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令和にクジャの尻を追いかけた話2

いやマジで最高なんですよFF9
メッセージ性の強いストーリー、考察しがいのある世界観と設定、話を盛り上げてくれる演出の数々とまるで映画のように迫力あるイベントムービー、芸術性の高いグラフィック、一度聴いたら頭から離れない名曲ぞろいのBGM、そして何より魅力的なキャラクター達……

ここまで来てもピンと来ない人はこの画像を見て欲しい

どれもFF9の背景であり、一枚絵ではない…なんとこの世界の中を探検できるのだ!私自身RPGといえば決められた道を進むだけというド偏見を抱いていたのだが、そういった窮屈さを全く感じさせないゲームだった。

なにせ没入感がすごい。VRでもないのにきちんと物語の中に入り込んで自分の意思で冒険をしている気分になってくる。だけれども、そこにリアリティはない。例えるのなら絵本の世界に迷い込んだかのような不思議な感覚。むしろ現実からは遠ざかってファンタジーの世界に入り浸るのだ。不思議の国のアリスのように。

見ての通り、キャラクターの頭身は低い。今の時代は美麗3Dモデルが溢れる世の中だからこの時点で苦手意識を持つ人がいるかもしれないが、心配しないで欲しい。やっていくうちにだんだんと慣れてくる。というかこれだから良いんだという後方腕組み彼氏面になってくる。

逆に頭身の低さが強みでもあるように思える。画面が遠すぎるといったことはまず起こらないし、見せたいものに対する視線の誘導がしやすくなる。頭や手足が大きくなるとちょっとした仕草が強調され、キャラクターの癖というものがプレイヤーにも伝わり、人物把握の一助にもなる。さらにコメディカルな動きがよく映え、身振り手振りだけでもキャラクターの心情を表現できるのだ。まるでお芝居を見ているようで、細かい動きにも目を離せない。

私がFF9をプレイした時に一番驚いたのは、20年前のゲームであるのに古さを感じさせないことだった。それは令和のインディーゲームの多様さにもあるかもしれないが、音楽(BGM)や美術(グラフィック)の普遍性が現代人の感性に響いたのかもしれない。戦闘システムは癖があり苦労するかもしれないが、それ以外は今の時代にも通じると思った。(それこそクジャというキャラクターの造形こそ令和の人間に響くと思うのだけど、今回は長くなったので割愛)

それにFF9をプレイしていくとリアリティの追求だけがゲームの進化なのか?という疑問を抱かせてくれる。

技術は絶えず発展していくので、過去の作品が未来の作品にテクノロジーで敵うはずはない(逆にロストテクノロジーなんてのもあるかもしれない…)のだが、表現面だとどうだろう?魂込めて作ったものは必ず未来までも残る。そんな気がしてくる。

それにオリジナリティも普遍性の塊なのかもしれない。
FF9の世界に出てくるのは不可思議な建造物や個性豊かな乗り物、物理的な法則を無視した空間、そして色彩表現の豊かな自然でもある。(どれか一つでも気になったら是非ともプレイしてもらいたい)

私は自然が大好きなのでずっと観光に来た気分でゲームをプレイしている。実況ではそれが長すぎてリスナーに怒られてもしまうのだけど、見ていて楽しいものは楽しい。

なので私の好きな木を見て行って欲しい。

いや木の表現だけで、何パターンあるんだよと!
乾燥地帯にある植物、湿地帯にある植物で形状や日の当たり方、色味が違うのはもちろん、木造建築に使われている材料の肌目も違うから気持ち悪い。

RPGなので当然一度きりしか使われない道やシーンもあるのだが、そこでも思う存分凝りに凝った背景を使い捨てにするので怖くもある。誰かがちゃんと見てくれるかわからないようなほんの一瞬に全力を尽くすなと思ってしまう。

バトル時の背景もそうで、敵が登場するシーンと戦っている最中の背景も、場所によってその都度作り変えられていて、その労力を考えるとなぜかこっちの方が申し訳ない気持ちになってくる。

他に細かすぎて伝わらないFF9の好きポイントと言えば、モブキャラの視線がプレイヤーキャラに向いてくることでもあるのだが、逆もまた然りでジタン(女の子が好きな主人公)は女の子とすれ違う時だけそちら側を向くという作り込みがされている。そういう芸の細かさが面白くもある。

私はFF9が初のファイナルファンタジーだったので、気づかない部分が多かったけれども、過去作からネタを結構拾ってきているらしいので、FF9を未プレイで他の作品を触ったこと人はもっと楽しめると思う。

他にどんな人が向いているかというと考察勢でもある。というのも発売から20年以上経った今でも考察され続けているからで、ゲーム内に散りばめられたヒントがあり、さらに容量の関係でゲームの中に入れられなかった内容がアルティマニアという書籍の中に含まれているというのだ。

FF9はswitchやsteamで2,000円台で売られているお手頃なゲームであるにも関わらず、一度買えば一生啜り続けられるシャブでもある。

昔にプレイしたからと言って自分はもういいやとなってしまうのも勿体なく、大人になってからプレイすると見えてくるものが変わるゲームでもある。むしろ人生経験を積んだからこそ、より深く共感が生まれたり、見落としに気づくかもしれない。

まだ未プレイだという人は今すぐに買ってプレイした方がいい。
こんな記事読んでないでプレイした方がいい。一生に一度の体験だから。
人生損するとかではなく、やると人生観が変わるゲームだから。
お願いだ……私がクジャに狂っているところを見てないで一緒に狂ってくれ……

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