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『魔術師ペンリック』
ロイス・マクマスター・ビジョルド・著
鍛治靖子・訳
創元推理文庫(小説)
原題:Penric’s Demon,and other novellas
『闇の虹水晶』(乾石智子・創元推理文庫)の装画で知ったアリストレーターさんを検索して出てきた作品。ジャケ買い。
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SFを書いたりファンタジイを書いたりしてる人によるファンタジイ。久々のカタカナファンタジイ楽し。
〈五神教〉シリーズなるものの続編だけど、新主人公の新しい物語なのでここから読んでも問題はなかった。
特に教訓めいたことも、心がぐらぐら〜ざわざわ〜とすることもなく、ひたすら単純に異世界の冒険が楽しめる。
これだよ。こういうのがいいんだよと思う(ざわざわもいいけれど)。
「魔」という存在を体に棲まわせることで「魔術師」となる。
「魔」は宿主が死ぬといちばん近くにいる生物に乗り移る。すると前の宿主の記憶や知識なども蓄積される。
「魔」や「魔術師」は貴重な存在なので「魔」の継承には細心の注意が払われるが、主人公の青年ペンリックはイレギュラーに「魔」を宿してしまう。
それも2頭と10人の「女性」と共生してきた「魔」を。
「魔」は勝手に話す。宿主の口を使って話すこともあるし(だから魔術師は変な独り言を喋る奇妙なものだと思われている)、宿主の頭に直接話しかける事もできる。
頭の中に12人の姉がいると思ってごらん。
人による。人によるけどもさ。
はたち前後の男・ペンリックが、先輩女性の集合体である魔・デズデモーナ(12人あわせた名前)に思考を読まれたり、体の動きを微笑ましく思われたりする。
デズデモーナもけたたましい感じではなく、話し方は上品だし、大人の女性という感じで良い。
それでも12人もいるとさぁ。ねぇ?
話はミステリの要素も強く、じつに私好みだった。キツネも出てくるし。
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