日本の政治家はどうしてしまったのだろう
その昔、『冬のソナタ』という韓国ドラマが大ブームを起こしました。
日本で放送されたのは2003年のことです。
当時の私はあまりテレビを観ることはなかった、というか、そんな時間がないほど働いていたのですが、あまりにもみんながその話をしているので、知らないのは時代に遅れていっているのではないかと、強迫観念に駆られて観ることにしました。
今ではこれが、韓流ブームの火付け役になったと言われていますが、その時正直、強烈に思ってしまったんですよ。
これのどこが良いの?!
(冬ソナファンの皆様、ごめんなさい!)
大まかなストーリーとしては、「亡くなったはずの初恋の人が、10年後に突如現れる」というもので、ドンピシャなストーリーのドラマはなかったとしても、なんとなく昔の日本のドラマを彷彿させるし、世の奥様方がすっかり魅了されてしまったペ・ヨンジュンさんが、ダサい!(ホンマにすみません!!)
昭和の香りがプンプンして、今時これか?!(キャー、ごめんなさい!)という感じ。純愛ドラマと言っているけれど、なんだか人間のドロドロしたところばかりが目について、私は全く好きになれませんでした。
あのドラマのせいで、似合いもしないのに、スカーフを巻くオヤジが出てきたのも、私としては許せなかった・・・。
そんなこんなで、世の中が韓流ブームになっていても、私は流されるものか、と不動明王のように、仁王立ちしているつもりでした。
不要不急の外出が制限され、観るテレビがなくなってしまったと、Netflixで『ヴィンチェンツォ』を観てハマってしまったのを皮切りに、『梨泰院クラス』を観てみたら、またこれが面白かった!
日本以上にエリート意識が強い韓国。
2019年に韓国の研究所が発表したことによると、韓国の大企業64グループの売り上げは国内総生産(GDP)の84%で、そのグループで働いている人はたったの11%だったのだそう。
だからなのか、持つ者は、持たざる者に何をしてもいい、と勘違いしている人がいるのでしょうか。
『梨泰院クラス』では、財閥の会長の無茶ぶりに翻弄された若者、パク・セロイが、ビジネスで復讐する、というストーリーです。
そんなストーリーなので、「階級社会」がクローズアップされている作品かと思いきや、「LGBT」や「人種差別」についても話題がおよび、現代社会の問題を提唱しています。
もともと韓国では「LGBT」を扱ったドラマや映画が少く、アイデンティティや多様性がまだまだ受け入れられていない状況なのだそうです。
そんな中、このドラマの原作の電子コミックがヒットしたことでこのドラマが誕生したといういきさつがあるそうですが、これを機に韓国でも「LGBT」や「人種差別」について、もっと話される日がやってくるに違いありません。
それに比べ、日本では早くから「LGBT」や「人種差別」について議論されていて、「LGBT」に至っては、最近では人々は身近なものに感じていると私は思っていました。
マツコ・デラックスさんをはじめ、自分たちを「オカマ」と呼ぶ人たちや、トランスジェンダーをカミングアウトしたゲンキングさんが、毎日のようにテレビに登場します。
「LGBT」を題材にした映画やドラマもたくさんあります。
にもかかわらず、嘆かわしいことに、この国の政治家たちはまだ昭和のままだった!
もう時代は21世紀ですよ!!
今回の「LGBT」に対する自民党の政治家たちの発言を聞いて、本当に悲しくなってしまいました。
「LGBT」が「種の保存に反する」のなら、幼いころに受けたいじめがトラウマで、この国では絶対に子供を産まない、と心に誓った私も「種の保存に反する」人になります。
アメリカのように、肌の色が違うから、という理由で、はなから差別されるのもつらいですが、同じ国民なのに普通と違うから、と簡単にいじめの対象になってしまうこの国で生きていくのは大変です。
あの政治家たちは、持つ者は、持たざる者に何をしてもいいとでもいうように、なんと言ってもいいと思ったのでしょうか。
弱者が住みにくいこの国を、弱者も住みやすい国にするのが政治家の務めなのに、この国の政治家は強者しか見ていません。
アメリカではバイデン氏が大統領になり、黒人差別をなくす努力しています。
この国ではどの政治家が、弱者に寄り添おうとしているのでしょうか?
この秋には衆議院選挙が行われます。
1926年に普通選挙法が成立し、25歳以上の男子に選挙権が与えられました。平民に選挙権が与えられたのは、たった100年ほど前です。
女性に至っては、戦後の1946年に選挙権が与えられました。
せっかく勝ち取ったこの選挙権。
無駄にしない方が“ええじゃないか”と思うのですが、みなさんはどうでしょうか?