自然界の一部としてイネを育てるということ
自然のリズムで生き物達とつくる「耕さない田んぼ」-わたしの場合②
たけしくんのお米づくりの師匠である岩澤信夫先生は、わたしがたけしくんと出会ったその年に、病気で亡くなりました。
なのでわたしは、先生に直接お会いしたことがないし、
先生が亡くなる直前まで普及活動に励んでいた「冬期湛水不耕起移植栽培」のこともなんにも知らなかったし
たけしくんと「耕さない田んぼの教室」を開くまでは、積極的に知ろうと思っていませんでした。(農家経験の無いわたしには、よく分からなかったというのもありますが)
教室を開くことになった当初、南房総のカフェで宣伝を兼ねたお話会を何度か開かせて貰ったのですが
その時に、先生が出演されたNHKのドキュメンタリー番組の上映会をすることにしました。
わたしはこのときはじめて、先生が話をしているのを聞き、ある一言がとても印象に残ったのです。
『自然界には、土を反転した場所はない。地球上に存在している植物はすべてその固い土に根を生やして生きている。イネもその仲間なんです。』
“イネもその仲間”
という言葉にハッとしました。
お米がイネからできている、ということは知ってはいたけれど
この地球上に生きている植物や、雑草と同じ仲間。
イネも植物なんだ、という実感は、この時の私には無かったのです。
それから月日が流れた今、はっきりと思うのは、
私たち人間も、同じ地球の仲間。自然界の一部分なんだ。ということ。
本来、自然界ではすべての生き物が調和しています。
その中で、ヒトが植物を栽培するということはどういうことなのか…
わたしには、完璧な答えを話すことはできません。
でも、そのことを考えるヒントは、たくさん存在しています。
「耕さない田んぼ」もその中のひとつだとわたしは思っているのです。
(つづく)