消えた曇(ドン)ちゃん
オカメインコのドンちゃん
小鳥屋さんで出会った時からの人間好きで、片時も人間と離れたくない性分だから部屋から人間がいなくなると呼び鳴きがすごい
私は日中は仕事で家を留守にするからケージに入れっぱなしも可哀想だと一応ケージの扉を開きっぱなしにして家を出る
インコたちの行動範囲は決まっていて特に危険はなくケージの中、ケージの上、ケージ下の遊び場でのんびりしているが、最近は部屋を出て活動している。
それは母や姉が私がいない時にインコたちを居間に連れていき日中はほとんど人間と遊んで暮らしているからだ。
普通インコの放鳥時間は30分や1時間なのに家のインコは起きている限りは暇なしで寂しさとは無縁の生活をしている
一人遊びも好きな白雪ちゃんは別に人間がいなくても寂しさで患うということはないのだが、オカメインコの曇ちゃんの方は病むらしく人の気配がするとピョイピョイと大声で鳴き続ける
その一生懸命人間を呼ぶ様が家族の胸を打ったらしく母や姉は「学習するから無視して」という声の方を無視して、よく曇ちゃんに構う。
そんなんで曇ちゃんは先住の白雪ちゃんを差し置いて可愛がられている。
のっそのそと歩く仕草、ぴったりと人間にくっつく様、白雪ちゃんにおもちゃを奪われる不憫さなど諸々を愛され不動の地位を築いているのだ。
そんな曇ちゃんが逃げた。
逃げたというよりは飛び去って行ってしまった。
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