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【メタバースを活用した採用フローのススメ】採用活動にメタバースが必要とされる理由とは?

※本記事は弊社が運営するPodcast番組「メタバースなう by Urth」の
【第4回:【採用担当者向け】メタバースを活用した採用フローのススメ〜「採用にメタバースが必要とされる理由」】の内容を記事化したものになっております。

昨今、様々な場面で活用されているメタバース。
全ての企業が取り組んでいる「採用活動」もメタバース活用の用途の一つです。

本記事では、採用活動に取り組まれている方向けに、メタバースが採用活動に活用され始めた理由や背景について、現在の学生の特徴にも触れながら解説していきます。

記事で伝えたい3つのポイント

  1. メタバースの3D空間により、企業の魅力をリアルに伝えより印象に残る体験を提供

  2. アバターを使った匿名性が学生に安心感を与え、本音を引き出しやすいコミュニケーションを実現

  3. メタバースの「新規性」や「学生からの親しみやすさ」により採用活動で他社との差別化を図る手段に

Podcast参加者
田中 大貴(以下、田中):株式会社Urth 代表取締役CEO
高橋 洸貴(以下、高橋):株式会社Urth マーケティング担当
田島 彰斗(以下、田島):株式会社Urth インターン生(マーケティング担当)


新卒採用における状況

田中:
本日のテーマは、「採用担当者向け、メタバースを活用した採用フローのすすめ」です。

高橋:
今回は「採用」をテーマにしながら、採用活動における場面ごとに3回に分けてお届けします。第一回は、「採用にメタバースが必要とされる理由」をテーマにお話ししていきます。

本題に入る前に、新卒採用における現状について2つお伝えします。

1つ目は「大卒求人倍率調査」です。リクルートワークス研究所が出している調査で、学生1人に対してどれだけの求人があるかを示すものです。
2024年の大卒求人倍率は1.71倍で売り手市場であることがわかります。
この「1.71倍」という数字は、前年の1.58倍から0.13ポイント上昇しており、コロナ禍前の水準に戻ったことが示されています。

2つ目は、採用担当者の悩みに関する調査です。エン転職が出している記事によると、採用担当者の悩みとして以下の6つが挙げられています。

  1. 応募が集まらない

  2. 求める人材がいない

  3. 面接の回数が多い

  4. 内定辞退が多い

  5. 入社後の定着率が悪い

  6. 採用に工数をかけられない

これらを踏まえ、新卒採用活動における難易度が上がっていることが示されています。まずは、前提としてそもそも「メタバース」とは何か教えていただいても良いでしょうか?

メタバースが採用活動に必要とされる理由

田中:
メタバースとは、よくVR(バーチャルリアリティ)と混同されますが、VRは仮想空間を体験するものです。

メタバースは上記に加えて、「アバターを介したコミュニケーション」の要素があります。アバターが必須で他者とのコミュニケーションが発生することがポイントとなり、リアルな仮想空間において人々との交流が生まれることがメタバースの特徴です。

高橋:
「アバター」という観点ですと、最近のゲームや「サマーウォーズ」といった映画でも題材になることが増えていますよね。メタバースは世の中に浸透しているものなのでしょうか?

田中:
「フォートナイト」や「Roblox」のようなオープンワールドゲームはメタバースの一部といえます。

メタバース市場は現在、CAGR50%※で成長しており、ゲーム以外にも「zepeto」といったSNSやビジネス、教育分野などで活用が広がっています。
※「年平均成長率」のことで、複数年にわたる成長率から1年当たりの幾何平均を求めたもの

高橋:
確かに、そういったサービスは私も聞いたことがあります。メタバースが採用活動にも利用されているという話を耳にすることも増えましたが、実際にそういった事例はありますか?

田中:
はい、例えば兼松株式会社様では、弊社が提供しているメタバースサービス「metatell(メタテル)」をオフィスツアーに活用されています。

参考:兼松株式会社:本社をメタバース空間に再現、採用活動での活用へ

また、東京ガスグループ様では内定者懇親会で利用されていたり、株式会社U-NEXT HOLDINGS様では採用イベントにメタバースを活用されています。

高橋:
多くの企業で採用活動にメタバースを活用されているんですね。
本題でもありますが、なぜ採用活動にメタバースが必要とされるのでしょうか?

田中:
メタバースが採用活動に必要とされる理由は5つあります。

  1. 3D空間で企業の魅力をよりリアルに伝えられる点

  2. Zoomなどでは印象に残りにくいため、メタバースを使って学生の印象に残したいという点

  3. メタバース自体が新しい技術で、先進的な企業としての印象を与えられ学生側も親しみやすい点

  4. アバターを通じて距離感を保ちながらも、個別に会話しやすい点

  5. 採用フローにおいて他社との差別化を図りやすい点

高橋:
ここからは学生である田島さんの意見も聞いていきたいと思います。現在、田島さんは就職活動をしていますか。

田島:
ちょうど大学3年生なので就職活動をしています。

高橋:
就職活動の中でメタバースを活用したことはありますか?

田島:
私自身はないですが、私の知り合いが兼松株式会社様のイベントで体験した話を聞きました。

直接OB訪問やオフィス訪問ができない中で、 実際に「どんなオフィスで働かれてるのか」をメタバースを通じて知ることができすごい役に立ったと聞いてます。

なぜメタバースは企業の魅力を伝えやすいのか?

高橋:
学生の中でも就職活動でメタバースを利用される人は増えているんですね。
やはり、3D空間だと「より企業の魅力を伝えやすい」という特徴はあるのでしょうか?

田中:
メタバースであれば空間全体で表現できることがポイントだと思います。
また、自分が働いている姿を想像しやすい点もあるかと考えています。

能動的に自分が気になる部分を見に行くことができるため、オフィスの座席やフリースペースを見学したり、企業の人との雑談を通じて働くイメージをより具体的に持つことができます。

加えて、今の学生はゲームをはじめメタバースの利用経験がある方も多いため、情報を取得しやすいのではと考えています。

高橋:
「3D空間であればよりイメージを持ちやすい」というのはメリットとして大きいですよね。

続いて、「採用活動におけるZoom利用が一般的になっている中で、あえてメタバースで実施することで印象に残りやすい」という利点についてです。田島さん、就職活動で使われているツールはZoomが大半ですか?

Zoomではなくメタバースを活用するメリット

田島:
はい、Zoomが大半です。

高橋:
ということは、徐々にメタバースを活用する企業は増えているものの全体数としては少ない状況かと思います。一方で、今だからこそ就職活動にメタバースを活用するメリットもあるのでしょうか?

田中:
メリットはあると思います。コロナ禍を経てZoomは必需品となっていますが、他社との差別化を図る際、どんなに動画や説明を作り込んだとしても採用試験をいくつも受ける学生側からすると埋もれてしまう可能性があります。

その中でメタバースを活用したオフィスツアーなどを実施することで企業理解が深まり、学生側も想起しやすい状況を作り出すことができると考えています。

高橋:
確かに学生側も体験を通じて印象に残りやすいですよね。
田中さんが「メタバースが採用に必要とされる理由」として話されていた「先進的な企業としての印象を与えられること」にも繋がってきそうですね。

メタバース自体が新しい取り組みだと思いますが、改めて「先進的な企業としての印象を与えられること」についても詳細を伺ってもいいでしょうか。

メタバースの活用は学生側にどのような印象を与えるのか?

田中:
この部分は重要な点です。例えば、Zoomが当たり前になっている中で、学生側の印象に残すためにあえて対面で企業説明会などを開催することが逆に不信感を与えてしまう可能性もあると考えています。

しかし、メタバースを活用することで、新しい技術を活用した「目新しさ」により印象に残りやすいことに加え、学生側も小さい頃から触れているため「親しみ」がある点や「新しい技術を取り入れている = 先進的な取り組みにも積極的」というイメージを与えることができます。

高橋:
やはり、学生側からの印象は重要ですよね。「アバターを通じて距離感を保ちながらも、個別に会話しやすい点」についても詳しく伺ってもよろしいでしょうか。

学生の本音を引き出すための「匿名性」

田中:
メタバースの最大の特徴でもある「アバター」は、顔を見せなくても良い「匿名性」に強みがあります。

もちろん、採用の際にはどこかのタイミングで顔合わせが必要になりますが、採用フローの初期段階では、学生側からすると心理的安全性を担保した状態で話を聞くことが利点としてあると思います。

高橋:
田島さんは実際に「匿名性を保った状態で話を聞いてみたい」という気持ちはありますか?

田島:
はい、あります。座談会ですとカメラオンとマイクをONにした状態で質問をしますが、 その時に人事の方が、「誰が」「どういう質問したか」という情報を記録されていると伺います。

そのような状態では「自分がどのように見られているか」を気にしてしまいますが、匿名性を保った状態であれば本音ベースで質問ができるという部分はあると思います。

高橋:
「匿名性」という観点は学生側のメリットも大きそうですね。

続いて、「3D空間上で距離感を保つことで個別に話しやすい」という点についてですが、具体的にどのように活用ができるのでしょうか?

オンライン上でオフラインに近い体験を

田中:
ポイントは、メタバースとZoomとの大きな違いである「同じ空間上で個別で会話ができる※」という点です。
※アバターとの距離によって音量が変化する仕組み

例えば、表立って何人かの前で話す時よりも個別で話した方が仲良くなりやすいということがありますが、メタバース空間上でもそのようなオフラインに近い体験を実現することができます。

メタバースでは、隣同士にしか音声は聞こえないということが担保されているため、学生同士や説明会後の企業担当者と学生のコミュニケーションなど自然な会話が生まれやすい環境があります。

高橋:
メタバース独自の「オンライン上でオフラインに近い体験」を経験することができるんですね。隣の人と簡単に話すことができる環境は、採用の場でもとても活用できそうですね。

それではまとめに入りたいと思います。今回は「採用にメタバースが必要とされる理由」をお話しいただきましたが、改めてまとめるとどのような理由があるのでしょうか?

まとめ

田中:
「採用にメタバースが必要とされる理由」は以下の5点があります。

  1. 3D空間で企業の魅力をよりリアルに伝えられる点

  2. Zoomなどでは印象に残りにくいため、メタバースを使って学生の印象に残したいという点

  3. メタバース自体が新しい技術で、先進的な企業としての印象を与えられ学生側も親しみやすい点

  4. アバターを通じて距離感を保ちながらも、個別に会話しやすい点

  5. 採用フローにおいて他社との差別化を図りやすい点

これまでの採用活動や現在の学生の特徴を鑑みて、「いかに参加者に寄り添った採用フローを設計しているかどうか」が、メタバース活用の有無に現れているのではないでしょうか。


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