CHIZノート~アタシのノート
第1回 CHIZの決心
CHIZ「お父さん、あたし、TB大に行きたい!」
役所広司のようなお父さん。実は役所広司。
武史「いいぞ!」
CHIZ「あたしも、お父さんみたいにカッコよくなりたいの」
武史「お父さんも、楽してT大に入ったわけじゃないからな。
何かを得るためには、何かを捨てなきゃいけないんだ」
CHIZ「そうなんだー」
武史「CHIZ、何を捨てる?」
CHIZ「エレクトーンを、1年間、弾くのをやめてやる」
武史「よし、よく言った。
もうCHIZは、合格したようなものだ!」
CHIZ「お父さんは、何をやめたの?」
武史「バイクに乗るのを一年間やめたんだ」
CHIZ「知らなかったー。そう言えば、お父さん、バイクの中型免許を持ってるんだったね」
武史「でも思っているだけじゃ、駄目だぞ」
CHIZ「え?」
武史「願望は"紙"に書くんだ!
CHIZの場合は、『エレクトーンを一年間やめて、TB大に受かる』って書くんだ!」
CHIZ「わかった。あたしも"紙"に書く」
合格発表。
CHIZ「やったー。
お父さんの言った通り、ホントにTB大に受かった。
ホントのホントは、W大の文学部に行きたかったんだけれどねー。
お父さんには負担かけられないからね。
こうなったら、TB大、首席で卒業してやる!
見てろよ! W大のやつら!」
第2回 CHIZの芸名
入学して、武藤理智代と友達になるCHIZ。
武藤理智代は、みんなから、「りちょ」と呼ばれている――。
りちょ「CHIZ、本名は何ていうの?」
CHIZ「田中その子」
りちょ「芸名付けるほどの名前かなー?」
CHIZ「本名が嫌だったの!
芸名が付けたかったの!」
りちょ「芸名のフルネームは何だったっけ?」
CHIZ「彼方ちづ子!」
りちょ「よく考えたわね」
CHIZ「みんな、そう言う」
りちょ「そう言うと思うわ」
CHIZ「もう男子まで、"CHIZ"って呼び始めてるから嬉しいの!」
りちょ「ここまで広まれば、もう変えられないわよ」
CHIZ「いいわ、それで。
お父さんまで、"CHIZ"って呼んでくれてるし。
全然、問題ない」
りちょ「全てナットク!」
第3回 ノートを取るのが速い上手い
授業の後。
りちょとCHIZが喋っている。
りちょ「CHIZ、ノートを取るのが速い!」
CHIZ「そうかな?」
りちょ「それに字も上手い」
CHIZ「そうかな?」
りちょ「詳しくノートを取ってるし、試験前にはCHIZのノートが売れるよ」
CHIZ「売り物にはしたくないなぁー」
りちょ「みんな、CHIZのノートが欲しいと思う!」
CHIZ「大盤振る舞いして、タダでコピーさせてあげる」
りちょ「速いし、上手いし、あたし、CHIZを尊敬する」
CHIZ「りちょの尊敬を勝ち取っちゃった」
りちょ「本当だもの」
CHIZ「みんなには、タダでコピーさせてあげるけど、来年入って来る後輩たちには、売ることにする」
りちょ「それがイイと思う!」
CHIZ「後輩たち、喜ぶかな?」
りちょ「喜ぶ、喜ぶ。
あたしが、"後輩"になりたいくらいだもの!」
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