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【会計】資産って何?

 会計でよくいう資産って何でしょうか。

 当社には資産家が有しているような立派な資産はございません、などと考える人もいるかも知れませんので、取り上げたいと思います。

 ちなみに遺産を相続するという相談を受けるときも、財産はありますか?と尋ねると、うちには財産なんてないです、と答えられてしまうので、聞き方には注意が必要です。

 資産とか財産とか聞くと、お金持ちが持っている潤沢な現預金、金とか株式とかを想定してしまう人が少なくないんです。

 1円でも現預金があれば、それは資産であり財産です。

 とまあ、前置きはこれくらいにして、今回は会計で言う資産とは何かと言う話です。

 一つは、資産というのは企業が有している財貨及び権利だという考えがあります。
  
 これらは換金する価値のあるものなので、それが資産だという考えです。

 しかし会計では繰延資産というものもあります。

 繰延資産というのは目に見える資産ではなく、支出した費用を資産としたもので、例えば開業費です。

 開業のために要した費用ですが、これは支出した時に費用とするのではなく、開業のために支出した費用をまとめて置いて資産として、翌期以降に減価償却のように費用化することが認められているものです。

 これは開業のために要した費用は開業した会計期間だけに収益をもたらすものではなく、開業した会計期間以降にわたり収益をもたらしてくれるので、開業した会計期間以降の費用とすることが認められているのです。

 開業した期はたいてい赤字であることも多く、その方が企業にとっても節税になります。

 そうすると二つ目に、資産というのは、繰延資産のように、将来の収益と対応させられて費用となるべき未費消の原価だという考えもあります。

 しかしこれだと将来に費用とならない現金とかは資産ではなくなってしまいます。

 そこで三つ目として、資産の性質として、企業にとって役立つもの、企業の収益の獲得の活動に貢献するものというのがあることに着目して、以下のように考える考えがあります。

 資産というのは、経済的便益であり、これが企業に帰属し、貨幣額によって合理的に測定できるものを言うと言うものです。

 経済的便益という便利な言葉で現金でも繰延資産でも便益があるという説明をするわけです。

 それでいてその企業以外のみんなにも便益となるようなものはその企業の資産ではないので、その企業に帰属するものであるということも求められます。

 そしてこれを会計するためには金額にしないといけませんので、貨幣額によって合理的に測定できるもの、ということが求められます。

 まとめると
①経済的便益
②企業に帰属
③貨幣額
です。 

 これを満たしたものは資産として計上することになります。

 例えば

その企業の代表者が描いた風景画

を考えてみます。

①経済的便益があるのか、まずこれで疑問です。

無理矢理考えれば、とても和む風景画であり、その企業の収益獲得に貢献します、ということもないわけではないです。

しかしこれ、言ったもん勝ちみたいになりますね。

これは通常は当たらないと考えるでしょう。

②企業に帰属、この点は満たしますね。

③貨幣額によって合理的に測定、これは満たしませんね。

いくら代表者がこの風景画は1万円だ、と言ったところで、これが合理的とは言えないでしょう。

 以上のことから、この風景画はその企業の資産には該当しないということになります。

 あくまでも会計上の資産に該当するのかどうかということであって、その企業では大事に扱われている資産です、ということ自体は構わないです。

 それ自体を否定するものではありません。

 というように、資産の上記の3つの要件に該当するかどうかを判断して、資産計上するかどうかを問題となる資産ごとに決めていくことになります。

 今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。

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