
初めて田作りと芋きんとんを作った女の小さな奮闘記
初めてのおせち料理作り。
とは言っても、わたしが作ったのは、
田作りと芋きんとん
母がわたしに任せてくれたこの2つ。
これは初めて田作りと芋きんとんを作った女の
小さな奮闘記でございまする。
・
・
・
第1話 田作り
くるみ入りの田作りをつくる。
まず、いりことの割合をみながら、くるみを手で割る。くるみは3個に1個のペースで口の中へ。
「くるみってやっぱり美味しいな〜」
とうつつを抜かしている間に、いつの間にか、
いりこよりもくるみが多くなっていた。
お〜っと!!いりこ足して足して〜!
.
これを2回くりかえした
.
いりことくるみが用意できたら、カラッとするまで炒めて、醤油、みりん、蜂蜜で味をつける。
いりごまをパラっとまいて、粗熱がとれたらできあがり!
.
.
頭がとれたいりこを味見。
味は濃すぎず、香ばしさもあり、大満足。
味見がしたくて形のわるいいりこを探すのに必死な自分がいた。
・
・
・
第2話 芋きんとん
「お客様のお茶請けに出そうと思ってる」
と言われ、
初めての芋きんとんをお客様に、、!
これは失敗できない!
と俄然気合いが入った。
.
.
祖母が育てていたクチナシの実のおかげで、
綺麗な黄色に染まったさつまいも。
裏ごし作業は、握力19の私にとっては
想像以上の力仕事。
肩凝りと闘いながら裏ごしが完了した頃には、いつの間にかレコ大が始まっていて、最優秀新人賞も、もうとっくに決まっていた。
.
.
そして、
裏ごしの壁を超えたらこっちのもんだ!
と思っていたが、そう簡単にはいかなかった。
甘さの調整に、またひと苦労した。
はちみつ、みりん、塩を加えて混ぜても、
なかなか甘くならない。
慎重派の私は、少しずつしか調味料を足せず、
調味料を加えては混ぜ、加えては混ぜ、
を繰り返しすぎて、右腕はとっくに悲鳴を上げていた。
.
.
「甘すぎないけど、甘すぎなくない甘さ」
を求めていたが、何度味見をしても思い通りにはならなかった。
夜ご飯の準備どきにキッチンを占領していた私。キッチンにやってきた祖母に
「一旦冷ましてからまた味見してみれば?」
と言われ、タッパーに移し、なくなく洗い物を始めた。
.
.
洗い物が完了し、味見をしてみることに。
「、、?!、、これー!」
「甘すぎないけど、甘すぎなくない甘さ」の芋きんとんが、手を離した隙に完成していた。
想像以上の力仕事に心身が疲れ、ちょっぴりピリついていた心が、まろやかさを取り戻した瞬間だった。
.
.
次の日にまた味見をしてみた。
すると、甘さはそのままで、もっちり感がプラスされていた。
これは練って練って練りまくった証なんだろうな〜と、最後まで頑張った証拠が食べ物にそのまま現れた気がして、たまらなく嬉しかった。
・
・
・
丁寧さが表れるお料理たち。
だからこそ手抜きはできない。
だけど、その先には「美味しい」が待っていて、
そのために力を尽くすのは、
ほんとうに美しいことだと思う。
.
.
どんな手間暇の先にどんな美味しいが待っているのだろうか。
それを知るために、次の年末は、ほかのものにも挑戦したいな。