#54,#55,#56 家族の発達段階「排出期」
排出期:子どもの巣立ちが起こる時期
①親離れ、子離れに伴う喪失感を乗り越える
②子どもが巣立った後の生活設計を具体的に検討する
③更年期障害や生活習慣病のコントロールに努める
1.中年期を生きるとは
・中年期とは、おおむね40歳から65歳まで
・子育てが一段落する時期
1)人生の正午
2)矛盾と葛藤
3)喪失と向き合う時期
4)第二の青年期
2.中年期夫婦のおかれた状況
1.夫婦関係の帰路に立たされる
2.中年期夫婦が直面する危機的状況
1)自己の中年期危機
2)子どもとの関係に対する悩み
3)親の介護
上下の世代に挟まれ、ストレスが大きくのしかかる。
3.中年期夫婦の結婚満足度
1.中学生の子どもをもつ夫婦の結婚満足度
1)時間の制約・余裕のなさ
2)子育てに関する意見の不一致
3)家事役割の調整困難
4)経済的負担教育コストが家計を圧迫。経済的な事柄で夫婦間の揉め事が増える
2.子どもの巣立ち(離家)を迎えた夫婦の結婚満足度
1)母親の結婚満足度
2)夫の結婚満足度
4.個人化する家族と中年期夫婦
1)個人化への希求
家族の個人化とは、ひとつの家族のなかで一成員としてして共同共生しつつも自分だけの生活領域を求め実現させていく傾向のこと
2)個人化レベルのズレと夫婦関係
3)家族の個人化と夫婦のコミュニケーション
(1)夫婦のコミュニケーションと結婚満足度との関連
(2)夫婦間で個人化のレベルにズレがある場合
<卒婚というスタイル>
2000年代以降、夫婦の生活の新しい形態の一つとして「卒婚」が注目
卒婚とは、婚姻状態にある夫婦が婚姻関係を維持しながらも互いに干渉することなく個々の人生を歩んでいくという生活形態のこと
5.中年期以降の夫婦関係を良好に保つために
1.家事の共同化の促進
1)ワークライフバランス
2)新たな生活スタイルを柔軟に獲得する
2.夫婦の関係性向上に資するコミュニケーション
1)基本はアサーション
2)アサーティブなコミュニケーションを阻む非合理的な思い込み
参考文献
・西野理子・永井暁子:妻と夫が良好な関係を築いていくには 西野理子編著 夫婦の関係性はどうかわっていくのか、パネルデータによる分析、ミネルヴァ書房、199、2022
・伊藤裕子・池田政子・相良順子:夫婦関係と心理的健康―子育て期から高齢期まで」ナカニシヤ出版、2014
・永久久子:家族の個人化と夫婦、宇都宮博・神谷哲司編、夫と妻の生涯発達心理学 関係性の危機と成熟、211、福村出版、2016
・伊藤裕子・相良順子・池田政子:夫婦のコミュニケーションが関係満足度に及ぼす影響―自己開示を中心に、文京学院大学人間学部研究紀要9 1-15、2007
・野末武義:中年夫婦とアサーション、宇都宮博・神谷哲司編、夫と妻の生涯発達心理学 関係性の危機と成熟、235、福村出版、2016