【会計】委託販売の場合の収益の実現
以前に通常の販売の場合の収益の実現について取り上げました。
収入を計上するのは実現された時点、通常の販売の場合は商品を引き渡した時点ということでした。
では、委託販売の場合はどうでしょうか。
委託販売というのは、商品の販売業務を他の企業に委託して販売するものを言います。
例えば私の経験だと、弁護士として破産管財人の業務をしたときに、破産管財人というのは破産を申し立てた人なり法人の財産を管理、処分する業務をすることになる裁判所から選任される破産法上の制度ですが、あるレジャー施設の破産管財人をしたことがありました。
そのレジャー施設におけるお土産物を販売している売店がありました。
そこに売れ残ったキーホルダーなどの商品があったのですが、それはまさに委託販売のために預かっていた商品だったのです。
レジャー施設が受託者です。所有権はないので、これは所有者である企業に引き取ってもらいました。
このような委託販売は、
商品を委託者から受託者へ積送し、
受託者が販売して商品を引き渡して現金又は現金請求権を受領し、
受託者から委託者へ売上計算書を送付し、
委託者で手取金を受領する、
という過程をたどります。
さて、収入を計上することになる収益の実現はどの時点なのか、という問題でdす。
実現主義なので実現された時点で収益を計上するわけです。
これは委託者が受託者へ商品を積送して引き渡しただけではもちろん足りません。
だってまだ販売してませんからね。引き渡しはしてますが。
なので受託者が商品を販売して引き渡した時点で実現ということになります。
この時点なら受託者が現金又は現金請求権を受領していますし、こうなれば委託者も受託者に対して委託の報酬を除いた現金の返還の請求ができるという根拠からです。
受託者販売日基準といいます。
この場合、販売日ごとに収益を計上することになります。
しかし、販売日ごとの形状は煩雑ですね。
毎日お土産を販売していたら、毎日細かい金額を計上するんです。
そこで、売上計算書が販売の都度送付されている場合は、売上計算書の到達日をもって計上することも認められています。
これを売上計算書到達日基準といいます。
1週間に1回の送付でも販売の都度というように税務では扱っているようです。
これなら毎日計上しなくても、1週間まとまった金額を計上すれば足りることになり、計算が簡便になりますね。
このように、通常の販売の形態ではない場合も、どの時点で収益が実現されたのかを考えていくわけです。
本日はここまでとします。
読んでいただきありがとうございました。