【税務】山口県阿武町誤送金事件その2(回収の手段)
前回は誤送金についての請求するための理屈について取り上げました。
今回は誤送金を回収するための手段について取り上げます。
前回お伝えしました不当利得返還請求ですが、裁判なくして差押えができるのでしょうか。
山口県阿武町は地方自治体なので地方税法によって裁判なくして差押えが根拠づけられるのでしょうか。
答えとしては、できません。
国でも地方自治体でも、いかなる請求権であっても裁判なくして差押えできるわけではありません。
国税徴収法なり地方税法なりに定められたものだけがその対象となるのです。
定められていないものについては、国でも地方自治体でも我々民間人と同じ地位に立たされるわけです。
つまり、裁判しないと差押えができないのです。
不当利得返還請求権も、まさにそうです。
なので、裁判つまり訴訟提起して、判決をとって、そして強制執行をすることになるのです。
訴訟して判決取るまでに財産の散逸の恐れがある場合は、民事保全法に基づいて仮差押えを申し立てます。
これで強制執行と似たような状態を作り出すことができます。
ただ、相手の預貯金の差押えについては、よほどの必要性がないと認めてくれません、
それは、相手の生活があるので、生活に使用していると思われる預貯金口座は簡単には仮差押えを認めてくれないのです。
以上、今回は誤送金した場合の回収の手段について取り上げました。