ウズベキスタンのカード織り(2)
ウズベキスタンで行われているカード織りは、2つ穴の長方形のカードを使い、カードを移動して経糸を交差させる技法に特徴があります。
では、織りの実践です。
カード織りのミニ動画
カード織りの基本動作
ナイフまたは包丁型の打ち込み具を使い、リズミカルにカードを回し、緯糸を通しては打ち込んで織り進めます。動画はこちら。
経糸の交差
カードを入れ替えて、経糸を交差させます。カードを選んでつまむようにして入れ替えます。図面はありません。迷いなく作業が進んでマジックのよう。
実作例と図解(織り図)
この項目は自分でも不親切だと思っております。この図だけでは初めての方には難しいですよね。カード織りの基本を説明した書籍や文献あるいはワークショップなどでいっぺん実践されてから、戻ってきてくださればありがたいです。ただし、一般的なカード織りは4つ穴カードを使いますが、基本的な部分がわかればいいので、4つ穴で構いません。気が向けば順々の流れを写真か図で説明したいです(書籍になるようなことがあれば詳細手順を作らなければ…)。
下の織り図は、作者たちが使用しているのではなく、筆者がサンプルを元に図にしてみただけです。彼女たちの頭の中に図面があって、あるいは織りながらインスピレーションに従って自由にカードを入れ替えていきます。
サンプル1
カードは16枚
経糸は16×2=32本
緯糸は黒色
カードに経糸を通す方向は織り図の下部を参照
サンプル2
カードは19枚
経糸は19×2=38本
緯糸は黒色
カードに経糸を通す方向は織り図の下部を参照
【予告】類似の紐はさらに別にあって…
カード織りの紐と似て見えるけれど、異なった作り方をする紐があります。カード織りの紐が内職産業として確立してきた一方で、現代ではほとんど忘れられている紐をただいま調査中、研究紀要に書いたら、こちらでもご紹介したく思います。
読んでくださって、ありがとうございました。
本稿は、拙著「中央アジアのカード織りについて(1)-広島県立美術館所蔵トルクメンの刺繍袋およびウズベキスタン現地調査による-」(『広島県立美術館研究紀要』、第22号、1-12ページ、2019年)から一部抜粋・加除加筆した内容です。