見出し画像

主体的なのに調和する、不思議なデンマーク人の修学旅行についていってみた。


2023年春、
エグモントの修学旅行生約40名が
日本を選んでやってきてくれた。

エグモントはデンマークにある
フォルケホイスコーレで
障害のある学生と
健常の学生が一緒に生活している
デンマークの中でも特別な学校である。

今回、修学旅行に同行して感じたことが
【主体的なのに調和する、不思議な感覚】
だった。


要所要所で彼らは
主体的でありながらも、
調和するところが
印象的だった。

【広島】原爆ドームでの一コマ


『私はこうしたい。』
『僕は行かない。』など多少
他と噛み合わないことがあったとしても
それをまとめたり、
同化しようとはせず、
互いに尊重する。
そして個人がその決定に、
それぞれ責任を持って行動する。

例えば
旅先で人混みに揉まれて
少し不安定になった生徒には、
解決策を試すことも、
諦めることもない。

適切な言葉で相手の気持ちに共感し、
ただ、ぎゅっと抱きしめて
落ちつくまで先生やアシスタントが
そばにいるだけ。
彼女が笑顔になるまで、他愛もない会話で
楽しい雰囲気をみんなで作り出す。

その空間こそが
彼女を安心させる1番の特効薬だった。
エグモントはチームというか、
大きな家族なのだ。

他にも
京都から大阪に帰るとき
新快速で帰ると普通電車よりも
30分くらい早くホテルに
戻ってくることができる。

私は、決められた時刻の
決められた新快速に乗せるという
タスクをこなさなければと思っていた。

春の京都は、
多くの人がホームで
新快速を待っていて混雑していた。

後ろのホームには、
幾分余裕のある普通電車が
佇んでいる。

ふと、考える。

こっちに乗らない理由は?
ゆっくりでも帰れるんでしょ?
この満員電車に無理に詰め込むことが
タスクなのではない。

あくまでこのタスクは
自分が勝手に思っていたことで、
後に予定があるわけでもないのなら
無事に帰ることができれば
それでいいのだ。

一部の学生達に提案してみると、
「そうだね、(車椅子の彼に)
聞いてみるよ。」と言う。
彼に通訳したらうんうん、と頷いて
何人かのグループは私と一緒に
普通電車に乗り込んだ。

そうして
学生たちと座りながら
ゆっくり帰れたことも
今はとてもよい思い出である。

この世の中、同調することで
安心できる時もあれば
疲れる時もたくさんあって。

素敵な笑顔で次の電車を待つ3人

どうやら彼らは
一緒じゃなければ不安
とか
みんなやってるからやる
とか
そういうことではなくて、

その場の状況で
自分達なりに楽しんだり、
みんなでいても
自分はここで何がしたいだろう?
何ができるだろう?
を主体的に考える
そのマインドを備えているようだ。


ハードな日程にも負けず
各々楽しんでくれていた様子を見て
私も楽しい日々だったと記憶している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?