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五十嵐夫妻のこと
耕さない田んぼとの出会い
わたしは、2012年に、千葉県神崎町で『耕さない田んぼ』を知りました。
その年に武志くんと運命的に(?)出会って、『耕さない田んぼ』の神秘的な世界に足を踏み入れることになったのです。
生まれてこのかた、まったくもって農業にかかわったことのなかったわたし。
おこめづくりをしたいという強い熱意を持っていた訳でもなく
〝結婚した人が興味ぶかい農法でおこめを作ってる〟という感じでした。最初は。
けれども、これまた運命的な流れなのか、知り合った翌年には、夫婦で田んぼのクラスをはじめることになりました。
夫婦で始めた〝耕さない田んぼの教室〟
わたしが知り合う前から、武志くんは南房総の『耕さない田んぼ』で10年以上、真摯におこめづくりを実践していて、ひたすら田んぼと向きあって過ごしていた(と思われる)
『冬期湛水不耕起移植栽培』を確立した、岩澤信夫先生の、理論や農法をきっちり田んぼで実践できている自負みたいなのがあって
(わたしもこの理論の理解が深まるにつれ、岩澤先生の考えはとても理にかなっていて、稲本来の姿を引きだす農法をマニュアル化した功績は素晴らしいと思いました)
マニュアルどおりにやればできるんだから、それを教えることならできますよ、という感じだった。
それでいて、なにか、自分だけは分かっている、自分は答えを知っている、みたいな感じもあった。
だけどそれはまだ、言語化されずにたけしくんの中で眠っているようだった。
ともかく、そんなひとの話をど素人のわたしが聞いてもちんぷんかんぷん😳
はじめは、武志くんが分かってれば、それでいいのかなぁ…とおもったけど
クラスに参加してくれる人の反応を見ていたら、わたしはもっと、基本的なこと
もっというと本質的なこと、をわかりやすくお話しできるようになりたいなぁって思うようになっていった。
わたしがいちばん、そうであったように、おこめづくりを学ぶまえに、その手前にいる人がたくさんいるなぁという印象。
だからこれは、自分のために必要なことだった、とおもう。
徐々に、武志くんの言語化されていない知識や、岩澤先生の教えをベースに棚田で実践、発展させたノウハウなどを整理しながら、一から構築していくことをはじめた。
2016年からは南房総の棚田を舞台に『耕さない田んぼ』のクラスをスタート。
この頃のわたしは、インプットとアウトプットが同時に起こり、受け取るものがたくさんでした。
出会った次の年には結婚したので、最初は武志くんのこともよくわからないまま、武志くんのことを知りたい、田んぼでやってきたこと、考えてきたことを早く知りたくて
かなりの突貫工事で、武志くんのうちがわを掘って掘って掘りまくりました。
強引に扉をこじ開けて、言葉にしようとしたので、めちゃめちゃ嫌がられたしウザがられて、お互いイライラしたりして。何度も心が折れそうになった笑
なんでこんなことしてるんだろう…って何度も思ったけど
今思い返しても
そこに理由はない。
だからこそ、2人でこれをやることが神のお導きなのかもしれないwと思うようにしたりして。
なんとかめげずに続けて、〝耕さない田んぼのエッセンス〟が見えてくるようになった。
それは、そのまま、お互いを知る道のりでもあった。
もっといえば、わたし自身を知る道のりだった。
イネが育つフィールドを用意する
武志くんは、おこめを作るのが目的ではなく、稲が育つフィールドを用意するのが楽しいひとなんだ、とあるとき知った。
言い換えれば、フィールドさえ用意すれば、あとは自然に稲が育ち、お米が実る。
人間が、どこまで手を加えるのかは、自然を観る目を養い、植物の本来の姿を知ること、自分の目的をはっきりとさせることで自ずとわかってくる。
この感覚は、わたしの中にもあるなぁって思った。田んぼのことだけじゃなくて。
「耕さない田んぼ」では、土を耕したり、稲の生長に必要な肥料を担っているのは田んぼに棲む生き物です。生き物を観察し、フィールドを用意することが私たちの役割です。作物や田んぼの成り立ち、生きものの個性、適切な栽培法を知ることで田畑や自然との付き合い方がわかります。
耕さない田んぼが教えてくれること
田んぼは農家さんの仕事場であって、わたしたちの食べものを育んでくれる場所。
農家さん以外のひとが踏み入ることはできない聖域でもあります。
国が決めたルールでもあるように稲作は誰もができるものではありませんが
自分の食べるお米を自分で作ることによる充足感は計り知れないし、沢山の恩恵があります。
おこめづくりができる環境のひと、やりたいひとは、どんどんトライしてほしいし、
わたしたちが日常的に食べているお米がどのように育っているのかなんて、農家さんに実情を教えてもらえる機会はあまり無いと思うのでおこめづくりに関心のある方は、ぜひわたしたちの話を聞いてみてください。
そして、今、自分の状況や環境がおこめづくりに適さないという方でも
まずは、自然の中に身を置くことや『耕さない田んぼ』の真理に触れてもらうことは有意義なことだとわたしは思っています。
あくまでも、わたしの場合は、それが特別なことじゃなくて誰もがそれぞれにあった暮らしに活用できるようになったらいいなぁと思っています。
だから、シンプルな、ものごとの本質、真理を探していきたい。
そうすると、自由に、軽やかに、自分らしくカスタマイズできるんじゃないかなーと、最近は考えています。
結果や成果、じゃなくてその過程がしたいです。そこに、これからの、あたらしい生き方のヒントがあるような気がしています。
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五十嵐夫妻(五十嵐武志・ひろこ)2013年、千葉県南房総で、夫婦で「耕さない田んぼのクラス」をスタート。2017年からは「自然の美しい秩序が見れる棚田づくり」、「イネ本来の生理生態を活かしたお米づくり」をマンツーマンで学べるコースを始める。「冬期湛水不耕起移植栽培」をベースに、五十嵐武志が2007年から「耕さない田んぼ」と向き合って培ってきた生き物・雑草・イネ・田んぼの観方、棚田の役割などを伝えている。https://pomu.me/igarashi.fusai/
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