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秋の風


ここ何日かで、ようやく秋が感じられるようになってきた。

過ごしやすい気温、心地良い湿度。

窓を開ければ良い風が入ってくる。

「風」といって私がすぐに思い浮かべたものは、
昨年一昨年と紅白に出場した若手ミュージシャンの藤井風くんに、
諸葛亮孔明の「東南の風」、
そして「風車の弥七」。

「風車の弥七」が登場する「水戸黄門」シリーズは、私も子供の頃から見てきた大好きな長寿番組。

水戸黄門を演じる俳優は変われど、かげろうお銀/疾風はやてのおえん、うっかり八兵衛、そして風車の弥七は長い間変わらなかった。


「風車の弥七」を長く演じられていた中谷一郎さんを懐かしみ、出演されていた映画『金環蝕きんかんしょく』の田中角栄をモデルとした役や、映画『日蓮』の平左衛門頼綱役を思い出しながら、少々調べてみた。



すると、NHK放送文化研究所公式サイトの「弥七が聞いている」という記事を見つけた。

メディア研究部・用語 高橋浩一郎さんによる本年1月1日公開の記事。

高橋さんが所属する用語班には、ニュース、一般番組を問わず、放送現場から様々な問い合わせが来るという。

それぞれの現場から寄せられる問い合わせのため、関連することはないはずだが、不思議にも似たような質問が続くことがあるというのだ。

その時に、用語班では「弥七が聞いてる」と使われるのだそう。

弥七のような存在がどこかに潜んでいて、似た問い合わせが続くよう陰で糸を引いているという冗談だという。

ご存じのとおり、弥七は隠密として、水戸黄門一行の出会う人たちが直面している事態について情報収集をする。

時には天井裏から、時には潜入調査をしながら。


今日のニュースで、京都4区のことを知った。

次の衆議院議員選挙に向けて、各政党の様々な動きを日々知る。

「弥七が聞いている」ーー選挙戦を前に露見することも多い。

選挙でも度々話題となる「風」。

風が吹く、といっても、一時的な人気や評価を得て勝敗を決する政治家や政党のための選挙戦ではなく、その選挙結果が、どんな日本を作っていくのかを方向付けるものになるということを強く意識したい。

老若男女すべての世代が今をより良く生きる、その追い風となる政治家の誕生を切望する。

庶民の暮らしがあっての政治であることを忘れてほしくない。



<参考> NHK放送文化研究所「弥七が聞いている」


<文 ©︎2024  いけだひろこ>

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