
【会計】費用と収益の計上の考え方まとめ
これまで費用と収益の計上の考え方を取り上げてきました。
現金主義、発生主義、実現主義の3つです。
今回はこれを踏まえて企業会計原則で採用されている考えをまとめます。
まず現金主義については採用していません。
費用と収益については、いったん発生主義で認識します。
中古車の例で言えば評価損も評価益も認識だけはします。
ただし収益については実現主義により限定したものだけを計上します。中古車の評価益は計上しません(例外として売買目的有価証券は評価益の計上をしています)。
費用は原則の通り全て発生主義で計上します(例外として貸倒等の引当金の繰入額については、貸倒は未発生なのですが計上します)。
そして、発生した費用と発生した収益のうち実現した収益とを対応させ、発生した費用のうち実現した収益に対応する費用を当期の費用として期間損益を計算します。これで利益を求めるわけです。
実現した収益に対応していない費用は発生して計上していても当期の費用としては計上されません。たとえば繰延資産ですね。当期の実現した収益に対応していない部分は次期以降の実現した収益に対応させます。
理論的にこうなる、こう言えるというところまでは勉強すれば抽象的にはわかるでしょう。
しかし本当の意味での理解は具体的な当てはめの場面で抽象的な企業会計原則を適用するとどうなるのかを言えることです。ここまでできて本当に理解したことになります。
ここは日々の実践がものをいうわけですね。
また、企業会計原則も原則である以上は例外もあるわけです。
例外の理解は原則の理解の裏返しです。原則の理解ができて初めて例外が理解できます。
今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。
第二 損益計算書原則
(損益計算書の本質)
一 損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。
A
すべての費用及び収益は、
その支出及び収入に基づいて計上し、
その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。
ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。
前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5)
B 費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。
C 費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書に対応表示しなければならない。