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【税務】不服申立ての報酬

 税理士登録をして色々な税理士の先生方と話す中で、不服申し立てをしているのかどうかについても聞いたりしています。

 課税処分を受けた場合にこれを受け入れるのではなく争う場合に不服申し立てすることができるのです。

 これまで私が聞いた税理士の先生の中だけですが、誰一人として不服申し立てをした税理士の先生はいませんでした。

 今は廃止されている税理士の報酬基準の定めがあるのですが、それには不服申し立ての報酬についても定めがありました。

 私が聞いた中では誰一人やっていないくらいのことなのにきちんと定めがあったのです。

 それを紹介します。

不服申し立ての代理報酬

1. 異議申立て  30万円
 
 これは税務署に対する再調査の請求に当たるものと考えられます。

 異議申し立てというのは行税法上、処分をした処分庁に対して処分を争うものだからです。

 この場合、一律で30万円ということです。

 課税処分の内容の金額によって高いとも感じることもあるでしょうし、安いと感じることもあるかもしれません。

2. 審査請求  50万円

 これは国税不服審判所に対する不服申し立てであると考えられます。

 行政法上、処分をした行政庁の上級の行政庁に対して争うものが審査請求であるからです。

 こちらの方が高く設定されています。

 そして上記いずれにも加算の定めがあります。

[加算報酬]

 事案が著しく複雑なときは、100%相当額を限度として加算することができる。

 要するに2倍までの範囲で増額できるわけですね。

 「著しく複雑」とは、事案の内容が極めて繁雑又は広範にわたり、かつ、資料の収集、法令の適用その他の業務処理のために特別の調査、研究若しくは役務の提供を要するものをいう。とのことです。

 2倍まで増額できるのはこういった理由がある場合ということです。

 以上を読んでの感想です。確かに課税処分というのはそれなりの根拠があって処分したのだろうと考えられますので、それを争うのにも同様かそれ以上に根拠が求められると考えられますが、根拠規定を調べるだけでも労力を要しますし、事実や証拠の調査も労力を要します。そして説得的な主張を展開するのにも労力を要するわけです。こうしたことから以上の金額に設定されたということなのだと思われます。

 通常の申告の報酬と比べて高めに設定しているようにも感じますがそういったことが影響しているものと思います。

 今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。

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