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消費じゃない方法で自分をhappyにすること

小さい頃、横浜に住む祖母に連れられてそごうに行くのが大好きだった。
そごう入口の世界の人形時計は今でも記憶に鮮やかだけれど、今検索してみたら、かなり前にからくりの機能は終了して、時計としての役割のみになってしまったらしい。そこまで思い入れはなかったが、少し残念だ。

そのそごうで、小学生の私は祖母にこう言ったらしい。「おばあちゃん、欲しいものがいっぱいあって選べないから、デパート丸ごと欲しい!」
「それは手っ取り早くていいわね。いいわ、買ってあげる!」とは勿論ならなかったが、子供ながらにもそのあまりの貪欲さに我ながら脱帽。

そう、子供の頃からあれも欲しい、これも欲しいが尽きなかった私の購買欲は大人になっても止まず。私の場合、ショッピングを楽しむというのではなく、購買して所有することが重要で。お店に入って、ちょっとでも「欲しいな」と思うと、その欲求が自分の中で膨れあがるのが怖くて、その恐怖が続くよりは、「買った方が早い」と思って買ってしまう。
そして買った後に「本当に良かったのかな」と一瞬反省して、「でもクラシックだし、絶対に使うし、うん、絶対に使うし、本当に必要なものだ!」と思い込ませた上で家に持ち帰る。
そして、私は実際にその買ったものを使い込む。箪笥の中に眠っている、ということはまずない。そして、洋服に関しては、定期的にリサイクルに出しているので、クローゼットが物で溢れている、といった状況は回避している。
加えて、浪費しすぎて生活が崩壊するレベルでもないので、この自分の購買癖を改善しようと思ったことはまるでなかった。

しかしながら、昨年5年間の結婚生活にピリオドを打ち、自分の将来のヴィジョンががらりと変わった。なるべく身軽でいた方が選択肢も増えるだろうということで、所有物をかなり減らした。そして、お金もないよりはあった方がいいので、なるべく消費しない生活を心がけている。

まず、購買欲に踊らされないように、自分のベーシックを決めることにした。スキンケアとヘアケア類は、上を見るとキリがないから、「もっといいものはあるかもしれないけれど、これなら買い続けていけそう」なものを選んで、それをリピートしている。あまり安いものにすると、気持ちが乏しくなってしまう弱い自分がいるので、自分にとって高すぎず安すぎないものを使っている。重要なのは、決めたからには購買の選択肢を与えないこと。「これでいい、これで大丈夫」と言い聞かせること。
洋服もベーシックを買い足すことのみに集中する。色は、白か黒。差し色はグリーン。迷わないことが大事。
そういう風におまじないをかけて、なるべく忙しくしていると、消費する機会が一気に減る。

が、しかし、ある時、仕事終わりのたまたま予定がない日に、至極消費をしたい衝動に駆られた。
「いやいや、もう必要なものはあるじゃないか」と湧き上がる欲望を抑えようと心がけたが、そうしたら、とても悲しい気持ちになった。
「こんなに頑張ってるのに。好きなものも買えないなんて」
思い直して家に直帰したけれど、涙が止まらなくなった。
「私、何のために努力してるんだろう?」
消費することで埋めて続けていた自分の気持ちは、簡単には変えられなかった。
そして、消費のことを考えないようにする作戦では、根本的な部分で購買欲を止めることはできないのだと確信した。

消費じゃない方法で自分をhappyにすること。
今、その方法を模索しているところ。
ストックホルムから離れると、消費しなくても全然平気なのだけれど、日常に戻るとなかなか難しい。このカリフォルニアの山の中にいる間に何か手がかりのようなものが見つかればいい。

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