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『ディアスと月の誓約』
乾石智子/ハヤカワ文庫(小説)
またまた〈オーリエラントの魔道師〉シリーズではない乾石智子作品。
装画が妙に可愛らしい。ハヤカワさんはそういう方向で?
伝説の獣サルヴィの角の力に守られ繁栄している王国。その第三王子ディアスの物語。
サルヴィの角は時が経つと崩れ失われ、国が災厄に見舞われる。新たなサルヴィの角を探さなければならず、見つけた者は次の王になる。
宮廷陰謀モノの様相を呈していて好き。
ファンズの存在がいい。乗ったり、ソリを引かせたり、食べたり。大活躍の獣。作中では「鹿の一種」と紹介されているが、寒そうなのでずっとトナカイみたいなものを想像しながら読んでいた。角が大きくて首の周りがモッフモフの。
著者のいぬいっさんは山形県出身。だから雪に覆われたシーンの描写がキレッキレだと思う(もう少し品のある表現がしたいけど思いつかない)。
それから、わたしは父が山形県出身のため勝手に親近感を覚えている。今回は山形の方言も飛び出してテンションがぶち上がった(もう少し品のある表現がしたいけど思いつかない)。
冬の祭りをちゃんとすねど、冬の神様がごしゃぐんだべ。
ディアスの姪アンローサ(14歳)の成長物語でもある。アンローサぐらいの年頃の子が読んだら何を感じるのかちょっと気になる。
可愛らしい装画もそんな読者層を意識しているのかな。