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クリスマスのデザートはとっても大切!

夫はフランス人なので、クリスマスに時別な思いを持っています。

って、あんた別にクリスチャンじゃないやん?

などと突っ込んでみても、彼曰く「宗教に関係なく、クリスマスはもうフランスの文化の一部だから」と反論します。
日本で言うところの、お正月のような感じだそうです。
家族と過ごす大切な時間。

日本はクリスマスを恋人と、お正月を家族と過ごす。
こんな感じだと思うのですが、フランスは全く逆です。

とにかく、クリスマスは家族といっぱいご馳走を食べて、いろんな話をして過ごすのがフランス流。

フランス人が、食事の中で一番大切にしているものは、デザートです。
夫はデザートがメインだ、という程、デザートにはこだわります。
フランス人はクリスマスには「ビュシュ・ド・ノエル」を食べます。

ビュシュは薪、ノエルはクリスマス。
なので、クリスマスの薪っていう意味です。
素敵な響きをしておりますが、まぁ言うたら「ロールケーキ」です。
カカオ入りのロールケーキを、これまたカカオが入った生クリームで覆い(白いままでも雪のように見えるからOK)、薪に見えるように筋をつけると出来上がり。

あんなにクリスマスの食事にこだわっているのに、デザートはなぜか至ってシンプルなんです。
とっても不思議。

なぜクリスマスに「ビュシュ・ド・ノエル」を食べるのか気になって、調べてみました。

キリストが生まれたことを祝い、イエスを暖めて守るために夜通し暖炉で薪を燃やした、という説。

クリスマスのミサに家族で行った後に、薪をくべた暖炉で暖をとり、家族で仲良くクリスマスを祝うため、という説。

他にも、北欧ではクリスマスから12日間は暖炉で薪を燃やし続け、ハーブを燻って魔除けをし、灰で厄除けをするという習慣も残っているそうです。

でも、「ビュシュ・ド・ノエル」を食べるのはフランスだけなんですよ。
イエスの誕生やクリスマスのミサに行くのはフランス人だけではないので、この説たちはどうなの?と思っていたら、フランスらしい説を見つけました!

恋人のためにクリスマスプレゼントを買いたいのに、貧しくて何も買えない青年は、それでも何かを恋人に何かをあげたい、と、束ねた薪を恋人に贈ったというロマンティックなエピソードを元に「ビュシュ・ド・ノエル」が作られた、という説。

これでしょう!
フランス人らしくてとっても納得してしまいます。
ロマンティックなこと大好きですから。

とは言うものの、「ビュシュ・ド・ノエル」はさっきも書いた通り、言うたらただのロールケーキなんです。
デザートがメインだ、と言い切る夫は、クリスマスにロールケーキはいらない、と偉そうなことを言うので、ケーキを探すことに。
でも、クリスマスケーキって高くって・・・。

そこで、MUJIで見つけたシュトーレンのミックスでシュトーレンを作ってみることにしました。

私が初めてシュトーレンを食べたのは、アンダース東京のレストラン「ザ タヴァン」でした。
オープンした2014年には、西欧料理を提供していて、シェフはオーストリア人でした。
彼が考案したクリスマスメニューだったので、最後のデザートはもちろん「シュトーレン」。
これが衝撃的で!
食べた瞬間思ったのですよ。

これってデザートじゃないよね?
しかも、クリスマスのイメージじゃないよね?

8年前です。
思い出してください。
今では色んなクリスマスケーキが出回っておりますが、当時はケーキの象徴のような、イチゴが乗ったケーキがクリスマスケーキだったような。

なので、当時の総支配人がフランス人で、「星の王子さま」の著者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの甥にあたる人だったのですが、彼に思わず聞いてしまいました。

「なんでこんなデザートを許したの?」

その時は苦笑していましたが、彼の判断は間違ってなかったんですよ。
さすがだと思いました。

実はこの年から日比谷にクリスマスマーケットが登場し、日本にドイツ様式のクリスマスが紹介されました。
それからというもの、クリスマスにはシュトーレンを食べることが日本にも浸透し、今ではフランスの「ビュシュ・ド・ノエル」なんて忘れ去られてしまうほど。

かく言う私も、今では「シュトーレン」を食べるようになりました。

そんなこんなで、今年のクリスマスディナーのデザートは、「シュトーレン」を食べようということになったのですが、ここ最近、私がちょっと忙しく、時間が空いたのはクリスマスイブの午後でした。

作り始めて思ったのです。

さすがMUJI! っていうか、さすが日本!!

MUJIのシュトーレンミックスの箱の中身

バターやミルク、卵など、パッケージに入れられないものは別として、全てが分量通りに分かれているので、なんとも作るのが簡単。

パッケージに書かれた通りにやれば、簡単に焼き上がりました。
でもね、すごく不思議なことが・・・。

焼き上がったものを溶かした100gのバターを刷毛で塗りながら10分間浸す。

でもこのバターが全然中に入っていきません。

そしてもう一つ。

粗熱が取れたら粉砂糖を茶こしでこしながらかける。

って書いてあるんですけど、これまた100gもあるので粉砂糖てんこ盛りになり・・・。

粉砂糖、こんなにいる?!

これを見た夫は、「何やこれ」と呟いたかと思うと、お得意の言葉を発します。

ドイツ人はようわからん。

フランス人、ドイツ人好きじゃないですねぇ〜。
ドイツ人もフランス人のことをそんなに好きじゃないとは思いますが。。。

まぁとにかく出来上がったので食べようと、最後にパッケージを見てみると衝撃な言葉が書いてありました。

次の日から食べられます。

えええええええ!ってことは今日食べられないの?

今日のデザートがないことに気づいた夫はガクリと肩を落とし、またポツリとつぶやきました。

ドイツ人って・・・。

いや、ドイツ人のせいじゃないから。ちゃんと読まなかった私が悪いんだから、と必死に夫の機嫌を取ったのでした。

結局クリスマスに「シュトーレン」を食べる、という計画はおじゃんになり、高いクリスマスケーキを買うことになってしまった私たち。

何やろ、これ。。。

私たちはギャグのようなクリスマスになってしまいましたが、みなさんはどう過ごされましたか?

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