#41,#42 家族の発達段階「家族の成立期」

ここでは、初婚限定として 法律婚、事実婚を含んで「結婚」と指す

1.結婚のメリット

 1)心理的効果
 2)経済的効果
 ①費用節約
 ②分業による利益
 ③リスクの分かち合い

2.夫婦という関係の特徴

1)そもそも他人同士:
双方の選択によって営まれている関係性
2)異文化の融合:
結婚とは、個人のレベルを超えた2つの異なる家族システムの融合

3.発達課題

①相互信頼感の確立
②バランス取り(ワークライフ、役割、実家など)
③子どもをもつかどうかの選択
④コミュニケーションスキルの獲得
⑤夫婦としてのアイデンティティーの確立
夫婦関係の根幹であり、これ以降の長い夫婦、家族関係の基盤になる

4.課題達成のために

1)相互信頼感の確立、親密性を深める

・愛情地図を深める:相手に対する知識は力である(ゴットマン)
例えば
①パートナーの親友の名を言うことができる
②パートナーが現在、何からストレスを受けているのか、言うことができる
③最近、パートナーを苛立たせている人たちの名前を知っている
④パートナーの人生の夢をいくつかあげることができる。
⑤パートナーの人生における信条を知っている
⑥パートナーの人生哲学について語ることができる
⑦パートナーの最も嫌いな兄弟姉妹、または親戚の人の名を言える
⑧パートナーの好きな音楽を知っている
⑨パートナーの好きな映画を3つあげることができる
⑩パートナーは私が現在ストレスを溜めていることをよく知っている
⑪パートナーの経験した最も特別な出来事をよく知っている
⑫パートナーが子ども時代に経験した最も苦しかったことを言える。
⑬パートナーの人生における最大の願望と夢を言える
⑭パートナーが現在、最も心配していることを言える
⑮パートナーは私の友達の名前を知っている
⑯どちらかが宝くじで大金を当てたら、パートナーが何をしたいのか知っている
⑰パートナーと出会ったときの第一印象を詳細に述べることができる
⑱周期的に私は配偶者の周辺の出来事を聞いている
⑲パートナーは私のことをよく知っていると思う
⑳パートナーは私の願望と希望を知っている
 
<結婚生活を成功させる7つの原則:ジョン・M・ゴッドマン>
パートナーをよく知り、パートナーに自分の心のなかにあるものを分かち与えることは、幸福な結婚生活のための第一歩であり、永遠の課題

2)アイデンティティの確立

二人の関係(互いの強みと成長が必要な事柄)をみつめる/振り返る
 
①コミュニケーション:私たちは感情を分かち合いお互いを理解している
②対立(葛藤)の解決:お互いの違いについて話し合い、それを乗り越えることができる
③パートナーの性格・習慣:お互いの性格や習慣を好ましく感じている
④家庭の経営管理:予算や家計のことについて考え方が一致している
⑤余暇の過ごし方:別々の活動と一緒に行う活動とのバランスがとれている
⑥性的な関係:性に関すること、性に関する好き嫌いについて気軽に話し合うことができる
⑦家族・友人:自分の両親、相手の家族、友人たちと良い関係にある
⑧役割・責任:協力して決断事項を処理し、その責任を共有することについて合意ができている
⑨子ども・子育て:子どもをみつかどうか、育児について二人の間で合意できている
⑩宗教・信念:宗教的な価値や信仰を共有している

3)コミュニケーションスキルの獲得

(1)中心的課題
アサーティブネス(さわやかな自己表現)
積極的傾聴

(2)親密さをもたらすコミュニケーションスキル
①夫婦で話し合う雰囲気づくり(散歩しながら? 照明は? 座る場所は? 携帯は消す)
②大切なことを話すときにはアポをとる(二人のスケジュールを一括管理?)
③話題の優先順位をつける(緊急性と重要性)
④お互いの良いところに焦点を当て、お互いを褒め合う(感謝、ポジティブな感情を伝えることに慣れる/習慣化する)
⑤Iメッセージで話す
⑥伝えたいことの中核(ニーズと要求)を摑まえておく
⑦一方的な批判は避ける
⑧理解するために聞く/オウム返しで受け止める
⑨受け取ったメッセージを投げかえす(あなたは・・・なのね)
⑩オープンクエスチョンで会話を引き出す
*パートナーであっても他人(他者性の意識)
*常に自分をご機嫌な位置に置いておくこと

4)将来の自分たちの行先の認識合わせ

二人が同じ方向を向いているか、お互いが心の深層で大切にしていることを理解し合う
 
二人でワークショップ (斉田英子 家族で話し合いをしていますか? PHP研究所)
①10年後/5年後にこうなっていたい未来を付箋に書き出す
②模造紙に貼り出していく
③写真を張り付けてマップに
 
キャリア、子育て、友人・実家との付き合いのバランス


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