「ただいま魔力暴走中!」天才魔導剣士ヴィクター/血塗られた祝宴篇 第一章②
ヴィクターが意識を取り戻したのは、大きなベッドの上だった。柔らかくひんやりとしたシーツが身体に掛けられていた。見上げると天井が高かった。壁にも色鮮やかで豪華なタペストリーが掛かっていて「とても贅沢な部屋だ」とヴィクターは思った。
「ここはいったい」
ヴィクターが呟くと「良かった。気がついたのね。ここは王宮の中よ」と頭のすぐ上の方から声がした。見ると、あの魔獣に襲われていた女の子が椅子に座ってヴィクターを見ていた。サファイアのような深く青い瞳。すっと通った鼻筋。ふっくらした