わたしが切りとった棚田のショートストーリー【夏-秋編】
初夏、田んぼを訪れると
カエルとウグイスの声、水が流れる音が心地よく響いている
鏡のような水面が空を映す
イトミミズはおしりをふりふりしてダンス!
イネは、ひとりでたくましく立ち、ほかの生き物に助けられながらすくすくと育っている
棚田に人の気配は少ない
そのかわり
水の中は賑やかさを増して
生き物たちの楽園のよう
イネの葉に隠れるクモや、水面を滑るアメンボを
息を潜め、じっと見ているのが好きだ
7月の田んぼは透明で
翡翠色