【評価テーブル図解付き】ベーシック社の人事ポリシーと評価制度を公開します
株式会社ベーシック執行役員の林(@hiromasa_h)です。
さて今回は、私が面接時に必ずと言っていいほどご質問をいただく、我々ベーシックの人事ポリシーおよび評価制度をご紹介したいと思います。
制度の概要は以下の採用ピッチ資料にも載せていますが、このnoteではその詳細をお伝えできればと思います。
評価制度設計に取り組まれてる人事の方やご自身の評価やフィードバックについて考えるビジネスマンにとっての一助になれば幸いです。
ベーシック社の人事ポリシーとは
まず根底の人事ポリシーとして、「プロフェッショナル・オリエンテッド」という考え方を持っています。これは、ベーシックの全ての従業員に向けたものであり、プロもしくはプロを目指す者の集団となっていきたいという考え方です。つまりは、一人ひとりがプロのとしての矜恃を持ち、常に高いレベルを追求していくことを志向しています。
そして、その人事ポリシーを実現していく上で、以下の通り、会社側、社員側で双方で必要なことがあります。
・会社側:成長機会の提供、適正な処遇と評価
・社員側:継続的な成長
ポイントとしては、「成長(機会)」と「適正な評価」の2つです。
それぞれを細かく説明していきます。
「成長」を加速させる方程式とは
当然のことながら、ベーシックに限らずよりレベルの高い組織を目指していく上では、一人ひとりの「成長」は欠かせません。
その上でベーシックにおいては、その「成長」を加速させる要素を、方程式として以下のように考えています。
以下よりその各要素を補足していきます。
挑戦
言い換えると成長機会になりますが、挑戦の大きさ(質)や量(数)が重要ということです。
挑戦の大きさが大きければ大きいほど、量が多ければ多いほど、成長感は高まっていくと考えています。
フィードバック
その挑戦からの学びを意味します。顧客や競合他社、同僚、上司などのステークホルダーからのフィードバックを受けて、次に繋げていくことでより成長が加速されます。
また、フィードバックを受ける機会を増やすために、少なくとも隔週で1on1(部下と上司の対話)を実施しています。
優秀な人との距離感
優秀な人の距離感は、前述の良質なフィードバックをさらに後押しすると考えています。
ベーシックでは約100名の社員に対し、代表含め5名の経営メンバーがおり、
リクルートやDeNAなど急成長を経験した企業で中心として働いていたメンバーと日々近くで働く環境があります。
また、通常の本業に加え、目的に応じて少人数で横断のプロジェクトを立ち上げることも多々あり、その場合はより近い距離感で仕事をしてもらう形になります。
”能力”ではなく、”期待”で決まる評価制度
次に、適正な評価を支える評価制度について、以下の流れでご紹介していきます。
(1)評価制度の特徴
(2)グレード(等級)の内容
(3)グレード(等級)の決定方法
(4)評価(査定)方法
(1)評価制度の特徴
我々の中で「期待役割グレード制度」と呼ばれるもので、特徴としては2つあります。
①能力ではなく、各人の業務成果への期待でグレード(等級)を決める
②その期待役割の達成度合いに応じて、グレードの標準報酬の+15〜-10%で評価する
※基本的には、年2回(1、7月)の査定時に決定
グレード決定段階でたとえ能力が足りていなくても、期待していくならば、グレード(等級)は上がり報酬が上がるという考え方です。これにより、挑戦機会の創出、抜擢が生まれやすくなると考えています。
(2)グレード(等級)の内容
グレードは大きく12等級からなります。
大きく括ると、
・メンバー等級が、D1~D5(Devlopment)
・課長等級がP1~P3(Professional)
・部長等級がSP1〜SP2(Senior Professional)
・執行役員等級がM1~M2(Master)
となっています。
その上で、P1グレードからは、Manager(マネージャー) or Expert(エキスパート)の職位に別れます。
Managerは、基本的にはメンバー等級の部下を持ち、そのメンバーに働きかけていく事で組織業績の責務を担います。
Expertは、特定の部下は持たず、高い専門性を発揮することを通じて、組織、事業貢献を担います。
これらは本人の志向性、強み、組織の状況を鑑みて、いずれかを決定しています。
(3)グレード(等級)の決定方法
まず、決める人はメンバーの場合、直属の上長(Manager以上)、同事業部のManager、部長、人事で、会議を通して決めていきます。
そして、グレードの決まり方としては、次の半期で期待する(したい)役割を次の4つの観点で点数化し、その合計点に応じて決まる形となります。
①難易度:必要な知識の量とそれを元にした応用力
②組織影響度:組織内に与える影響度合い
③裁量度:与えられた権限の大きさ
④対人関係スキル:必要なコミュニケーション力(折衝力)
▼グレードの点数定義表はこちら
各観点には最大6段階(Ⅰ〜Ⅵ)にレベルが設定されており、2〜12点の点数配分がされています。
4つの観点それぞれで定義されていますが、一例として対人関係スキルをご紹介します。
例)対人関係スキル定義表
(4)評価方法
最後になりますが、特徴②その期待役割の達成度合いに応じて、グレードの標準報酬の+15〜-10%で評価 関する部分、具体的な評価方法について説明になります。
上述したグレード(等級)は期初(1月、7月)決定しますが、その期待役割に基づいて半期ミッションを設定します。
半年間そのミッション達成に向けて取り組み、そのミッションの達成度合いに応じて期末(6月、12月)に査定を行います。次期グレードの決定とほとんど同じタイミングで行います。
評価は、上記の通り、SSS〜Dの9段階で行い、その評価ランクに合わせて、次期半期報酬に査定給が反映されます。変動幅は+15%〜ー10%になっており、次期グレード報酬に掛け合わせた金額が査定給となります。
※例:査定給算出方法
上半期のグレードがD4で評価S(+5%)、下半期のグレードがD5となった場合の下半期の査定給は、(D5のグレード給)×5% となります。
D4からD5へとグレードが上がった分に加えて、上記の査定給分が追加される形となります。
最後に
人事評価制度は運用が大切です。ただし、人事だけではなく、当人の上長やマネジメント担当者が制度を理解し、適切に期待役割を設定することが求められます。
評価制度はあくまでマネジメント推進の手段で、メンバーの成長の加速、難易度の高い取り組みに挑戦するための仕組みと捉えています。
また、ベーシックでは人事評価制度の浸透を図り、マネジメント層への研修を定期的に行っています。(こちらの詳細については、別のnoteでご紹介できればと思います。)
こうした取り組みが功を奏し、期を追うごとに評価制度への満足度も向上し続けています。
※制度が変更された2018年12月以降、
2019年、2020年の満足度は70%を超えています。
冒頭の人事ポリシーでもお伝えしましたが、ベーシックではプロフェッショナルにとって働きやすい環境を目指しています。その環境構築をより加速するためにこの人事制度に変更しておりますが、人事評価に対する上司と部下のミスコミュニケーションや、人事評価への不納得感から優秀な社員の退職するケースは大幅に減りました。
もちろん会社の人事ポリシーによって適切な評価制度は変わってくるとは思いますが、明確な評価制度がない会社や、評価制度の運用に困っている会社の方は、少しでもベーシックの取り組みがご参考になればと思います。
また、そんなベーシックに少しでも興味を持っていただけた方がいらっしゃいましたら、以下の採用情報も覗いていただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。