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エッセイ 『日本語バトン』

 最近は読書を楽しんでおり、ペットの世話なども結構  忙しいので。あまり人と話さない生活を過ごしています。

 愛鳥と歌い、愛犬と戯れる。そして自然や社会を観察して詩などを書いてnoteに投稿。皆様からコメントをいただく。このような今の生活でも幸せなのですが。ふと思いました。やはり日々の暮らしには刺激も必要だから、《もう少し若い人との交流の機会を持っておいた方が良い》と。
 まずは若者文化を覗いてみよう。そんな思いから、先月 tiktokを見始めました。

  他のSNSに比べてtiktokは、利用者の年齢層が若いらしくて。ライブ配信を見ていると、配信者やリスナーの平均年齢は20代ではないだろうか?と思うほど。とにかく若くて元気な配信者が多いのです。

 tiktokのライブ配信を見ていたら《やっぱり若さって素晴らしい》と思う。お行儀が悪かったり、軽薄な印象を受ける配信者も多いけれど。屈託の無い笑顔や失敗を恐れずにチャレンジしている姿を見ていると、応援したくなるから不思議です。

 批判的にではなく肯定的に、若者文化を覗いてみよう。そんな思いもありtiktokを利用し始めたのですが。先日、ちょっとした面白い出来事がありました。
 20代前半くらいの配信者に、コメントを送ったのです。天気の話題でしたので、こちら(僕が住む地域)は寒くて雪が降ってることを伝えようとしたのです。
 でも僕のコメント、《ひらひらと雪が降っています》が上手く伝わらなかったのです。
 「ヒラヒラ?ヒラヒラって初めて聞く言葉だけど何だろ?どんな雪なの?」

 衝撃でした。ひらひらが伝わらない。
 若者の全員が言葉を知らない訳ではありません。その配信者がたまたま《ひらひら》を知らなかっただけだと思います。「ノリと感覚だけで生きてます」というキャラの配信者でしたから。
 でも僕は思ったのです。傾向として、若者は自然現象などを豊かな表現で伝える機会は少ないのだろうと。雪はただ《降るもの》で。ただ《白くて冷たいもの》なのでしょう。

 日本語がとても美しい言葉であることや、自然を愛でる国民性から表現が豊かであることを 家庭や学校で教わらないのですね。たぶんそういった日本語を聞く機会も少ないのだと思います。

 少し寂しく、そして気の毒に思いました。だから、その配信者の無知を馬鹿にする気持ちにはなりませんでした。

 雪が、ひらひら降る。多くの人が知ってる言葉だと思います。《もし自分が知らなかったら恥ずかしい》そんな思いが僕にはあります。
 でもその若い配信者が《こんな言葉があるんだ!》と驚いてる姿を見て、思わず笑ってしまいました。恥ずかしいとも思わず、純粋に頭の中が【???】になってる表情が、なんだか可愛く思えたのです。

 そして思ったのです。良い大人になってほしいなと。
 その配信者が、もう少し年齢的にも精神的にも大人になられた時に。表現力豊かな日本語で家族や友人と語り、配信もして欲しいなと。
「今夜も陽気に配信してますよ〜 本当に2月って寒いですね。こちらは雪がヒラヒラと降ってますが、皆さんの地域は如何ですか?」

 若い配信者から、僕は気付かせて貰ったのです。言葉ってバトンみたいだなって。
 ええ、そうです。あのバトンですよ。運動会のリレーで走者が次の走者に渡す、あの棒のことです。
 つい我々大人は、未熟な若者や子供に、「駄目でしょ。〇〇が出来てない!」とか「もっとシッカリ勉強しなさい!」とか煩く言いがちですが。今回 お伝えしたような言葉や教養のバトンについて意識する方が良いのかも知れませんね。

 日本語は美しい。日本人は、これを誇りに思っていい。そして永遠に守るべきです。
 であるならば、ちゃんと次の世代が理解し使えるように、優しく伝える義務があるように思います。
やはり社会的な責任は大人、年長者にあるのですから。

 とここまで《肩に力を入れず。若者に嫌われないように》気をつけながら書きましたが。如何ですか?それでも説教臭い文章になりましたでしょうか?笑

 自分と違う世代と交流するのは楽しい。だから、これからもtiktokの利用は続けようと思っています。もしかしたらライブ配信も始めるかも知れません。説教臭い人間、ダサい大人にならない方法は《何かにチャレンジをする》ことだからです。

 そしてもちろん!こちらnoteでも いろんな世代の人たちと楽しく交流できればと思っています。そのためにも創作を続けます。
 今後も どうぞよろしくお願い致します。

 拙文、最後までご覧くださりありがとう御座いました。

《完》

ひろまる愛理
2025年、ひらひら降った雪が溶けた2月下旬。

京都、西本願寺

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ひろまる愛理
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