以前に消費税における仕入税額控除をすると消費税の節税になることを取り上げました。
今回は仕入税額控除という面倒な計算をしなくても簡単に節税できる方法を取り上げます。
それは簡易課税を選択するという方法です。
以前に取り上げました仕入税額控除をするというのが原則課税です。
これの例外として、簡易課税というものがあります。
これは、いちいち仕入税額控除の計算をしなくても、事業の種類に応じたみなし仕入率というものを用いて仕入の金額を算定し、これを控除することにより節税するものです。
どういうことかというと、例えば個人事業主としてサービス業を経営していたとします。
課税売上高が2000万円であったとします。
消費税が10%であれば200万円を預かっていることになります。
何もしなければ200万円が消費税として課税されます。
そこで前回取り上げた仕入税額控除を適用すれば、仕入段階で負担して支払った消費税の分をここから控除でき、残額を納付すればよいことになります。
しかし、仕入段階で負担して支払った消費税を計算するのはとても面倒です。
そこで、簡易課税を選択すれば、200万円にみなし仕入率(サービス業の場合は50%)をかけて100万円を計算し、200万円から100万円を控除した残りを納付すればよいのです。
みなし仕入率は仕入段階で負担した消費税がどれだけあったかに関わらず、みなし仕入率をかけて計算すればよいというものです。
とても計算が簡単です。
ただしこれを適用するには要件があります。
基準期間における課税売上高が5000万円以下であることです。
これを超えた場合は原則課税となります。
また、届出書を適用を受ける事業年度の開始の日の前日までに提出することです。
令和5年に適用を受けたいのであればこの開始の日である1月1日の前日である令和4年12月31日までに所轄税務署長に簡易課税の届出書を提出する必要があります(ただ税務署って休日窓口ってあるのでしょうか、あるとして12月31日はやっているのでしょうか、やっていなければ営業日の範囲内のうちに提出する必要があります。)。
これをしないと原則課税です。
今回も簡易課税というものを知っておいた方が良いので取り上げてみました。