【人生】法務局に行ってもわからない土地ってあるの?
土地の権利関係を調べるには法務局に行って登記事項証明書を取得することが必要となります(一定の手続をすればオンライン上で有料で登記情報を取得することもできます。)。
権利関係というのは、その土地の所有者が誰なのか、その土地の抵当権が設定されているかどうかなどです。
しかし、登記事項証明書が取得できないことがあります。
いやいやいや、建物であれば未登記の場合があるけど、土地は登記されているんだから取得できるでしょ?と思われた人もいるかもしれません。
建物の場合、住宅ローンを金融機関から借りる場合には金融機関が抵当権を設定するために新築の建物を保存登記させた上で抵当権の設定登記をする、ということはありますが、住宅ローンを借りずに、現金で建物を新築する場合、金融機関の抵当権の設定登記のためという必要性がないため、わざわざ必要のないのに保存登記をしていないということはあるので、この場合は登記事項証明書は取得できません。建物が登記されていないからです。
土地は建物の新築のような保存登記ということは考えられないので、新築もなにも従前からその土地というのはあったものなので、あったものは従前の土地の所有者からの売買とか相続とかで所有権が移転されて現代に至っているわけなので、登記は当然されてあるわけです。
ところがどうしても登記事項証明書が取得できない土地があります。
それは保留地というものです。
保留地というのは、自治体による土地区画整理事業による区画整理によって整えられた土地の中で余分にと言っていいのかわかりませんが余った端数のような土地のことです。
この土地は登記事項証明書による証明の対象にはなっていないのです。
ではどうやって保留地の存在がわかるのでしょうか。
一つは自治体のうち固定資産税を課税する部署が発行する固定資産税評価証明書です。
それには「保留地」と明記されて自治体が把握している所有者に固定資産税が課されることになります。
しかし保留地が実際にどこに位置しているのかについてはこれだけでは明らかになりません。
そこで違う手がかりを探すことになります。
それは何かというと、これも自治体ですが自治体のうち区画整理を担当している部署が区画整理による換地をする前の地番と後の地番を対照させた地図を発行してくれますので、これをみれば保留地の位置関係がわかります。
また、その部署では保留地であることを証明してくれる証明書も発行してもらうことができます。
では、保留地を対象とした取引をするときに、登記されているなら売買、相続による移転登記がされるように、そういった権利の変動を明らかにしたい場合にはどこでそれを把握しているのでしょうか。
それも自治体の区画整理を担当している部署において、届出をすることになっています。
未登記の建物についても自治体に届出して権利の変動を明らかにしますが、これと似たような感じです。
土地が法務局でもわからないというのは珍しいので取り上げてみました。今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。