レオナルド・ダ・ヴィンチが最後に暮らしたシャトー・デュ・クロ・リュセを訪ねて
アンボワーズに行く用事があったので、たまたまワインを買いに来た隣人に「おすすめの場所はないか」と聞いてみました。
シャトーに詳しい彼女が教えてくれたのは「シュノンソー城」と「クロ・リュセ城」。
彼女の話を聞いて、特にレオナルド・ダ.ヴィンチが最後に暮らしたクロ・リュセ城をぜひ訪れてみたくなりました。
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その日はあいにくの雨、まずはクロ・リュセ城(Château du Clos Lucé)の見学からスタートすることにしました。
クロ・リュセ城はアンボワーズ城から500mの所にあり、この二つの建物は地下通路で繋がっているそうです(できることなら秘密の地下通路を通ってみたいけど、無理よね)。
15世紀に建築されたゴシック様式のシャトーで、レオナルド・ダ・ヴィンチが人生最後の3年間(1516~1519年)を暮らしたシャトーとして知られています。
ダ・ヴィンチは64歳の時にフランソワ1世に招かれて、イタリアからここアンボワーズにやってきました。
彼の 3 つの主要な作品「モナ・リザ」「聖母子と聖アンナ」「洗礼者聖ヨハネ」をイタリアから持参し、このクロ・リュセ城で最後まで手を入れ続けていたと言われています。
それらは現在ルーブル美術館に所蔵されています。
もし彼が「モナ・リザ」の絵をフランスに持ちこまなければ、フランスの国有財産にはなっていなかったのかもしれませんね。
それではダ・ヴィンチが人生の最後にどんな所で暮らしていたかを見ていきましょう!
と、その前にマップでシャトーの位置を確認、確認。
実はこのシャトーは広大なレオナルド・ダ・ヴィンチパークの一角にあります。シャトーはマップの左上の「Le Château」 の部分。
シャトーの入り口を入ってすぐの階段を上がると、ダ・ヴィンチの寝室があります。
天蓋付きのベッドや当時を偲ぶ家具などが並んでいます。
彼は1519年5月2日にこの部屋で亡くなりました。
一階に降りると、チャペルが目に入ります。
シャルル8世が王妃アンヌ・ドゥ・ブルターニュの為に造ったチャペル。
幼い子どもを亡くし、嘆き、悲しみにくれていた王妃。その悲しみを鎮める為にこのチャペルは造られました。
天井や壁の4つのフレスコ画はダ・ヴィンチの弟子たちによるものと言われています。
チャペルに隣接するのはルネッサンス様式の大広間。
ここはダ・ヴィンチがフランソワ1世や来客を迎えた場所です。
さらにダ・ヴィンチの料理人マチュリーヌの厨房が続きます。
そして、こちらがダ・ヴィンチのアトリエ
アトリエの隣は「科学の部屋」
ダ・ヴィンチは彼の研究の基礎となった「自然と物理学」の秘密を解明しようと試みました。
500年後、ダ・ヴィンチの発明は今も私たちの日常生活に存在しています。
それは画家、小説家、映画製作者、建築家などにインスピレーションを与え続けています。
地下に降りると、ダ・ヴィンチによる発明品を模型で再現した展示室があります。
この部屋では土木、水力、航空力学、軍事などの発明品が模型と映像で紹介されています。
これら以外にも、発明品の模型が多数展示されていました。
フランソワ1世に依頼されたとはいえ、ダ・ヴィンチが人生最後の3年間でこれだけの発明をしたとは驚きです。やっぱり彼は天才だ!
シャトー見学の後は7ヘクタールはある広大なレオナルド・ダ・ヴィンチパークを散策してみましょう。
園内にはダ・ヴィンチの発明品が実物大で点在していて、散策しながら彼の才能を発見することができます。
幾何学模様の庭園が多い印象のシャトーとは違い、自然そのままの良さを活かした庭造りになっています。
おそらく学校の課外授業で来たと思われる子供達のグループを沢山見かけました。
自然を観察しながらダ・ヴィンチの発明品を間近で見られるなんて、子供を連れてくるにはもってこいの場所じゃないですか。もちろん大人も楽しめますよ。
今度、親戚の子供達を連れてこよう。
人間を空に飛ばすことを夢見て、未来を想像したダ・ヴィンチは画家、発明家、技術者、科学者、そして哲学者であり、実に多才な人でした。
今後、このような人が現れるのだろうか?と、ふと思ったりして。。。
クロ・リュセ城はダヴィンチの偉業を紹介する様々な展示があり、当時の暮らしぶりを再現した部屋と庭園が見所です。
私はシャトーを訪れる時、「住みたい」とは思わないけれど、このシャトー(というよりは館)には住んでみたいと思ったほど居心地が良かった。
興味があれば是非訪ねてみてください。
Le Château du Clos Lucé – Parc Leonardo da Vinci
住所:2 rue du Clos Lucé 37400 Amboise, France
公式サイト:https://vinci-closluce.com/fr
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