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既存の保全方法

今回はなぜ、状態基準保全がいいの?という事の補足的な感じです。

機器の故障率の時間的推移は下の図のようになります。

縦軸に機器の故障率、横軸に時間をとった時
見て分かる通り、バスタブのような形を表します。
それぞれの区域を
①初期故障期
②偶発故障期
③摩耗故障期
といいます。
初期に故障率が大きくなっているのは、潤滑油が十分に行き渡ってなかったり、機器同士の噛み合わせが上手くいっていないなどが挙げられます。
(人で言うところの、いきなり走ったら肉離れした!みたいな感じでしょうか。)

そこを乗り越えると、安定した稼働になり、最も故障の起こりにくい状態になります。
(アップ完了!といった状態かと)

最後が摩耗故障期。
ずっと使い続けたことにより、機器がすり減ってしまい十分な機能を果たすことができなくなってしまいます。
そのまま放置していては、ほぼ確実に故障が起きる状態です。
既存の保全方法である、時間基準保全ではこの摩耗故障期に入る前、すなわち偶発故障期に部品の開放整備点検が行われるよう予め計画がなされています。
(基本は5年おき、船種によっては6年)

つまり、故障が最も起こりにくい状態の時に機器の一部を解体し点検を行います。摩耗故障期に入るギリギリなら良いですが、まだまだ偶発故障期の中盤の時期であるかもしれません。
まだ、元に戻した際に噛み合わせが合えばいいですが、上手くハマっていたものを初期状態に戻してしまう可能性もあります。
部材交換など行えば、それこそです。

つまり、偶発故障期にいたものを初期故障期の故障率の高いところに戻すことになります。

もしこれが、状態基準保全であれば摩耗故障期に入ってから、もしくはこれから入る直前というタイミングで整備を行うことができます。
その精度や閾値に関しては昨日も述べた通り、今後研究を進めていく必要があります。

今現在、状態基準保全は既に原子力発電で部分的に取り入れられいます。それを応用していく必要もあります。

IoT技術やMEMSにより、精緻化したセンシング技術やビッグデータ解析技術の高度化により、状態基準保全の確立も進んでいくことでしょう。

そうなる前に論文を出したいというのが本音ですが…

研究や投稿内容にアドバイス、指摘等あればお願いします!
明日も何らかを投稿します。


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