレグランス市場は出荷額43億3800万円(前年比13.6%増)、輸入額263億円(同11.3%増)と2ケタ成長を遂げ、国内消費が伸びた。ミレニアル世代の若年層へのアプローチや携帯性へのニーズに応えた商品開発により、生活者動向にあったマーケティング戦略が功を奏した。
少し古いが、富士経済の2016年のリサーチによると、高価格帯のファッション/メゾンフレグランスブランドから、バラエティショップで展開されるマスブランド、セルフブランドでヒット商品が登場したライトフレグランスなど、全ての価格帯で好調だったという。この背景には、店頭カウンターでのカウンセリング強化による顧客の育成がフレグランスの使用率の上昇に貢献した。また、上質な香料を使用した商品、ストーリー性の高い商品など、よりパーソナルな商品展開の拡大が購入単価の上昇に貢献した。
フレグランスの購入チャンネルも百貨店やドラッグストアだけでなく、オンラインショップでリピート需要を取り込み、メッセージアプリを活用した販促施策などで新規需要の獲得など、マーケティングやコミュニケーション施策により伸びている。
ちなみにこんなデータもある。株式会社フィッツコーポレーションが全国の女性20,000人(15~49歳)を対象に調査したフレグランスの利用実態によると、「ライトフレグランス」の市場規模は3年間で1.5 倍に増加。2人に1人がスティック型練り香水を持ち歩いているという。ライトフレグランスの市場規模は54億円(2018年6月)、2015年対比で154%見込みとなった。その内訳はオーデコロン36億円、練り香水・その他が18億円となり、この3年間で練り香水・その他の構成比が10%アップするとみられている。
市場のトレンドや生活者のニーズの変化を的確にキャッチするフレグランスは成長市場であると捉えられる。
グローバルで見てみると、2025年までに、世界のフレグランス市場は約524億米ドルの価値があると推定されており、2013年138%の伸びが期待できる。世界的にフレグランス市場は右肩あがりである。(statista調査)
なお、4月18日は全国薫物線香組合協議会が制定したお香の日、11月3日は公益社団法人 日本アロマ環境協会が制定したアロマの日だ。アメリカを始め欧米では、3月21日をInternational Fragrance DayまたはNational Fragrance Dayとしている。ソーシャルメディアで#FragranceDayでサーチするとブランドだけでなく、愛好家たちの多くの投稿が表示されると思う。
このように香りの認知度向上のための日が制定されているが、制定された「日」だけでなく、日ごろから自分の嗅覚を信じ、香りある生活を多くの生活者がおくってくれることを切実に願う。
今日も香り満ち溢れる素敵な1日を!