金星逆行の星のガイド【2025年版】
皆さま、こんにちは。
宮古島の占星術師/齊藤寛子です。
2025/3/2 9:36に牡羊座金星が逆行を開始します。
約18ヶ月に1回、愛と美の星「金星」が逆行する期間はあなたの対人関係や約束を見直し、あなたの価値観をそれらに反映するときです。金星逆行中はドラマや不安、好ましくない感情が高まるものの、なぜそのように感じるのか、どうやって愛を取り戻し、考え方を変えることができるのかを振り返るのに最適な時間です。金星逆行は私たちを苦しめるものではなく、機能していないことを解決するために与えられた機会であり、最善のセルフケア方法は同じ過ちを二度と繰り返さないようにすることにあります。
1.2025年の金星逆行
（1）牡羊座～魚座領域の金星逆行
2025年の金星逆行は牡羊座10.50度からスタートし、魚座24.37度まで戻るので、金星が春分点を行ったり来たりします。
2025年は試練と制限の星「土星」が5/25に牡羊座入りするものの、9/1には逆行で再び魚座入りし、魚座25度まで戻ります。また、夢と癒しの星「海王星」も3/30に牡羊座入りするものの、10/22には逆行で再び魚座入りし、魚座29度まで戻るので、まるでその予行演習のような形で、金星も春分点を往復する中で、新しい時代に合った価値観を見つけていこうとしています。
（2）金星逆行期間中に起こりやすいこと
上述のように、金星が逆行する約40日間は、あなたの対人関係や約束を見直し、あなたの価値観をそれらに反映するときで、以下のことが起こりやすいと言えます。
（金星逆行期間に起こりやすいこと）
・自分の願望や約束を再考する
・過去の過ちを完全にし、終わりを見つけるために再び対人関係の問題が表面化する
・消費習慣を見直す
・価値観や優先順位を再評価する
・誰かと再びつながる
・過去の利益を見直す
・昔好きだった趣味を探求する
・個人的なスタイルを実験する
今回、金星が逆行する牡羊座も魚座も人間の現実的な世界よりも魂の世界により近い所で直感を受け取るサインなので、新しい時代に向けて、あなたの魂の喜びにつながるような価値観を再構築していく時間となるでしょう。
（3）シャドー期間
逆行期間だけではなく、その前後の期間も重要になりますが、金星が逆行開始する1ヶ月以上前にプレシャドー期間が始まっていて、問題が浮上しやすい時でした。この1ヶ月に金星が司る「価値観・対人関係・金銭関連」でどんな問題が起こったかを振り返っておくと安心です。
・プレシャドー期間（2025/1/28 22:23~2025/3/2 9:36、魚座24.37度～牡羊座10.50度）：これから起こる逆行に向け、問題が浮上しやすい
・金星逆行期間（2025/3/2 9:36～2025/4/13 10:02、牡羊座10.50度～魚座24.37度）：プレシャドー期間に浮上した問題を実際に見直す
・ポストシャドー期間（2025/4/13 10:02～2025/5/16 15:04、魚座24.37度～牡羊座10.50度）：逆行期間中に見直し、再検討したものを落とし込んだり、新しい方法を採用する
特に、魚座24度台～牡羊座10度台までに個人天体やアングルがある方は、その天体の司るテーマも絡めて価値観を見直すことで、その天体を上手く使いこなすきっかけにしていきましょう。
✓太陽：人生の目的、公的な活動、夫
✓月：心・身体・プライベート
✓水星：知性・コミュニケーション
✓金星：価値観・対人関係・金銭
✓火星：情熱・勝負・健康・男性
✓木星：受容・教育・海外・出版・法律
✓土星：制限・試練・責任・ルール
✓天王星：オリジナリティ・独立
✓海王星：ビジョン・癒し・奉仕
✓冥王星：破壊と再生・極端・支配
✓ASC-DSC軸：自分と他者との関係
✓IC-MC軸：基盤と社会的肩書き
また、出生図の個人天体やアングルが逆行領域にない場合でも、HN8（45度相当）で0度～10度と39度～45度の間に重要なミッドポイント（MP）があれば、そこが刺激される可能性があります。
例えば、私の場合、太陽/月の対人関係に関わるMPが42度台（魚座27度台）にありますが、もともとASC-DSC軸との合があり、さらにいまはT魚座ドラゴンヘッドも接触しているので、多くの人を巻き込んで金星絡みのイベントが起こる可能性があります。
また、MP以外ではチャートルーラーのN牡牛座火星やN天秤座冥王星、社会的看板を意味する、N獅子座MC、ライツのN水瓶座月等出生図の重要な天体・感受点が刺激されているので、公私ともに様々なイベントが待ち受けていそうです。
（N：ネイタル、T：トランジット）
ぜひ皆さんもご自身の出生天体・感受点やMPへの影響をチェックしてみて下さい。
2.金星のサイクル
金星は内合と外合を繰り返しながら、約8年かけてまた同じ場所に戻ってきます。2025年から8年前なので、2017年の金星逆行とほぼ同じ領域で今回の金星逆行が起こります。
（1）金星の内合と外合
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/faq/phenomena.html
内合も外合も地球-金星-太陽が一直線に並ぶ現象（金星と太陽がコンジャンクション（0度））ですが、金星逆行中に金星が太陽より近くを通る時に起こるのが内合、金星順行時に金星が太陽より遠くを通る時に起こるのが外合です。
古代メソポタミアで栄えたシュメール文明では、「イナンナの冥界下り」という神話がありますが、下記ブログでP金星のサイクルの説明に際してこの神話に触れているので、ぜひご参照ください。
（P：セカンダリープログレッション）
（2）2017年から8年間の金星サイクル
下表は2017年の金星内合からの8年間の金星サイクルの一覧です。
上表の金星の内合と外合を繰り返す金星の軌跡のポイントを繋ぐと、下図の通り、星型になっています！！
金星は美や調和を司る星ですが、自らの軌跡がこんなに綺麗な星型を描くなんて、宇宙の神秘には驚くばかりです。
※New Venusが内合のポイント、Full Venusが外合のポイントです。
2017年は3/4～4/15の約40日間をかけて、牡羊座13.08度～魚座26.54度の領域を金星が逆行していたので、今回とほぼ同じ領域を逆行することになります。
私は牡羊座4度台で金星が内合した翌日の3/26に映画館の帰りに立ち寄った日本橋の本屋さんで手にした1冊の本によって、西洋占星術と巡り会いました。
その日はP天秤座水星がチャートルーラーのN天秤座冥王星に重なった日でもあるのですが、金曜日の金星時間、そして金星最大光度の日に生まれて、金星を守護星に持つ私が、金星の導きで西洋占星術に巡り会ったことも運命的だなと感じています。
（3）2024年金星外合からの金星サイクル
下表は2025年の金星逆行期間をフルカバーするため、2024年の金星外合から次の2026年の金星外合までのサイクルを載せています。
①2024/6/5：金星の外合（双子座14.29度）
約9ヶ月前に双子座14度台で太陽と金星が重なっていますが、太陽という人生目的と金星の価値観をすり合わせるようなことが起こっているのではないかと思います。この日の翌日に双子座16度台で新月を迎えていますので、双子座新月の頃に書いた目標等を振り返ってみてはいかがでしょうか？
私はこの時、宮古島の物件を探し始めていましたが、なかなか見つからずに苦労していて、それでもいつ物件が出てきてもいいように、To Do Listを手帳にまとめ始めた頃でした。
②2024/7/11：金星が西の空に見え始める（蟹座29.00度）
外合から約5週間後、金星が太陽とある程度距離を取り、西の空に宵の明星として目視できるようになった頃です。外合の頃にはまだはっきりしなかった価値観等が自分の中でしっかりと芽生える等、何かしらの兆しを感じ取れたかと思いますが、いかがでしょうか？
私の場合は、この1週間後の7/17の朝にようやく宮古島の物件が出てきてくれたので、金星がまさにキボウノヒカリのようです。この時、金星は獅子座6度台にあり、出生図を宮古島にリロケーションした獅子座MCとぴったり合、チャートルーラーのN天秤座冥王星ともぴったりセクスタイル（60度）にあったので、やはり私は金星に守られているんだなぁと有難く思います。
③2025/1/10：東方最大離隔（魚座7.21度）
最大離隔は金星が太陽から最も離れて見えるときで、地球から見て金星が太陽の東側にあるときを「東方最大離隔」と呼びます。東とあるので、東の空の明けの明星と勘違いしてしまいそうですが、西の空に見える宵の明星になります。
東方最大離隔の時は、可能性に向かって最大限のチャレンジをしていくときですが、何かチャレンジしたことはありますか？
私の場合は、この3日後の蟹座満月頃の気付きもあり、この後、普段なら投稿しない土日に投稿したり、1日2本記事を投稿する等、狂ったようにブログ記事を書いていました。1/29にN獅子座太陽の真向かいの水瓶座1度台で水星＆冥王星合が起こっていますが、いまの私の年齢ハーモニクスの発芽天体が水星×冥王星ということもあり、その天体の組み合わせが再現された所で発芽したのかな？と推測しています。
④2025/2/17：金星最大光度（牡羊座7.53度）
金星が最も光り輝くということは太陽と金星の距離が相当離れていて、金星が太陽の影響を受けづらいので、太陽という人生目的に関係なく、純粋に金星の喜びを思い出すことができるときですが、何か魂的な喜びを感じることはありましたか？
金星最大光度の日に生まれた私は、「絶対に見逃せない」とフォトツアーを何ヶ月も前から予約していた（天体観測手帳では2日前の2/15が金星最大光度とされていたので2日前）のに、宮古島はあいにくのお天気で一旦翌月曜日にツアーを繰り越すことになりました。ただ、夜に食材の買い忘れに気付き、外に出たら、西の空に金星が明るく光っていたので、ダメ元でカメラマンさんに「今からお願いできませんか？」とメッセージを送ると運よくすぐに返事を下さって、水平線まで見える西側の海岸に連れて行ってもらったのですが、現地に着くと、小雨が降り、金星は西の水平線に沈む時間まで全く顔を出してくれず、がっくり肩を落として帰りました（フォトツアーで1枚も写真がないのも初めての経験）。
翌日2/16は午後に良いお天気だったこともあり、「今日なら大丈夫なんじゃないか？」と懲りずにフォトツアーをお願いし出掛けましたが、1時間以上他の星も全く見えない状態で、「今日も無理なのかな」と諦めかけた最後の15分でようやく金星が雲の隙間からまばゆいばかりの光をほんの一瞬、放ってくれました☆彡
さらに翌日の2/17には家の窓からも、はっきりと金星が輝いて見えたので、「最初からこの日にすれば良かった…」という後悔はありますが、初めて訪れた宮古島でカメラマンさんが粘って見せてくれた天の川のことを思い出させてくれたので、こんなバタバタ劇も私が宮古島とのご縁を思い出すために必要な出来事だったのかもしれません。
2/15はちょうど牡羊座金星がN牡羊座パラス（創造的な知性を表現する小惑星）と合、チャートルーラーのN天秤座冥王星とオポジション（180度）だったこともあり、衝動的な行動をとったのも仕方なさそうです。
あとは金星が見える前に、天頂に木星を含めていくつか星が見えたので、久しぶりに地面に寝っ転がって星を見上げることができました。服が汚れるとか関係なく、ただただ私の喜びを追求し、純粋に魂の喜びを思い出させてくれました。
⑤2025/3/20：金星が西の空に目視できる最後の日（牡羊座4.39度）
金星が太陽に近づいているので、この日を境に、西の空に宵の明星を目視することが難しくなります。上述の「イナンナの冥界下り」の神話も参照して頂くと良いと思いますが、春分を迎える直前に、突然、目の前の明かりが消えたように感じる出来事が起こるのかもしれません。牡羊座金星は水瓶座冥王星とセクスタイル（60度）にありますが、何か古いものを終わらせて、新しく生まれ変わるためには致し方ありませんね。
⑥2025/3/23：金星内合（牡羊座2.39度）
金星が西の空から姿を消してから3日後に、金星は再び牡羊座2度台で太陽と重なります。一度死んだ金星が太陽のエネルギーをチャージされ生まれ変わるときです。
2.（2）で記述の通り、私の場合、8年前の金星内合の翌日に西洋占星術に出会っていますので、出生図の重要なポイントで起こる場合には、それくらい人生に大きなインパクトを与えることも起こりうると思います。
今回は、N牡羊座ベスタ（強い使命感や献身性を司る小惑星）上で起こるので、自分の使命を全うするために鍛錬すべきことが示されるのかもしれません。牡羊座ベスタは「自らが先駆者となって使命へ突き進む」特徴を持っていますが、それは宮古島への移住の決断とも大きく関わっていると思います。どんなに時代が変わると頭で分かっていても、これまでの生活を捨てて、新天地に向かうにはかなりの勇気が必要です。でも、私はそれを自分で実行しなければ占星術師として説得力がないと思ったので断行しました。世間から見れば我がままでお気楽に見えるのでしょうが、色んなリスクや責任をすべて受け入れて行動したことの本当の目的がこの時に分かるのかもしれません。
⑦2025/3/27：金星が東の空に見え始める（牡羊座0.21度）
金星の内合から4日後、金星は夜明け前の東の空に明けの明星として姿を見せ始めます。太陽からエネルギーをチャージされ生気を取り戻した、明けの明星は愛と美の星「金星」の印象とは異なり、男性的なエネルギーが強い戦いの女神を意味し、自分の欲望を達成する活動力として働きます。
今回は春分点で起こること、2日後には牡羊座日食もありますから、食の影響が明ける4/6以降に新しいことが急展開で進んでいくように思います。
私の場合は、牡羊座0度台に天体等はないのですが、太陽/ドラゴンヘッドのミッドポイント（家庭軸：家庭的な人的構成とその問題解決）とASC/MCのミッドポイント（自分の素の姿と社会的な立場が折り合うポイント）が0度台にあるので、私が関わる環境に何らかの変化が訪れそうです。
⑧2025/4/24：金星最大光度（魚座26.53度）
金星が東の空に姿を見せてから約4週間後、太陽と十分な距離ができ、今度は東の空でマイナス4.8等級（1等級の100倍）の輝きを放ちます。
金星が順行に戻って10日が経過し、魚座土星と魚座ドラゴンヘッドのミッドポイントに位置する金星は大きな愛で、自身の経験豊富な知恵で誰かのために貢献する力を与えてくれることでしょう。
⑨2025/6/1：西方最大離隔（牡羊座25.03度）
上述のように最大離隔は金星が太陽から最も離れて見えるときで、地球から見て金星が太陽の西側にあるときを「西方最大離隔」と呼びます。西とあるので、西の空の宵の明星と勘違いしてしまいそうですが、東の空に見える明けの明星になります。
西方最大離隔の時は、可能性に向かって最大限のチャレンジをしていくときです。次に東の空から金星が目視できなくなる11/26（蠍座24.26度）までの約6ヶ月間、金星逆行期間で見つめ直したあなたの新しい価値観をしっかりと現実に落とし込んでいくときです。
このとき、牡羊座金星は牡羊座キロンとぴったり合なので、あなた独自の魅力や価値観を積極的に外に表現していくことになるでしょう。キロンは傷でもあるので、過去にそのことで傷ついた経験があるかもしれませんが、それを乗り越えることで、同じような傷を持った人の希望と癒しになることができます。だからこそ、金星逆行期間には自分の魂とつながって、本当にあなたが大切にしたいものを確かめる必要があります。
私の場合、N牡羊座木星＆N牡羊座キロン（6ハウス）の上で起こるので、上述の牡羊座ベスタ同様に、私自身が恐怖を乗り越えて、自分のやりたいことをして輝く私の生き様や在り方を周囲に見せることで、誰かが夢への第一歩を踏み出すための勇気を引き出す役目を担っていくのではないかと考えています。
トランスサタニアンが次々とサインを移動する中、正直、何が起こるかは分かりませんが、未来は思い描いた形に変わっていくので、ぜひ皆さんも金星のサイクルに合わせて、人生のストーリーを組み立ててみたら、難しいと思っていた夢への扉が大きく開くのではないかと思います。
3.ハウス別金星逆行のテーマ
以下、金星逆行のハウス別のテーマをまとめていますので、出生図の魚座24.37度～牡羊座10.50度のハウスをご参照ください。
（1）1ハウス
・自分の外見に関連する過去の決定を見直す
・最近の自分自身の表現方法に不満を持ち、変えたいと思う
・自己愛に努め、自分自身や自分のニーズを第一優先にする
・対人関係においてより真の姿となり、真実を話すための方法を学ぶために、対立が起こる
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか？