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趣味が同じってこと?!

好きなアーティストは誰ですか?
の質問に、私は間髪入れずに答えます。

ヒエロニムス・ボス

上の写真のように、ちょっと変わった絵を描く人です。

ルネサンス期のベルギーの国境近くのフランドル、現在のオランダで活躍した画家です。
他にもたくさんルネサンス期のアーティスト好きなんですけれど。

みなさんもきっと好きであろう、レオナルド・ダ・ヴィンチとか、サンドロ・ボッティチェッリ、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ・・・あげたらキリが無いほどいっぱいいるのですが、誰か一人選べ、と言われたら、ヒエロニムス・ボスです。

初めて彼の絵を知ったのは、マックス・エルンストの展覧会でした。
シュルレアリスムの中でも好きなアーティストの一人で、ウィーンにいたときにたまたま開催していたので、喜び勇んで見に行きました。
そこで、彼の作品はボスの影響を受けている、と注釈があり、ボスのデッサンが展示されていたのでした。

シュルレアリズムを字でいくようなヒエロニムス・ボスの絵を見て、これは一体何なんだ、と思いました。
こんなデッサンではなく、彼の絵を見てみたい、その日から、ずーっと思い続け、5年前にリスボンに行ったときに、3年前にベニスで、そして今年の4月にやっとマドリードに行けたので、プラド美術館でじっくり観てきました。

プラド美術館、写真撮影禁止なんです。
なので、写真はありませんが、一週間滞在中に3回も観に行って目に焼き付けてきました!
1日はちゃんとお金を払って観たのですが、実はプラド美術館、18時以降は入場料がタダなのです!
とはいうものの、18時からチケットが配られるので、17時半ごろから並んでもチケットがもらえるのが18時半ぐらい。。。20時には追い出されますので、一時間半ぐらいしか無いのです。
それでも、ボスの絵を観るだけなら十分な時間です。
そんなふうに、3回も観に行ってきました。
それほど、好きです。

なんでこんな絵を描いたのだろう。

描いた理由を想像しただけで、なんだかワクワクしてきます。

一番有名で、傑作だと言われる『快楽の園』。
左翼はアダムとイブがいるエデンの園が、右翼には地獄が、そして中央には現世で性的快楽を表している、と言われているんですが、中央の人たち、快楽を楽しんでいるはずなのに、なぜか幸せそうじゃ無いんです。むしろ正気がないって言うか。。。
快楽に溺れているから地獄に行くのだと思うのですが、なんか、幸せそうじゃない。

幸せじゃないから地獄に行くんじゃないの?と思うのは私だけですかね?
幸せだったら、地獄に行ったとしても楽しんじゃったりするんじゃないのかと。
血の池地獄に落ちたら、「あら、ぬるま湯に浸かれるのね」なんて喜んでいればいいことだと。

そういえば、右翼の上の方は、血の池地獄のような気もします。
地獄に落ちた人間たちは、いろいろされていますが、割れた卵の殻の中は居酒屋があったり、怪物たちがなんだか可愛くて、こんな地獄だったら楽しいんじゃないかと思ってしまうほどです。

とにかく三度も観に行ってしまうほど、とっても好きな作品ですが、この作品、スペインが「太陽の沈まぬ帝国」と呼ばれた最盛期のフィリペ2世が気に入って買ったせいで、スペインにやってきたのだそうです。

彼の時代が最盛期だったとは言われていますが、破産宣言を4回もやるほど財政にも厳しい時代でしたし、「異端者に君臨するくらいなら命を100度失うほうがよい」と言うほどカトリックを信じた彼が、なぜこの『快楽の園』を買おうと思ったのだろう、と。

もしかして私と同じように、描いた理由を想像して、ワクワクしたのではないかと思うと、またまたワクワクしてきてしまいました。

アートはこんな風に、なぜ描いたのだろう、から始まって、なんでこの絵を買ったんだろう、などと、いろいろと想像できたりするのも楽しみの一つなんです。

私がフィリッペ2世と同じ趣味だったなんて。
嬉しい気もしますが、彼らが近親相姦でいろいろと問題があったことを考えると、なんだか複雑な気持ちになってしまうのは、考えすぎですかね?


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