そうだ、姉の誕生日だ、クッキー缶を作ろう。
姉の誕生日プレゼントに
初めてクッキー缶を作った。
ずっと作ってみたかったクッキー缶。
クッキー缶は、詰めたいものをとことん詰められる
宝箱のようなものだと思っていたけれど、
「誰のためのクッキー缶か」ということを考えると、
必ずしもそうではないのだと思い知った。
シナモンを使ったクッキーや、レーズン入りのクッキー、
いろいろなスパイスを組み合わせた変わり種クッキーなど、
私が好きな、缶に詰めたいクッキー案を考えると、ニヤニヤが止まらなくなった。
しかし、そんな浮かれた気持ちでいたのも束の間、ある事実を思い出した。
姉はシナモンとレーズンが嫌いだった。
私が食べたい、作りたいクッキーの詰め合わせは、
ただの姉の嫌いなものセットで、
全く「姉のための」誕生日プレゼントではなかったのだ。
「姉の好み」を一番に考えた末、たどり着いたのは、シンプルなクッキーと、そこに少しだけアレンジを加えたもの。
いつか使いたいと思っていた、
流れ星とツリーのミニクッキー型。
コンセプトはそれらを使うことを前提に決めていった。
そうして完成したのは、
『夜更けの森と白うさぎBOX』
バターとアーモンドプードルをたっぷり使ったザクザクのガレット・ブルトンヌと、さっくりとしたシンプルなサブレは、バターのクッキーにも多種多様あって、それぞれ違った美味しさがあることを知ってもらえたらいいな、という想いで作った。
ダブルチョコショートブレッド、のり塩クラッカー、ビスコッティはバター不使用。
レシピは、なかしましほさんの『まいにち食べたい“ごはんのような”クッキーとビスケットの本』より。
チョコショートケーキ、チョコアイス、チョコドーナツ、チョコクッキーなど、
チョコ系お菓子は基本的に選ばない姉に、
あえて作った「ダブルチョコのショートブレッド」。
チョコ系のお菓子が苦手な人はおそらく
チョコの甘さががっつり舌に残る感じが苦手なのだろうと思っている。
(あくまでも推測でしかない)
けれど、このクッキーはココアの苦さがしっかりと残る大人向けのチョコクッキー。
「このチョコクッキーなら食べられた!」と、克服までは大袈裟だが、チョコ系お菓子の新世界を見るきっかけになれば、と願って作った。
のり塩クラッカーは塩気が欲しくなったとき用に。
ビスコッティは単に私が好きなので作りたかった…。(「姉の好み」はいづこ?)
まあでも、姉のことだから、
「ビ、ス、コッ、ティ?」という感じで
ビスコッティも珍しがってくれるだろうということで。
なかしましほさんのバターを使わないクッキーは、
食べた後も舌に甘さや油っぽさが残らず軽い。
残るのは素朴さと、その中にあるしっかりとした美味しさ。
だからこそ、また1つまた1つと、
ついつい手を伸ばしてしまう。
これまでの人生、クッキーだけは美味しく作れた試しがなく、オイルクッキーなんてなおさらだった。
世の中で「クッキーは簡単!」や「まずはクッキー作りから!」と言われる度に
今度こそ!と思ってはみるものの、やっぱり上手くできなくて
「あ〜もう、クッキーのレシピなんてどれも信用できねぇ……!」と
私の心はズタズタにされ続けてきた。
それなのに、ひょんなことから出会った
なかしましほさんのレシピは、
本当に簡単なのに、とっても美味しく出来上がる。
このレシピたちに出会えてよかったと
心の底から思う。
なかしましほさん一生ついていきます!
ちなみに、ガレット・ブルトンヌとサブレは、
『バターの使い方がわかるお菓子の本』という本で、
こちらも詳しくてわかりやすい上に美味しくできた。
あれ、今までの私はどうして、、、?
という感情だ。
そんなこんなで、お渡し当日。
姉の家にお届けにあがると、姉はさっそく箱を開けて、全種類1つずつ食べてくれた。
2歳の甥っ子も、「なんか丸いのあるんだけど〜?」「なんかうさぎがいるんだけど〜?」(=食べたい)と、1つ食べ終わるごとに、次に気になるクッキーを指差して、興味津々で食べてくれた。
姉と甥っ子がお品書きを見て楽しんでくれたり、1口食べる度に驚いた表情や幸せそうな笑顔を見せてくれたりすると、
渡す前の不安もすっと消えて、「私の方がプレゼントもらったのかな?」と錯覚するくらい幸せな気持ちに包まれた。
1歳の姪っ子はパウパトロールに集中していたため食べず。
胃袋おばけで、たくさん食べてもよこせと泣きじゃくる子なので逆にタイミング良かった。
仕事に育児に毎日おつかれさまな姉。
日々の息抜きにでも食べてくれると嬉しいな。
改めてお誕生日おめでとう🎈