見出し画像

【税務】国は裁判しないで差押え可。

 前回、強制執行するためには権利を認めてもらうための訴訟手続において判決を得る必要があることを取り上げました。

 では、国の方から税金の請求をするときも裁判をしなければならないのでしょうか。

 実は不要なんです。

 裁判要らずなんです。

 裁判しないで差押えできちゃうんです。

 は?なんで国は特別なの?

 と思った人もいるでしょう。

 そうなんです。国は権利を認めてもらう訴訟をして判決を得なくても、強制執行ができるのです。

 国なんだから法律に従って権利行使しているのでしょうという考えが前提にあるのだと理解しています。

 基本的に国が課する税を国税と言いますが、国税について特別に認められたものなのです。

 徴収職員つまり税務署長その他国税の徴収に関する事務に従事する職員が担当します。

 これは、相手が

滞納者つまり納税者でその納付すべき国税をその納付の期限(国税通則法第四十七条第一項(納税の猶予の通知等)に規定する納税の猶予又は徴収若しくは滞納処分に関する猶予に係る期限を除く。)までに納付しないもの

 であることが前提です。

 この場合に、一定の事由があるときに差押えができるのです。

 ちゃんと根拠があるのです。

 まずは通常の我々国ではない者が強制執行するときとは違うということを理解いただければと思います。

第五章 滞納処分
第一節 財産の差押
第一款 通則
(差押の要件)
第四十七条 次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。
一 滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。
二 納税者が国税通則法第三十七条第一項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。
2 国税の納期限後前項第一号に規定する十日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第三十八条第一項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
3 第二次納税義務者又は保証人について第一項の規定を適用する場合には、同項中「督促状」とあるのは、「納付催告書」とする。

国税徴収法

いいなと思ったら応援しよう!