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悲しいの記録

1ヶ月ぶりのオフ。
のはずだった。

ここ1ヶ月は休みなく働いていた。
仕事がたくさんあるのは喜ばしいことであり、私自身がそれを望んでやっているので、休みなく働くことに全く不満はない。むしろ嬉しいしかなりやり甲斐を感じている。とはいえ移動が多く体力仕事であるため、疲労はかなり溜まってきている。

そんな中で私が仕事を頑張るためのご褒美として用意していたのが韓国のバトルイベントへの遠征であった。

日本人もたくさん参加するのを聞いており
友達に久しぶりに会えるのをとても楽しみにしていた。行くことを決めた4月ごろからこのバトルに向けて練習もしてきたしwaackサイドにも出る予定だったので衣装も新調していた。

そんな気合の入った遠征だったので、忙しい日々から一旦思考も体力もリセットするために前日から休みをとっていたわけである。

そんな待ち焦がれたオフの日にビザセンターに行くことになってしまった。

私は4月から中国で仕事をしており、今後も中国に居続けるために在留カードをゲットしなければならない。まだその手続きが終わってないのだ。

既にビザセンターに行くのは7〜8回目。

ビザの手続きというのは往々にしてややこしく、すんなり行かないものである。私もそれは重々理解しているし、作業してくれてる会社のスタッフもさぞかしめんどくさいだろう。

1ヶ月ぶりの休みとか関係ないし、
おとなしく行くしかないのである。

まぁいいぜ、今回は受け取るだけやから1,2時間もあればおわるっしょ、と呑気に構えていた。

しかし結論から言うと私のご褒美はお預けとなってしまった。

在留カードの作成が間に合わず韓国に行くことできるがその後中国にもどってこれないため、もし今韓国に行って仕舞えばすべての申請が振り出しに戻ってしまうと言うのだ。

スタッフにどうする?と聞かれたがどうするもこうするもない。
韓国から帰ってきた次の日から中国で仕事がある。

韓国のバトルは、ゆうなれば遊びだ。仕事ではない。中国の仕事をキャンセルすれば、たくさんの人に迷惑がかかる。一旦日本に帰ってビザの申請を一からするのにはおそらくかなりの時間がかかるだろう。多分中国に帰ってこれるのが1ヶ月後だとして、その間の全ての仕事がキャンセルされることになる。ノーチョイスである。私は韓国行きを諦めた。

1ヶ月これを楽しみに頑張ってきたこと。韓国に行ったら得ていたかもしれないたくさんの思い出。もしかしたらダンス人生のターニングポイントと言えるくらい活躍していたかもしれない。そんなチャンスを逃してしまった悔しさ。あとなによりも渡航費8万。

悲しくて泣いた。
ギャルのまぢ泣いたーではなくも文字通り泣いた。

今まで緊張してパンパンに張っていた糸がプツンと切れたみたいにその場にしゃがみ込んでしまい、スタッフの子は困惑していた。

なんかこんなふうに書くと「私、辛かったんです!!なんと!人前で泣いちゃったんですよ〜!!慰めてくださ〜い!アピ」してんじゃねぇよと思う人もいるかもしれないが、30前にもなって人前で泣くことなんて滅多にないんだから、多少の泣いたアピくらい許して欲しい。

スタッフの子はこの後予定があり、私を家まで送れないとのことだったのでタクシーを呼んでくれた。一人タクシーにぶち込まれ家に送り込まれる間も私はずっと泣いてた。

スタッフの子が設定した降車位置が若干間違っており、数メートル前に降ろされそうになった。もうそんな状態なので、そんな些細なことにもイライラするし無駄に歩きたくないし、「ここじゃない。もっと先や」と伝えた。この時の私は、強すぎるが故に逆に声とかちっさいタイプの、人を殺すことにも何の抵抗もないマフィアのボス並みの威圧感があったと思う。タクシーの運転手は指定された場所に停車しただけで全く何も悪くないのだが、私の異常な様子を見て従うほかなしといった感じで家の前までつけてくれた。

なんか冷静に考えたら、そこまで致命的な出来事じゃないのもわかっている。誰かが死んだわけでもないし、病気になったり怪我したわけでもなければ誰かを傷つけてしまったわけでもない。シンプルに旅行に行けなくなった。お金が無駄になったけど別に何百万とかじゃない。全然この世界で頻発しているであろう出来事である。

しかしこの時、私は本当に疲れ果てていた。
1ヶ月半前から中国に一人できて、楽しいこともたくさんあったけど、やっぱり思い通りにいかないことやムカつくこともいっぱいあった。でも文句言わずに一生懸命働いてきた。

去年も半年間中国にいたので、中国に住むことには慣れてはいたが、去年は周りにたくさん日本人もいた上に日本語が話せるスタッフが生活のケアをしてくれていた。今回はたった一人であり、新しい環境で仕事するのは海外でなかったとしても結構大変なことだ。

その色ーーんなストレスが知らない間に積み重なっていて、いつガッシャーンと倒れてもおかしくないグッラグラ状態だったのだ。そこに楽しみにしていた韓国キャンセルが巻き起こって一気にグッラグラのジェンガが派手に崩れたといった感じだろう。なんかたった1ヶ月ほどでそんな状況になってしまってたことも悔しいしそれに関してもさらに落ち込む。

もちろん、お前もビザのことを確認してなかったのが悪いんちゃうんかい?という意見もあるだろう。全くその通りである。いくら「問題ありません」と言われていたにしろ自分で調べるべきだっただろう。

でも言い訳させてもらうと、本当に忙しくてそんな余裕はなかった。1ヶ月で9都市回って合計23レッスン、5回の審査員、2回バトルに出た。次の日のレッスンの内容・審査員ショーの曲・衣装。そんなことを考えるのに手一杯だった。(何回も言うけど別に忙しいことに文句があるわけではない)

それでも「とはいってもちょっとぐらいは時間あるやろ!!24時間仕事してるわけちゃうねんから。」と正論を投げかけてくる人がもしいればその人とは友達をやめようと思う。

別に誰かを責めたいわけじゃない。誰のせいだ!と責任を追求したいわけでもない。怒っているわけでもない。このタイプのビザを取得するのはこの会社の人たちも初めてで本当に大変そうなことを私もわかってるのでとても感謝している。誰かを責められたらもっと楽だったかもしれない。

このことをインスタグラムに自分で書いておきながら慰めてくれるリプライに返信するのもなんか億劫になった。説明するたびに思い出して悲しくなるから。じゃあ書くなよって話である。(「元気出してください!私は親の借金の肩代わりで○百万消えました!」と言う見知らぬ方からのメッセージからはめっちゃ元気をもらった。)

これを書いている今は行けなくなった日から2日経過している。
正直この二日間は本当に何もできなくて一日15時間ぐらい寝てたと思う。

まあ正直、一昨年の中国の件といい(過去記事参照)このような事態には慣れている。悲しみ落ち込んでいる自分と、「まあどうせ、これもむしろいい経験だったっていつかは思うんやろな」と言う冷静な自分が介在している。マイナスな出来事もいつかプラスに解釈できる日が来ると、経験上理解してる。

申し込んでいた韓国のSIMカードからの「Hi Hirokoさん,今回の旅は何点ですか?」と言うレビューを促すメールがきて「0点じゃ!!!!」と言い返すほどの元気は湧いてきているものの、落ち込みモードから脱出するのにはまだ時間がかかりそうだ。


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