Juste Deboutについて

ヒロコブギーです。
今回はJuste Deboutについて書こうと思います。

毎年3月にフランス・パリで行われるストリートダンスの世界大会「Juste Debout」。
各国の予選大会を勝ち抜いた代表が集い2on2でダンスバトルを行う世界大会です。

知らない方に説明するとすれば、「ストリートダンス界のM-1」といったところでしょうか。
M-1グランプリにはコンビ結成15年以内という制限がありますが、Juste Deboutにはそのような制限がないため、M-1にダウンタウンさんや明石家さんまさんが出てるみたいなことが普通に起こっているモンスター大会です。
しかも国際大会なので、エディ・マーフィだとかジム・キャリーのような海外の大御所コメディアンも出場してるような感じでしょうか。
「いまだに正式な読み方がよくわからん」ということでも知られています。
(ここでは「ジャスデブ」と呼ぶこととします。)

約20年ほど続いてきた大会ですが、2020年大会はコロナウィルスの大流行により中止となってしまった上、来年以降も開催しないという衝撃の発表で突如として幕を閉じました。

ところが2022年3月、開催地をドバイにうつし、2020年度のファイナリスト達を招集するという形で再び大会が行われることに。2年越しの開催に注目が集まっていましたが、非常に残念なことにこちらも先日中止が発表されました。

このジャスデブ中止のニュースを受け、今回は私が過去にジャスデブの予選に挑戦するためフランスに遠征した時の事について綴ろうと思います。
「成人の日に便乗して、自分が新成人だった頃の写真と思い出話をここぞとばかりに投稿する人」と同じ手口ですみません。


Juste deboutの予選は一箇所しか出場できない

フランスで行われるジャスデブファイナルは、各国の予選を勝ち抜いた代表選手のみで行われます。各予選ごとに優勝した1チームのみが代表としてファイナルに進むことができます。

世界各国で予選が行われるジャスデブですが、予選の出場エントリーは一箇所のみしかできないという公式ルールがあるため、
「日本予選に出場したけどダメだったから、オランダ予選もチャレンジしよう!」というようなことができない仕様になっています。

日本予選は、世界の中でもかなりレベルが高くエントリー数も多いため、オーディション予選で50チーム以上からいきなりベスト8に絞られるのですが、まずこのオーディションを通過するだけでも激ムズです。
「オーディションですら激ムズなのに、優勝して日本代表なんて無理ゲーなんじゃないか」と思えるほど毎年ハイレベルな大会です。

このように各国の予選が優勝した1チームのみしか代表になれないのに対し、毎年ファイナルの前日に行われるフランス予選だけは「当日予選枠」的な感じで、オーディションで選ばれた1~2チーム(年によって違いますが)がそのままファイナルのトーナメントに進めます。

オーディションで落ちても、ジャスデブファイナルの凄いバトルが見れて良い経験になるし、なんか凱旋門とかルーブル美術館とかみれたら嬉しいし。ということで、約10万円ほどの旅費と引き換えに私とチームメイトは、日本予選には出場せずフランス予選に挑戦することにしました。

2017年。当時大学4回生で、ロックダンス歴は5年ほどしかない私でしたが、本気で「絶対にオーディション上がって、ファイナルに進んでやるんだ」と思っていました。


当日予選も結局無理ゲー

オーディションで与えられる時間は1チーム1分。自分の番の時にどんな音楽がかかるかわからないですし、準備してきたルーティン以外は全て即興です。
10万円課金して、14時間飛行機に乗って与えられた時間は1分。チームで1分なので自分が踊っているのは約3~40秒です。

とんでもない緊張と、海外バトルあるある「開始時間、平気で1時間以上押しがち」を乗り越え、いよいよ出番です。

始まってみると、用意してきたルーティンがまさかの爆沸き。歓声と拍手に包まれる最高の爽快感で1分の持ち時間を終え、あとは結果を待つのみ。

しかもこの年は、代表選手の欠場により、フランス予選の通過枠が例年より多い3枠。

M-1で言うと、初出場の割に審査員の点数が高く「これ、もしかしたらいけるんじゃないか・・・!?」という、無名の若手が強者を倒してどんどん勝ち上がっていく主人公感マックスの展開に期待しながら暫定BOXで待ってる感じでしょうか。

ところが、やはり世界大会。そんな上手いことはいかず、ファイナル出場経験もある有名ダンサーたちが順当に予選を通過しました。つまり呆気なく予選落ちしました

今考えると、予選通過のラインナップは、私たちが名前を連ねられるわけないやろ!!というぐらいの強キャラまみれだったのですが、当時は本気で悔しがっていました。無名のNSC生が、かまいたちさんとか和牛さんに負けて本気で悔しがってる感じですね。今思えば可愛いです。

その年一番印象に残っているバトル。
ベスト16でこのメンツでこのレベルです。

とくにこの年は各国のスターたちが大集合しており、youtubeでしか見たことない外国人のダンサーを生でたくさん見ることができ、途中から予選落ちの悔しさもすっかり忘れ、もう完全にお客さんモードで楽しかったです。


二度目の挑戦

2年後の2019年、再びフランス予選に挑戦することになりました。
2018年の予選はどんな感じだったかの記憶ないんですが、確か日本予選で優勝して代表になるっていう経験も大事だよなってことで日本予選に出て、しっかり予選落ちした気がします。

2019年はフランス予選のオーディション参加者もそこまで多くなく、レベル的にも2017年ほどは高くはない印象がありました。

私たちはオーディション予選を通過することができたのですが、
この年はオーディションで一発で選ぶわけではなく、オーディションで選出された4チームがバトルして、勝ち上がった2チームがファイナル進出できるルールでした。
(結構毎年ルールがコロコロ変わるんですよね)

しかも予選通過2枠のところが、この年も代表チームの中で欠場があり3チームに増枠。一度バトルして勝ち上がった2チームはその時点で決定、負けた2チームで再度バトルし勝ち上がったチームも進出できるという状況でした。3位決定戦的なことですね。

1バトル目でしっかり負けた私たちは、崖っぷちの状態で3位決定戦のバトルに挑むことに。

2017年は40秒しか踊れなかったことに比べたら、フランスですでに2回も踊れていることはその時点で奇跡なのですが、
やはり10万円ほど課金して14時間飛行機乗ってるわけなので、ここで終わるわけにはいかない・・・ここまできたらファイナルのステージに立ちたい・・!!と息巻いておりました。

相手はイタリアの女の子二人組で、2017年のジャスデブではイタリア代表として出場していたチームでした。決して簡単に勝てる相手ではありませんでしたが、とにかく必死で一生懸命踊って、なんとか勝利することができました。

その後ファイナルのステージに立つことができた私たちは、M-1で敗者復活から上がってきたコンビがそのままの勢いで最終決戦まで進む感じで、なんとベスト4まで進むことができました。(しかもベスト4の相手はLOCKERSのメンバーTONY GOGO。オリジネーターなのでM-1で例えるともはや、「世阿弥が出てるやん。」ぐらいの感じでしょうか)

自分が結果を残した時のことを書こうとすると私の文章力ではなんかどうしても自慢乙。という感じになってしまう気がするので、その時の様子はYoutubeとかで見てもらえたらなと思います。

世界大会の舞台でロックダンスのオリジネーターと対峙できたこと。。。
間違いなく私のダンス人生一番の大舞台でした。

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振り返ってみて思うこと

冒頭でも触れた通りコロナウィルス感染拡大の影響で、この2019年大会を最後にそれ以降ジャスデブファイナルは開催されていません。

挑戦したくてもできない状況になったことが私たちに教えてくれるのは
やはり、挑戦したい!と思ったその時がタイミングなのであって、即行動すべきだという林修の精神だと思います。

私たちがフランス予選に出に行ったことは、「先見の明」だとか「立派な信念のもと!」というわけでもなく、単なる向こう見ずな勢いだったのですが、その勢いのおかげでとんでもなく貴重な経験をすることができました。

世の中に不変のものはなく、うかうかしていると挑戦のチャンスは次から次へ過ぎ去っていってしまいます。
行ってみたかった店は明日閉店するかもしれないし、気になっているあの子は突然他の誰かと恋に落ちてしまうかもしれない。

もちろん人それぞれ状況はあるので、今すぐ行動しないことは悪い!!というようなことを言いたいわけではありません。(行動できない重大な理由がある場合ももちろんあるでしょう。)頭で考えて慎重に行動すべき場面はもちろんありますが、時には失敗するリスクを承知で、勢いで行動してみることも大事だな、と思いました。(とはいえ、失敗しても経験と学びを得ることができるので「失敗」など存在しないんじゃないかと思ったりします)

未来は誰にもわからないので、挑戦をつづけていれば、NSC生がダウンタウンさんに打ち勝つことような奇跡も起こるかもしれません。
(他人に勝つことだけが成功ではないですが。。これについて語りだすとあと4000字必要になるのでやめます)

大縄跳びで、入るタイミングを永遠に待ち続けて縄を見つめているよりも、いっそ飛び込んで縄にしばかれる方が有意義だったりします。

やってみたいことにはできるだけ挑戦して、悔いのない人生にしたいですね。映画「最高の人生の見つけ方」を見直して、やりたいことリスト作ろうと思います。スカイダイビングは別にやりたくないです。

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