キング牧師の誕生日という連邦祝日に、大統領就任式が…

皆様、こんにちは。岩本裕子です。埼玉県にある浦和大学で教員をしております。

「岩本裕子研究室 映画コラム ON YOUTUBE」第12回をお聞きくださり、ありがとうございます。本日、録音しているのは2025年1月20日、第3月曜日です。

本題に入る前に、ぜひお伝えしたいことがあります。1月の第3月曜日は、アメリカ合衆国の連邦祝日です。年間11回ある連邦祝日のうち、個人の誕生日を祝う唯一の祝日となっています。他の祝日は、特定の個人の誕生日を祝うものではありませんが、この日は1月15日生まれのある人物を讃える日なのです。この祝日は、英語で「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デー」と呼ばれています。

現在の日本では、キング牧師は非常に有名な人物ですね。この日、2025年1月20日は大統領就任式の日でもあります。このことについては後ほどお話しします。まずはキング牧師の誕生日について少しご紹介いたします。
先ほど、私は「アメリカの生活と文化」という講義の中で、ある曲を学生たちに聴かせました。最初の1分間、誰も反応を示さなかったため、「この曲を知っている?」と問いかけても、何の反応もありませんでした。「やはり21世紀の大学生には難しいか」と思っていたところ、2分ほど経過した後、歌手が「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」と歌い始めると、学生たちも次第に関心を持ち始めました。

この曲を歌っているのは、目の不自由な黒人歌手、スティービー・ワンダーです。彼が歌う「ハッピーバースデー」は、誰もが知る誕生日の歌ですが、実はキング牧師の誕生日を祝うための歌なのです。その後、歌詞の中で「マーティン・ルーサー・キング!」と叫ぶ部分があり、私はそこを再生し、「もう一度聴いてみましょう」と学生たちに促しました。

学生たちは驚き、自分たちがこれまで歌っていた「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」が、実はキング牧師を讃える歌だったことに気づき、大いに盛り上がりました。これが本日最初にお話ししたい内容です。

さて、次に本題に移ります。本日は日本時間2025年1月20日です。ワシントンやニューヨークとは13時間の時差があるため、日本時間の明け方2時ごろには、ワシントンでは正午を迎え、新しい大統領の就任式が行われます。通常は国会議事堂の前で式典が執り行われますが、今朝のニュースによると、今年のワシントンは厳しい寒さに見舞われているようです。

かつて、ハリソン大統領は寒さの中で長時間の就任演説を行った結果、風邪をこじらせて亡くなってしまいました。

初代大統領ジョージ・ワシントンは、立派な政治家でありながら2期8年で退任し、故郷のバージニアへと戻りました。どんなに優れた政治家でも、長く務めると独裁的になり、衆愚政治に陥ることを危惧し、「アメリカの大統領は2期8年で辞めるべきだ」と後世に伝えたのです。今回の新大統領も、すでに1期4年を務めているので、再選されてもあと4年の任期となります。

今後の世界情勢については不透明な状況です。カマラ・ハリス氏が大統領になってもモヤモヤするのですが…。いずれにしても、今後の4年間に対して楽観的な見通しを持つことは難しい状況です。

さて、本日お話しする内容として、彼が今後4年間で何を行うかについては触れません。キング牧師の誕生日にあたる1月第3月曜日に就任式が行われる会場についてお話ししたいと思います。

当初、就任式は国会議事堂の前で行われる予定でしたが、大雪や厳寒の予報を受け、議事堂内での開催に変更されたようです。

私が初めて国会議事堂を訪れたのは1989年、20世紀のことでした。ワシントンD.C.にはスミソニアン博物館群があり、航空宇宙博物館にはエノラ・ゲイが展示されています。これらの施設はメロン財閥の寄付によって無料で公開されていて、かつては国会議事堂の内部にも自由に入ることができました。

現在はセキュリティの関係で状況が変わっているかもしれませんが、私が訪れた際には「ロタンダ」と呼ばれる広間が印象的でした。この広間は直径約30メートル、高さ約55メートルの壮大な空間で、今回の就任式もここで行われる予定です。

ワシントンD.C.は1814年の米英戦争の際にイギリス軍によって襲撃され、国会議事堂も焼き討ちに遭いました。さらに、2021年1月6日には、200年ぶりに再び議事堂が襲撃されるという歴史的な出来事がありました。つまり、バイデン大統領当選を認めたくないトランプ支持者による襲撃が起こったのでした。

以前お話しした南北戦争を題材とした映画「#シビル・ウォー」は、現在アマゾンプライムなどで視聴可能らしいです。観たという友人から「なぜあのような内戦が起きたのか」と尋ねられたのですが、映画では何の説明もありませんでしたね。

ただただ、大統領暗殺を目的とした内線を起こした兵士の行動が表現されていました。様々な解釈はあるのでしょうが、いろいろ考えずに「これは単純なロードムービーなんだ!」とわりきって観た方がいいかもしれません…。

最後に、ロードムービーの話として、以前紹介した映画『パリ、テキサス』が現在、新宿武蔵野館で上映中です。人気のため上映期間が延長されているようです。名作は時代を超えて愛され続けるものですね。

本日は、キング牧師の誕生日、新大統領の就任式、少しだけ映画の話をお届けしました。十分にお伝えできなかった部分もありますが、今回はこれで終了いたします。 大統領就任式のために、気分が沈んでしまい、楽しい映画の話に結びつけることができず、申し訳ありません。

これで「岩本裕子研究室 映画コラム ON YOUTUBE」第12回を終了いたします。

次回、またお耳にかかれることを楽しみにしております。本日もお聞きくださり、ありがとうございました。ごめん下さいませ。

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