靴下を脱げるけど履けはしない

私にはカラスのように光りものが好きな時期があった。
あったといっても今でも好きで別に嫌いになったわけではない。

例えば何かのお祭りの露天商。怪しい外国人のおじさんが売っているネックレス。スピリチュアルなお店で売られている天然石があしらわれたブレスレット。セボンスターのリング、3COINSのヘアアクセサリー、横浜赤レンガ倉庫で買ったイヤリング。とりわけ青色が好きでトンボ玉のようなアクセサリーをよく買っていたのだが、問題は買った後である。

アクセサリーというものとかく収納が大変なのである。ジュエリーボックスというものを買ってみても閉まって取り出す作業が億劫になったりもする。
そもそもアクセサリーに似合うような服を持っていない。観劇に行くようなひらひらとした服装。普段家ではTシャツ一枚なのだから、それにキラキラした装飾はちゃんちゃらおかしい…こうアジアンテイストなブレスレットとかなら似合うと思うけど、なにせ光りもの大好きである。

しかし上の二つは大した問題ではない。
原因はもっと根本的なところにある。


「せっかく買ったアクセサリーがつけられない」ただその一点だ。
それはまだ化粧やダイエットやお洒落で変われると思っていたうら若き学生時代……

ヒールの高い靴(なんかギリシャっぽい紐紐のアレ)、イヤリング(ピアスを開けたら白い液体が出てくると噂されていた頃である)、ネックレス(玉が何個も付いた宗教染みたやつ)、ひらひらできつきつの服(女性といえばコレ!と思い込んでいた)を身につけて東京に行った時のことである...…

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