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アンニュイとエレジー
最近、寝すぎるくらいに寝てしまいます。
今日は明日に備えてあまりなにもしてはいけない日なので、という自分なりのこじつけで朝ごはんを食べて薬を飲んだら、ぬくぬくの布団にくるまって寝てしまいました。
目が覚めて、時計を見てもまだこんな時間なのだと思ってしまう。
お腹は空いてない。赤信号を点す大阪の医療の危機的状況なニュースを見て自分の入院の時は大丈夫だろうかと思う。
学生の頃、金子光晴の詩にはまっていました。
サブカル好きだった当時の私は、触りを読んでそれらしい気分に浸っていただけ。今考えたら何て軽いんだろうと思う。でも今、読み返してもその深い意味は難しくてわからない。
当時から、妙に惹かれて覚えている詩があります。
「悲歌」
恋愛が手術であらうとは おもひもかけないことだつた。
すつ裸で、僕は 手術台の上に横たはる。
水銀のやうな冷たさが 僕のからだをはしる。
恋愛が熱いなどとは なんたるたはごとぞ。
実際はもっと長い詩なので「悲歌」で調べてみてください。
悲しい歌。つまりエレジー。
何故恋が悲しいものなのか。
解釈は沢山あると思いますが、これは失恋の歌なのかも。
閑話休題。
アンニュイで怠惰な今日を過ごす私は、急に思い出したこの詩を深く想う。思った以上に気持ちがぴりぴりしていて落ち着かない。
冷たい台に乗せられた私は何処へ向かうのか。
不安と悲しい気持ちと、アンニュイと。
明日は朝から病院へ行ってPET-CTという検査を受けてきます。
注射をして3時間ほどじっとしているだけの検査で、この検査で身体中のガンがわかるのだそうです。その間スマホを見たり読書やテレビなど全て禁止。
眠ってしまえばきっとあっという間なんだろうけど、きっとそういう時に限って眠れないのだろうなぁ。
「大丈夫。何も見つからないよ」と思う気持ちと「見つかってしまったら」という気持ちのせめぎ合い。本当は泣きたい。