イベルメクチンとは? 「地球がもたらした素晴らしいギフト」 処方の実績や効果について
新型コロナウイルスの予防、治療に効果があると言われている「イベルメクチン」とは?
ノーベル賞 北里研究所 北里大学 特別栄誉教授 大村智博士が開発した抗寄生虫感染症薬。
過去30年以上、年間約3億人、合計30億人以上が服用。寄生虫感染症の治療薬として、10億人以上を失明から救った。
大村智博士は、静岡県のゴルフ場の土壌から新種の放線菌を発見。アメリカ・メルク社との共同研究を経て、イベルメクチンを開発。
メルク社と北里研究所から世界保健機関(WHO)に無償提供され、アフリカにおいて年間3億人余に使われている。これまでに10億人以上を2つの熱帯病から救い、2020年代には病気が撲滅されると予測されている。線虫類やダニ、ウジなど寄生虫にも高い効果があり、動物用の駆虫剤として、世界の畜産業の発展にも大きく貢献している。
大村智博士は、2015年に「線虫の寄生によって引き起こされる感染症に対する新たな治療法に関する発見」でノーベル生理学・医学賞を受賞。
ノーベル賞を受賞した際のスピーチで、大村博士は、イベルメクチン を「A Splendid Gift from Earth --- 地球がもたらした素晴らしいギフト」と述べた。
世界保健機関(WHO)の研究者は「これまで出てきたどの熱帯病薬剤と比較しても、けた外れに優れた効果を持つ」とイベルメクチンを高く評価し、メルク社と北里大学に協力を求め、1987年からアフリカや中南米など熱帯地方の住民に無償で配布を始めた。何よりも年に1回、錠剤を水で飲むだけという簡単な服用法がWHOの評価を高めた。
現在では、ジェネリック薬として世界中で作られており、海外での販売価格は100円前後。
大村智博士 インタビュー
The Huffington Post ーー大村智博士、ウィリアム・キャンベル博士、製薬会社の勇気と決断――「3億人を救う薬」はここから生まれた。
25年以上にわたる河川盲目症(オンコセルカ症)撲滅への取り組み
大村博士ノーベル生理学・医学賞受賞の際のスピーチ(英語)
日本国内では、下記の治療薬として認可され処方されている。
1.疥癬(かいせん) = ダニ
2.腸管糞線虫症(ちょうかんふんせんちゅう)
イベルメクチンの特徴
1.安全性・入手可能性・製作コスト面で、医薬品として優れたバランス
2.開発以来、40年間以上にもわたり長年使用されてきた
3.世界で30億回の投与において観察された副作用は、軽度で稀なもののみ
4. 子供から乳児、高齢者、妊婦まで幅広い人に処方が可能
<COVID-19への治療効果>
1) イベルメクチンの治療効果と予防におけるイベルメクチンに関するすべての公開された研究の最新の概要
▼14件の予防試験において86%の予防効果
▼27件の初期症状治療試験において72%の改善効果
▼22件の重症治療試験において40%の改善効果
▼25件の臨床試験において58%の死亡率低下
参考サイト
最新のイベルメクチンの治験や論文などを分析した情報集約サイト
イベルメクチンの効果について、十分なエビデンスがないと言われることがあるが、上記のサイト(ivmmeta.com)によると、31のランダム化比較試験(RCT)が既に終了している。その試験でのCOVID19への予防、改善効果は下記の通り。
予防 84% [25‑96%]
初期症状/軽症 64% [48‑74%]
重症 30% [2‑50%]
2) アメリカの新型コロナの治療に従事する医師連盟 FLCCCが発表した効果
20年3月、アメリカバージニア州のイースタンバージニア医科大学の呼吸器・重症患者治療主任のポール・E・マリク教授がリーダーとなって、新型コロナの治療に従事する医師連盟であるFLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Allience)が設立された。FLCCCは、世界で広がっているイベルメクチンの臨床試験の報告をいち早く評価して、自分たちのプロトコルにイベルメクチンを取り入れ、他のグループの臨床試験を集約して評価をはじめた。
その結果は2020年10月31日、「イベルメクチンはCovid-19パンデミックに対する世界的な解決策となる可能性を秘めている」とのタイトルで、約30報の論文を精査した結果として世界に向けて発信された。
1)2012年以降の複数の研究により、イベルメクチンがインフルエンザ、ジカ熱、デング熱などを含む多くのウイルスの複製を阻害することが示されています。
2)イベルメクチンは、SARS-CoV-2のウイルスの複製と感染した人の体内組織への結合を阻害します。
3)イベルメクチンは強力な抗炎症特性を持ち、炎症が最も強力に現れるサイトカイン産生と転写の両方を大幅に阻害することを示しています。
4)イベルメクチンは、SARS-CoV-2または同様のコロナウイルスに感染した場合、ウイルス量を大幅に減少させ、臓器損傷から保護します。
5)イベルメクチンは、感染者と接触した人へのCOVID-19感染の伝播と発症を防ぎます。
6)イベルメクチンは回復を早め、症状の早期に投薬されることで、軽度から中等度の疾患の患者の悪化を防ぎます。
7)イベルメクチンは、入院患者のICU入室と死亡の回復と回避を早めます。
8)イベルメクチンは、COVID-19の重症患者の死亡率を低下させます。
9)イベルメクチンは、広く使用されている地域で致死率の著しい低下をもたらします。
10)イベルメクチンの安全性、入手可能性、およびコストは、ほぼ40年間の使用と数十億回の投与で観察された軽度でまれな副作用のみに加えて、薬物相互作用がほぼゼロであることを考えると、ほぼ比類のないものです。
11)世界保健機関は、その「必須医薬品リスト」にイベルメクチンを長い間含めてきました。
FLCCCによる治療プロトコル
<新型コロナの重症化を抑えるイベルメクチンの有用性 ー 東京都医師会理事 鳥居 明>
引用元:新型コロナの重症化を抑えるイベルメクチンの有用性---東京都医師会理事 鳥居 明 https://www.tokyo.med.or.jp/wp-content/uploads/press_conference/application/pdf/20210309-5.pdf
<副作用>
非常に稀。疥癬(かいせん)の薬として処方された統計データによると重篤な副作用の心配はない
・下痢 (特に胃腸が弱い方)
寄生虫のダイオフによるもの
=寄生虫が死滅時に中に溜めていた毒素を排出するため一時的に痒みや頭痛などの症状が出る
・かゆみ、吐き気、めまい
エバーメクチンの発見とその後の展開 -- 大村博士(PDF)
http://www.antibiotics.or.jp/MLs/12th/12th_MLs_106.pdf
イベルメクチンは無脊椎動物の神経や筋の細胞膜にある塩素イオンチャンネルを開いて細胞外の塩素イオンを流入させ、細胞の過分極による麻痺で死滅させます。
一方、ヒト細胞の塩素イオンチャンネルへの結合は弱いので副作用はわずかです。
マクロライド系の抗菌薬(=イベルメクチン)は蛋白合成に必要なリボソームのうち、原核生物に特有の沈降係数70Sのリボソームを障害しますが80Sの真核生物には作用しません。