レアル・マドリード プレシーズンレビュー



今シーズン目指すべきもの

今シーズン戦えるタイトルは6つある。このチームは取れるタイトルは全てとるというのがある。なら、6つ全てとろうじゃないか。つまり1番の目標は6冠だ。未だに成し遂げだことがない3冠を取るのはもちろん。それ以外のものも全てとりたい。タイトル以外の中身の話をするとやはり自分が思うのは圧倒的な強さでシーズンを過ごしたいということ。そんな中で思うのはシーズン5敗以内、ラリーガシーズン勝ち点100得点100以上である。恐らくこれが自分が思う今のベストだ。もちろんバルセロナの補強なども見ている。今シーズンも簡単に独走できるとは思っていない。それでも大事な試合に勝ち。難しい試合で負けずに勝ち点を持って帰る。それが出来るチームだからこの結果を求める。
以上が自分が思う今シーズンの目標だ。そんな中でプレシーズン3試合を振り返っていきたい。

第1戦 FCバルセロナ(0-1)

今シーズン最初のプレシーズンマッチとなったのはFCバルセロナとのエル・クラシコ。チームとしては身体的にも戦術的にも全く仕上がっていない中で望んだ。普段なら塩試合になるだろう試合だったがクラシコ独特の雰囲気とラスベガスの盛り上がりによってかなりエキサイティングな試合になった。

バルセロナ戦 スタメン

スタメンは上記の通り。注目は中盤の3枚。アンチェロッティは鉄板の3枚ではなくチュアメニ、カマヴィンガ、バルベルデの若手3枚に出番を与えた。恐らくかなりこの3枚を見れることに期待を持った人が多かったと思う。そしてベンゼマがいなかった前線にはアザールが偽9番として入った。この試合で気になったことは2つ。中盤と前線の構成である。

まずは中盤のことから。中盤3枚を見て思ったこと1つ目はインテンシティの高さだ。かなりのアグレッシブで強度が高く素晴らしかった。しかし、それ以上に気になったのはビルドアップの面。特に右の組み立てはうまくいってなかったように思えた。失点シーンでもミリトンが結果的に足を滑らせてミスキックになりそれを叩き込まれたが、あの場面でもモドリッチがいればシンプルに打開できていた気がする。他にも前半ではバスケスとミリトンの所で苦しくなり、ロングボールで逃げるシーンが多かった。やはり、この3枚で行くならある程度のビルドアップの形は必要なのではないかと思った。
後半は中盤を一新してカゼミロ、クロース、モドリッチの3枚に変えてきた。鉄板の3枚、アンチェロッティはこの3枚をバミューダトライアングルと呼んでいるようだ。これからこの呼び方は増えるだろう。さすがのトライアングルだった。さすがのビルドアップといなす能力で局面を打開していった。

次に前線。入りは右からロドリゴ、アザール、ヴィニシウスの3枚。アザールは復活を誓い、少なからず期待はされていた。チャンス自体が少なかったが訪れたチャンスのシーンで思うことがあった。クロスなどで入り込む際にキーパー前まで入り込む選手がいなかった。もちろんその役割を担うのはアザールだ。キーパー前に入り込めば相手のディフェンスラインは下がりマイナスのスペースが空いてくる。そうすれば並行へのクロスかマイナスのクロスかの2択を迫れる。アザールにはこのポジションをやるならこれは徹底してほしいと思った。後半はアセンシオが右に入り、ロドリゴが真ん中に入った。この試合1番の決定機は58分。この2枚でつくった。ロドリゴが中央のライン間で受けて右に展開アセンシオがためて上がってきたバスケスへ。ロドリゴがキーパー前へのランニングでマイナスのスペースを空け、そこにアセンシオが飛び込み右足で狙ったが惜しくも外れた。前半アザールが作れなかった形をロドリゴが簡単に作って見せた。

これらのことから自分は試してほしいなと思うことがいくつかあった。1つは中盤の入れ替わり。どうしても固定した形でローテーションをしたくなってしまうが、様々な形で最適解を見つけてほしいと思った。なんせ7人ともスーパーなプレーができる人たちだからこそである。2つ目は前線の形。もちろんベンゼマがいれば解決することは多いがいないことも想定しなければならない。そこで右からバルベルデ、ロドリゴ、ヴィニシウスの3枚を見てみたいと思った。ロドリゴのゴール前での嗅覚というのはかなりあると思う。

まとめたいことはたくさんあるが、プレシーズン1発目にしては見ごたえがあった。この後の2試合でアンチェロッティがどのようなメンバーを組み、どのように機会を与えていくかは非常に楽しみであった。


第2戦 クラブ・アメリカ(2-2)


2戦目はクラブ・アメリカとの野球場をサッカーコートにした場所での試合だった。

クラブアメリカ戦 スタメン

スタメンは上記の通り
エースであるベンゼマが帰ってきた。今夏に加わったリュディガーはクラシコでは左SBだったがこの試合ではCBに入った。注目された中盤はバミューダトライアングルできた。前線は右からアセンシオ、ベンゼマ、ヴィニシウス。このスタメンには少し残念という気持ちがあった。先ほども言ったように中盤の構成は固定しながらのローテーションをしてほしくない。もっと言うとこの3枚の形などたくさん見てきている。もちろんこのトライアングルが見れるのも今シーズンが最後かもしれない。しかし、プレシーズンでこの組み合わせをするのはいいことではない。もっと若手にチャンスを与え、その中で最適解を見つけていくのがプレシーズンだと思う。確かに今すぐ見つけるべきではないのかもしれないが。

前半はかなり緩い試合展開だった。開始5分で失点し、その後も全体的に緩かった。特にカゼミロなどはいまだ休暇中かのようなプレーだった。そんな中で1人だけ圧巻だったのはやはりエースだった。バロンドールが確実視されているエースは22分にペナルティエリアの外から内まきでゴラッソを決めて見せた。右方向から来たボールを右足で巻くならまだしも、左方向からきたボールを巻いて見せた。さすがのオチョアでもノーチャンスだった。

後半は総入れ替えをした。クラシコに続いてアザールが偽9番の位置に入った。前の試合に比べて状態が上がってきたのか裏へのランニングなども増えていた。そしてセバージョスは光っていた。昨季は半分以上を怪我によって捨てるようになってしまっていたが、後半戦、特に4,5月は出場機会が多かったわけではないが出場すると献身的に動き評価を高めていた。結果的にチャンピオンズリーグファイナルで途中交代だが出番を得た。そんなセバージョスは移籍の噂があったりするが、私は今後のマドリ―において欠かせない選手になると思っている。また、チュアメニ、カマヴィンガ、セバージョスの補完性は非常に高いものがあると思う。どうしても6枚で考えられるが、セバージョスはこのチームにとって必要不可欠なものだ。

この試合は見直すことが完全にできなかったため細かいことは書かないようにする。言い残したことはなぜ野球場だったのかということくらいだ。

第3戦 ユベントス(2-0)

プレシーズンの最終戦となったのはユベントスとの一戦。アンチェロッティは試合前にベストなメンバーで行くことを明言し、CLファイナルと同じスタメンで挑んだ。

ユベントス戦 スタメン

スタメンは上記の通り。間違いなくこのメンバーが1番安定感があると思う。簡単に崩れる盾でも簡単に折れる剣でもない。この11人で戦いたくなるのはわかる。

前半を自分たちのキックオフで始めることができたマドリ―はセットプレーキックオフを仕掛ける。見事にはまりゴールネットを揺らしたが惜しくもオフサイドだった。CLのセミファイナル2ndレグのマンチェスター・シティ戦でも見せた形だったが今回もあともう少しのところだった。その後の試合展開としては最初の時間帯は攻められることもあったがその後は試合を一方的に支配し、ハーフコートゲームのような形にして見せた。この試合で気になったのはヴィニシウスがインサイドでプレーする機会が多くなったことだ。自主的なのかチームとしての意図なのかはまだ判断できないがかなりいい傾向である。今まではどうしても外側での勝負が多かったがインサイドのプレーもできるようになるとベンゼマとのコンビネーションで中央を2人で打開するということもできるようになるし、中央で受けてサイドに散らしてゴール前に入っていくということも増えるだろう。ただ、外でプレーするということも忘れてほしくはない。彼の1番生きるところは外でアイソをつくっての突破であるから。結果的に先制となるPKをとったのもヴィニシウスの突破からであった。ただこうなると序列を下げるのはアザール。ベンゼマとの狭いスペースでコンビネーションなどは優れている部分があったが、このようにヴィニシウスができるようになってくると どうしてもベンゼマまたはヴィニシウスが出れないというときの控えになってしまうだろう。

後半は15分までは同じメンバーで戦い、残りの30分は総入れ替えをして試合を進めた。メンバーはほとんど変わったが試合の展開は全く変わらずに一方的に支配した。中盤が強度の面でもかなり上回れるようになったことからさらに支配したといってもいいと思う。またしても偽9番として入ったアザールもハーフスペースで受けてチャンスを演出。2点目の起点になった。試合を終始圧倒し、ユベントス相手に完勝をおさめ、アメリカでのプレシーズンを勝利で飾った。

シーズン開幕に向けて

自分はいつも思うことだが、チームの状態がベストになり、最適解を見つけることが2月に入るまでにできればいいと思っている。このチームが本気で勝負をしなければいけないのはこの時期からだから。もちろんそこまでで負けてしまってはいけないので緩くなれとは言わない。ただ、そこまでの期間で最適解を徐々に見つけ出すための試行錯誤を何度もこなしてほしい。簡単に固定するのではなく、様々な可能性を探ってほしい。特に今シーズンはすべてのゲームをする必要があり、それに加えてW杯もある。過密日程になることで選手たちの疲労がたまることは間違いない。また、モチベーションの維持も難しいものがあると思う。だからこそたくさん試してほしい。それが間違いなく6冠を達成するために1番必要なことだろう。

ベンゼマの後釜の話についても少しだけ。マジョラルは結果的に1度もチャンスを得ないまま移籍をしていった。聞きたくないことかもしれないがエンバぺが来ていればすんなり解決していた。エンバぺが早くに残留を決断していればハーランドという選択肢もあった。それだけに残念だと思う。今の市場にマドリ―の力になれる選手はいないと思う。来年以降のことも考えてお金は使えない。自分もお金を使う必要は一切ないと思ってる。実際ロドリゴやアザールがそこでも輝けるようになれば問題ない。そして優秀なカンテラーノもいる。活躍ができるかもわからない選手をお金を使ってとってくるよりもマドリ―に忠誠を誓えてマドリ―のために戦える選手を起用するべきだと思う。このことから自分の中で久保への期待はかなりあったし、ブラヒムに対する思いもあった。もちろんマジョラルやラウール・デ・トマスにも。しかし結局久保はEU圏外枠、ブラヒムはミランに残りたそうなどのことが組み合わさってうまくいってないという感じはある。水面下で動いてるような話があったりなかったりでわからないことが多く、どうなるかはわからないといったところである。

歴史に残るであろう21-22シーズンが終わってから2か月半。新たなものを得るために新しいシーズンが始まる。貪欲にタイトルを求めている。まずはフランクフルトとのUEFAスーパーカップだ。1つ目のカップを掲げて最高のスタートを切ろう。たった6分の1だが。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。読みにくい文などがありましたらすみません。

それでは、新しいシーズン。存分に楽しみましょう。



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