戦略論:商品を売る
AIDMAの法則
AIDMA(アイドマ)とは、消費者が商品を買うにあたっての心理プロセスを指す言葉であり、注意(Attention)、関心(Interest)、欲求(Desire)、記憶(Memory)、行動(Action)という5つの段階を示す言葉の頭文字である。
人が商品を買うためには、まずその商品の存在を知らねばならず(注意段階、認知段階)、知った上で興味を持たねばならず(関心段階、興味段階)、さらに欲しいと思わねばならず(欲求段階)、しかし忘れてしまっていてはならず(記憶段階)、買うという行動を行わなければならない(行動段階)。
この5段階を経てこそ、商品は売れるのだという考え方がAIDMAの法則であるが、記憶段階については、欲しいと思ったときにすぐ買うというモデルに対しては省ける段階であるし、一方、ネット販売であれば検索段階が必要であるし、比較・検討の段階も議論内容に含めるか、SNSでシェアをする段階までを含めるか、などによって、この法則は様々に枝分かれし、各ジャンルにおいて最も合致するモデルを利用するべきものである。
ここでは、その中でも、最も基本的なAIDA(アイーダ)モデルにおいて、認知、興味、欲求、行動、という4段階について説明をする。
ただ「商品を売る」と一口に言っても、この法則を理解することによって、あなたが行うべき戦略、戦術が変わってくることになる。
無名のマジシャンは認知されるような活動を行うべきであるし、名は売れているが興味を持たれていないマジシャンは、名前ではなく経歴や腕前を周知するべきだろう。興味があっても出張に呼ばれないマジシャンは、出張を行うシチュエーションを提案するのが良いだろうし、欲求があるにもかかわらず行動に移せない顧客の背中を押してあげることも必要だろう。
このように、このAIDMAの理論は、各段階における方法論を考えるにあたっても役立つものであるし、何%の人がその商品を認知しているのか、その認知した人の何%が興味を持つのか、興味を持った人の中の何%が欲求に辿り着くのか、そして欲求のある中の何%が実際に買うという行動をするのか、そのような計算によって、売れ行きを試算することもできる理論である。
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