【文化庁の文化芸術活動の継続支援事業】助成区分の計算etc...ややこしい人のためのTips(経費明細の記入例つき)
前回記事のつづきです。
申請時、個人的にややこしかったポイントをまとめました。
# 「補助の対象となる取組」区分について
まずは公式サイトの資料を精読するのが第一ですが、助成区分についてはざっくりとこんな感じです。
(1)①~③
①は国内外への広報費、②は通常の活動経費、③は事務手続き関連で新たに掛かる経費、といった感じです。
「非ICT」と「ICT」の区分があり、これはざっくりいえばインターネットを活用するかしないか の違いです。申請した経費のうち、ICT非活用だと2/3、ICT活用だと3/4が助成されます。インターネットに活動の軸を移している・移す途上にある方の場合、ICT活用枠の利用がほとんどになるかもしれません(自分はそうでした)。
(2)コロナウィルス感染症対策ガイドラインに沿った取り組み枠
「コロナウィルス感染症対策ガイドライン」これに沿った取り組みへの助成。経費全額が助成対象として申請可能。ガイドラインに含まれない業種の場合も「感染症対策」あるいは「感染症対策啓発」的な試みであれば申請できます。感染症対策を講じた上でのトライアル公演、無観客配信、啓発動画の製作など。
上限額については、webの登録フォーム(A-①の場合)または事業計画書テンプレート(A-②の場合)で自動計算してもらえるので安心。
# 具体的にはこんな感じです
(1)①~③ 非ICT枠
例えば令和二年2月26日以降に使用した、通常の活動のための消耗品費(非ICU)、レッスン料、製作費などは2/3助成になります。だいたい30万円程度申請して、20万円の助成をうけとれるかたちです。これから来年2月28日の事業実施期間中までの間に購入・使用等する場合も同じですが、消耗品の購入費に関してのみ、「事業実施期間中に精算を終わらせる」きまりがあります。
web製作費に関してはもしかしたらICT枠でいけるのかな? と思ったのですが、自分はほとんどICT枠での申請だったのと、公式サイトの説明ではwebサイトの製作外注は非ICT扱いになっていたので非ICTで申請しました。
(1)①~③ ICT枠
活動経費のうち、インターネット関連技術を利用するものは3/4助成になります。自分はVRでの活動に必要な機材や、配信関連の機材などをこちらで申請しました。ほかには、クラウド経理ソフトなどです。自分は使っていませんが、Zoomの月割り利用費などもこちらに入ります。
(2)コロナウィルス感染症対策ガイドラインに沿った取り組み枠
感染症対策を講じた上でのトライアル公演経費、無観客配信で利用する各種消耗品費・雑役務費などはこちらの枠で申請できます。経費が20万円のばあいは20万円申請して、20万円をうけとるかたちです。ただし、この枠に関してのみ、上限が50万円です。
承認時の記入例。消してあるのはスタジオ名。
# 経費計算時、精算手続きの手引きに最初に目を通す
置いてある場所がわかりにくいのですが、細かいきまりがあるので、「精算手続きの手引き」と「よくある質問」は最初に読んでおくのがいいです。
精算手続きの手引き(リンク先に移動後、各申請のpdfを開いてください)
# 賃金・諸謝金・宿泊費には制限がある
レッスン料、コンサル費用などの諸謝金や人件費には細かい基準額が定められており、収まらないケースが多いようで、その場合はすべて「雑役務費」扱いにしなければなりません。制作外注費用などはほぼ雑役務費になります。基準額については「精算手続きの手引き」を確認。
# サブスクリプション契約のWebサービスの利用は月割りの雑役務費になる
最後の最後まで(チェックする現場の方も対応が混乱していたのか)、基準がふらついて何回も修正が入ったのですが、公式Q&Aを確認したところ、Zoom、CreativeCroud、クラウド会計ソフトなどの利用費は「雑役務費」で、かつ、申請額は事業実施期間中の月割り、がFAのようです
例えば、年間契約で使用料が12万円、事業実施期間がことしの2月から11月までであれば、1万円×11か月分の11万円が助成額です。精算時の領収書は年間契約のものを提出する形になります。
# 配信用のPCなどを買いたいが、消耗品費の上限費に当たってしまう
とりうる手段としては、
- パーツ購入して自作、もしくは組み立て費などで領収書を分けてもらう
- 中古品の購入
です。自分はパーツではグラフィックボードを購入、ラップトップPCはじゃんぱらで中古購入。VRプラットフォームでの使用とストリーミング配信が主たる用途だったので、両方ともICT枠で申請しました。
注意が必要なポイントとして、「オークションは不可」とのことです。中古販売ショップやAmazonマーケットプレイスなどを利用して購入し、領収書を受け取る必要があります。
これはPCでなくてもそうなんですけれども(自分は追加のオーディオIFなども買った)、中古品の場合は「中古価格相場が明確であること(身内同士での取引などを除外するため)」「領収書があること」が重要なようです。
ちなみにここまでの内容は、だいたい「精算手続きの手引き」か「よくある質問」に書いてあります。。
# 事業計画書の書き方とか
やっぱり公式サイトの記入例が一番参考になると思います。要精読。あとQ&Aにも、あーみなさん同じことで詰まるんだな、みたいなことが書いてあるので、一通り読みましょう。
とにかく「今やってる文化活動を続けたい」、A-②の場合は「更にコロナ後の活動につなげたい」という意気込みがだいじなんだと思います。あと、事業のスケジュールは「かれこれこのときにこれをやる/やった」という形で具体的に書きましょう。
当方の記入例ですが、たぶんここまで書かなくてよいです。
全力でから回る気合。
えーと、こんな感じでしょうか!
急ぎで記事作ったのですが、参考になればさいわいなのです。
オフラインの活動が難しくなって会計が落ち込んだ時期があるが、他にやるべきことがたくさんある……という場合はA-①で凹み分の活動費を計上、感染症対策を講じてのトライアル公演、動画撮影・配信・VR技術などの本格的な試行が視野に入っている人は(回収がすごく難しいので、そこを見越して)A-②でがっつり事業計画書を出す、みたいな感じがいいのかなと思いました。
A-①は比較的降りやすいと聞いているので、申請条件にあう人はとりあえずトライするのが良いと思います。ふぁいっ。