飲食店の営業許可を確実に通すための3つのポイント #6
飲食店の開業準備で必要不可欠な営業許可。お店の改装を済ませ、いざ開業!と思っても許可が下りなければ営業することができません。営業許可を取る必要がある事は聞いたことがあるけれど、実際に許可を取るにはどこに行けば良いの?申請手順は?どのタイミング?など疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回は飲食店の営業許可を確実に通すための3つのポイントについてお話します。
飲食店の営業許可を確実に通すための3つのポイント
1.開業するために必要な条件
飲食店を開業するには、「食品衛生責任者の設置」と保健所が発行する「営業許可証」の2つが必要です。これは、衛生面に関する最低限の知識を持つことと調理環境の基準を満たすことで安心・安全に飲食物を提供するための必要不可欠なものです。当たり前のことですが、食中毒を引き起こしたり身体に害を与えるような事があってはなりません。
「食品衛生責任者の設置」
飲食店を営業するには、衛生責任者の設置が義務付けられています。これは1店舗に対して1名必ず必要です。食品に関する衛生を保つための最低限の知識を身につけ、お店で働く従業員に徹底する責任を担います。
衛生責任者は各自治体がやっている講習会に参加し、受講内容をしっかりと把握すれば簡単な試験の後、取得することが出来ます。費用は1万数千円ほどです。1日で講習は終わり、その場で発行してもらえます。自治体によって取扱が違うので、ご自分の地区で調べてください。
<参考(京都市)>
食品衛生責任者について京都市ホームページ
「保健所での営業許可申請」
これは各都道府県にある保険衛生所で営業許可申請をし、認可を受けなければなりません。施設、設備面で衛生的であるかの条件を満たしていなければなりません。詳しくは後述します。
<参考(京都市)>
京都市医療衛生センター
所在地:京都市中京区御池通高倉西入高宮町200番地 千代田生命京都御池ビル
2.審査期間
申請から許可が下りるまでの期間は、京都市の場合2週間程度です。年末年始や開業ラッシュ時期など時期により多少変動します。
大きな流れとしては下記のような流れです。
「申請」→「現地にて審査」→「認可」
申請書類を提出時に現地訪問の日程調整が入ります。その地域の担当者が一定エリアを順に回るため混んでいる時期であれば順番待ちとなります。
現地調査が終わり、何も問題がなければ許可証の発行になります。それに数日かかり、トータルで申請から認可まで2週間程が通常の期間です。
ですので、オープンしたい日程から逆算して2週間~1ヶ月くらい前に動くのが良いと思います。現地調査では、許可基準に係る設備はすべて設置完了してないといけません。早めに許可をもらうため動きたいところですが、改装工事や設備がちゃんと入っていないと審査しもらう事が出来ません。
3.確実に審査を通すには
保健所での事前相談→改装工事→整備搬入→保健所への営業許可申請→現地調査→認可
申請~認可までは前の章で話しました。確実に審査を通すための最も重要なのは、保健所での事前相談です。これをちゃんとクリアしておけば、工事終了後の手直しなく認可が下りるでしょう。それほど、事前相談は重要です。
ちゃんと保健所が示す許可条件に則っていれば事前相談は1回~2回で済みます。
<事前相談>
事前相談には、開業する住所、業種、完成予定の図面が必要です。「どこ」で「何」を「どのよう」にするか、を具体的に提示することが大切です。事前相談だからと言って、準備を怠っている場合は何回も足を運ぶことになります。
許可申請にあたっては、いきなり申請するのではく、事前に相談という形で保健所担当者との顔合わせをし、通るか否かの話を通しておくことが重要です。もし許可が下りにくいような場合には、改善点を教えてくれるでしょう。
一見、無駄な作業で面倒な気もします。ですが、改装工事も済み申請書類も揃え提出したものの通らなければ、最悪の場合、図面のやり直しから改装工事までをやり直さなければなりません。そんな非効率な事は避けたいものです。
余談になりますが、保健所の職員は、基本的に規定通り、マニュアル通りにしか動きません。担当者にもよりますが、こちらの意を汲んで気を効かせてくれるケースは少ないと考えておく方が良いでしょう。当然のとこですが、融通を効かせてくれたとしても法的に許容範囲の範疇です。
担当者によっては、交渉の余地のない人もいます。杓子定規にしか対応出来ない人です。そんな場合は、別の日に出直すとか担当を変えてもらうようにするのが懸命です。
良い担当者にあたった場合、問題を解決するためにアイデアを提案してくれる人もいます。そして上の人と交渉し、こういう限定条件ならと許可をしてくれるケースもあります。
どうしても担当者に話が通じない場合は、オススメではありませんが、窓口でとにかく大きな声で怒鳴る!そんな人時々見かけます。。。その事態を収拾しようと別の担当者が出てきます。これは最終手段ですね(笑)まあ、そんな手を使わずともクリアすべき条件は、事前に提示されているので、それに準拠したお店づくりを考えるのが良いです。
これも余談になりますが、都道府県によって、許可条件が違います。例えば、京都であれば厨房の壁面は、防水に対応した塗料を塗らなければなりません。併せて床には排水口を設けなければなりません。
最近では衛生上、水洗よりも乾燥状態による衛生が主流になってきていますが、京都ではまだ改正されていません。このように都道府県によって対応のスピードが違うのが現実です。
先ずは各都道府県の保健所で申請に関する規約を把握することが大切です。
<相談した履歴を残す>
次に大切なポイントは、事前相談した内容記録を保健所に残すということです。事前相談をしたにも関わらず、工事終了後の現地調査時に新たな問題点など言われても困ります。ですので、抑えるべき重要なポイントは事前相談時にお互いが確認をして図面に書き込み、コピーを担当の方の名前と伴に保健所に残してもらうことが必要です。
あとから、言った言わなかったというやり取りをしても不毛ですので。
営業許可を確実に通すためには、事前相談が要です。担当者と関係をつくり、疑問に思うことは早めに解決、確認して進めることで、審査も通りやすくなります。
期待に満ちたカフェの開業、気持ちよくスムースに開業できるよう、準備していきましょう!