ヨギーライフ | 中国隔離day3

4月30日 中国隔離生活3日目

隔離生活において面倒臭いことのうちの一つが、洗濯である。

もちろん部屋に洗濯機や乾燥機なんてものは備わっていないので、洗濯は洗面台ですることになる。
day1の日記にも書いた通り、私の部屋の洗面所は水を一度にたくさん流すと洗面台の下のS字のパイプが外れて、大洪水が巻き起こるという何とも画期的なシステムになっている。

部屋の中で災害はなるべく起こしたくないし、小さな洗面台で服を洗うのは地味に大変なので、水をたくさん使うような衣類は着ないのが得策だ。

だから私は、スポーツブラにスパッツというまるでヨガのインストラクターのような格好で毎日過ごしている。スポーツ系の衣類は乾くのが早いので楽なのだ。

ダンスは、いつも大体Tシャツにジーパンという格好で練習しているが、現在はヨギースタイルでの練習を強いられている。

強いられている。と書いたが実は私はこのヨギースタイルが結構気に入っている。

筋肉の動きを直接目で見ることができるし、体のラインがわかりやすいのでポージングのシルエットを作る練習に良い。

ゆったりした長袖のシャツばかり着て踊っていると、たまに半袖をきた時に「え…なんかめちゃくちゃ腕がキモいんだけど…」となりがちである。ゆったりした服の方が感じやすいフィーリングとかももちろんあるけど、服で何となく誤魔化されてしまう部分もある。その点ヨギースタイルはマジで一才誤魔化しが効かないので、いい練習になるのかもしれない。

隔離ホテルでの練習動画をInstagramにUPしたりして発信したほうがいいのかな。とか思ったりするが、汗だくのヨギーが必死でウィッチアウェイしている姿を全世界に発信する覚悟ができるまでまだ時間がかかりそうだ。

念願叶って、無事中国に来れたわけだが、やっぱり心配性の私はいまだにホテルでのPCR検査の結果を根拠もなく怖がっているし、1人でいると突然さまざまな不安な気持ちに支配されることがある。

しかし、音楽を聴いて練習を始めると全て忘れて最高に楽しい気持ちになれるからダンスってすごい。

耳の横で手首をくるくる回すこの動きがなんでこんなに楽しいのかマジで謎である。普通に考えて、謎の動きすぎる。サイドステップが楽しいのはなんとなくわかる。BOXステップも分かる。見るからに楽しそうだ。

しかし、耳の横で手首をくるくる回したら楽しいなんてことを、誰が思いつくだろうか。やはりオリジネーターは偉大である。

20:00ごろ、ドアをノックする音が聞こえた。

隔離生活では、3度の食事の配達とコロナの検査で一日大体4回ほどドアがノックされる。

検査も食事の配達も今日の分はもう終わっているのに一体なんだろう。とドアを開けると、もう見慣れてしまった完全防護服のスタッフが立っていた。

やはり自信満々の容赦ない中国語で何かを聞いてくるので、こちらも負けじと自信満々の「I can't speak Chinese!!!」をぶちかました。すると携帯の翻訳ツールで何やら文章を打って、画面を見せてきた。

「俺らを呼んだのはお前か?」

脳内で勝手に、少年漫画に出てきがちな「めちゃくちゃ身体はデカイけどザコいやつ」みたいな声で再生された。翻訳機がポンコツなのか、この人の原文からすでに口が悪いのかわからないが、どちらにしろ俺はお前らを呼んだ覚えがないので帰ってもらった。

隔離生活はそれはそれはさぞかし暇だろうと思われるかもしれないが、意外に忙しくしている。トレーニングや練習をしている時間は楽しい。番組の出演という目標の存在は大きい。私にとっては嬉しい準備期間になった。

日本はゴールデンウィーク真っ只中。世間の賑わいと、自分の静かな生活とのギャップが面白い。

明日からも頑張ろう。




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