あなたの夢は何ですか?
先日久しぶりに、ある友達から話がしたいと連絡がありました。
こんな時期なので、会えるのかなぁ~、と思っていたら、「Zoomで話ができるよ!」とのこと。
今はZoomで飲み会をする、などと聞くのですが、おばさんには関係ないかな、と思っていましたが、その波がおばさんのところまで届いたわけです。
昼間だったので、アルコールを片手に、というわけにはいかず、お互いにお茶を飲みながら話をすることにしました。
久しぶり~、なんて笑顔で挨拶をしていたら、突然彼女が切り出します。
「ねぇ、夢ってある?」
ん?なに、この唐突な質問??
私の友達なので、当然のように、そこそこのおばさんです。
見た目は全くおばさんには見えませんが。。。
夢は何かと聞かれて、20代、30代なら即答できたでしょう。
ド田舎から東京にわざわざ出てきたわけですから、それがないと生きていけなかったと思います。
夢は言葉に出すと叶えられる
これ、本当だと思います。
40歳ぐらいまで、自分の夢を常に言葉にしていました。
そして、ほとんどの夢が叶えられました。
小さな夢だったので、叶えられて当然だったのかもしれませんが。
ガンをしても生き残り、やりたい仕事ができて、大好きな人と一緒に住むことができ、順風満帆な人生のようでしたが、実はもう限界でした。
徹夜をすると耳鳴りが止まりませんでした。
気が付けば、大好きな人と一緒に過ごす時間は朝食を食べるときだけでした。
この生活が、私の本当の夢だったのだろうか。
そう思った時、仕事を辞める決意をしました。
そして、東日本大震災後に訪れたローマで、更にゆるーい生活をして楽しむことに決めました。
人生100年時代
ホントに?!と疑ってみました。NHKでは東京都の新型コロナウィルス感染者数を年代別に発表しているのですが、頻繁に100歳代の方の感染者が報告されています。
結構な数の100歳代がいらっしゃるってことですよね。驚きです。
人生100年となると、50歳はただの半分なので、これから生きていくために、やっぱり夢は必要です。
彼女の唐突な質問は、私を鼓舞するための神様からのメッセージだ、と思うようにして一生懸命考えました。
私の夢は何だろう
一生懸命考えている私をよそに、友達は、
「私の夢はジャガーを買うこと」
と、突飛な自答をしておりました。
聞いてみると、彼女は暇だったので、自己啓発のセミナーをZoomで受けた後だったのだそうです。
自己啓発の力ってすごいな~、と全く他人事として聞いておりました。
よく考えてみると、自分の夢はもう叶っていたことに気づきました。
ある時から私の夢は、夫と四六時中一緒にいることでした。
夫はフランス人なので、長いバカンスに出かけます。
その間ずっと一緒にいるのですが、バカンスが終わると夫が会社に行ってしまうのがなんだかつまらない、というか、寂しい、というか、とにかくバカンスが終わって欲しくない、と思うようになったのです。でも今は夫の仕事がほぼ100%テレワークなので、四六時中一緒にいることができます。
「私の夢、叶ってしまってるかもしれない」
私のそのしょうもない答えにも、自己啓発のセミナーを受けた友達はポジティブなままで突き進みます。
「すごーい!」
パチパチと手をたたきながら。
いや、その自己啓発セミナーの方がすごいでしょう。
「でもね、叶っちゃったら、次の夢を探さないとね」
パソコンの画面に映る彼女は、私にウィンクをしそうな勢いです。
このテンション、続くってことですね。。。
ふと父が亡くなる前に、ポツリと言ったことを思い出しました。
「お父さんは、お母さんと一緒にいたいとずーっと思ってたんや。お母さんが仕事辞めてから数年は、家に二人でずっといれてたわけやから、夢は叶えられたってことやんな」
そして、しみじみとしながら付け足します。
「ワシの人生、良かったってことやな」
自分の人生、良かったなぁ~、と思った瞬間、死がやってくるのかもしれません。
あかん、あかん。
彼女の自己啓発セミナーのテンションに便乗して、次の夢を探さないと!
先月、エリザベス女王の夫、フィリップ殿下が崩御されました。
99歳だったそうです。
4年前に公務はすべて引退されていたとのことですが、きっと最後までお元気だったのではないかと。
人は100歳まで生きられたとしても、どのくらいの人が元気に生活ができるのだろう、と考えると、フィリップ殿下を見習って、99歳が限界じゃないかと、勝手に結論付けました。
「私の夢は、93歳まで夫と一緒に生き続けること!」
「なんで93歳なの?」
夫が6歳年上だから。
「ハハハハハ!」
高笑いした後、私のくだらない夢はなかったかのように、彼女はジャガーの話の続きを語り始めました。
夫と元気で長生きする。
つまらない夢に聞こえるかもしれませんが、後家になるという運命を占いで告げられた私にとっては、何かになりたい、何かを成し遂げたい、というよりも、もっと大きな、そして一番難しい夢なのかもしれません。
あなたの夢は何ですか?
その夢が叶えられるよう、口に出して言ってみるのが“ええじゃないか”と思うのです。
言葉にすると、夢はきっと叶えられますから。