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『闇の虹水晶』
乾石智子/創元推理文庫
昨年末から読み始めた乾石智子作品もこれで5作品目。
人の感情や病気、怪我を石(宝石、貴石、鉱石)にして取り出すことの出来る創石師ナイトゥルの物語。
乾石作品は前世の記憶や過去の人の人生の追体験、まぼろしのようなものを見て謎が明かされていくのがパターンのよう。
ファンタジーが苦手って人を容赦なく置いていくであろう圧倒的ファンタジー全振り感が良い。
わたしは置いていかれそうになっています。
本作でも主人公が謎のまぼろし、外国の景色と思しきものを見るシーンと現在の主人公の状況が交互に語られる。
わたしは若干その演出にのれてないので(肝なのにね)、まぼろしとかそういうのいいから現在の主人公のシーンだけが読みたいなあとか思いながら読み進めていた。
でも主人公が見ていたまぼろしの中の物語と主人公の物語が繋がり、まぼろしの中に出てきたクレヨンしんちゃんのボーちゃんみたいな人物の正体が分かったとき興奮した。ここまで読んできて良かった!と思った。これが大オチではないですけどね。へーへーほーほーふんふんと思いました。
創石師という能力も実に面白い。
主人公が人から取り出す石。小説なのできらきらカラフルな石のビジュアルは見られないけど、薔薇石とか橄欖石とか楔石とか字面がかっこいい。字がきらきらしてる。誰が考えたのか知らないけどこの漢字とカタカナの組み合わせを見ていると日本語が読めて良かったと思う。
装画がまたいいのです↓
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平穏無事で、読書にうつつをぬかせる日々が続きますように。