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りょうのはなし/Ep.3 見知らぬ天井


登場人物
優さん…私のユニットのRA。🇯🇵
ブライアン…向かいのユニットメンバー。🇺🇸
大樹…向かいのユニットメンバー。🇯🇵

紹傑と挨拶を交わし、ユニットに戻ると優さんともう1人の細くて背の高い同級生の日本人がいた。

「はじめまして!ナチョスですよろしくー」
「あっ、俺篠崎です。よろしくお願いします。」

同級生と分かっていながらも、敬語を使っちゃう感じ、真面目なんだろうなぁ。

「いや、敬語やめてな」
「うん、わかったぁ」

飄々として落ち着いているけどフワフワした感じ。

緊張しているのかしていないのか分からない。

あとで判明するが、こいつも相当変なやつだった。

日本人4人で話していると、目の前に突如篠崎よりさらに細くて背の高いラテン系の顔をした男が現れた。

「おお、アル!これで全員揃ったな」

「Hello.」

彼の名前はアル。メキシコ人留学生。

彼の声はとても落ち着いていた。

残り2人の留学生は春学期が始まるまで帰国していた。

E55ユニットメンバーが一旦揃い、みんなで食堂へ向かった。

食事をしながら、それぞれの出身地や学部について話し合った。

アルは日本人4人に囲まれていたので、私たちは慣れない英語でのコミュニケーションを積極的に行った。

彼はとてもシャイだったが、笑顔を見せてくれて私はホッとした。

食事が終わるとフロアパーティ。

テレビ、ソファ、長机、椅子、IHキッチン、電子レンジ、トースターなどを擁した共同スペースに入ると、色々な言語が飛び交っていた。

日本語、英語、フランス語、韓国語。

大樹とブライアンに声をかけたのは覚えているけど、それ以外どんなことをしたのかははっきりとは覚えていない。

パーティーが終わり、ユニットメンバーともおやすみの挨拶をすませてから部屋に戻った。

ベッドに横たわり、真っ暗な天井を見つめた。

実家の自分の部屋とは違う天井。

本当にここでの日々が始まるんだ。

そう強く感じたのは初めての1日の終わりだった。

頑張らないとなぁ。

部屋の中が真っ暗じゃなくなってきた。

徐々に目が慣れてきて、私は目を瞑った。



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