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テキストの目的 現状、マジック業界はとても小さな業界である。そして、その中で働くプロマジシャンという職業も、今ひとつ市民権を得ることができていないようにも思われる。たとえば、「プロマジシャンなんて食べていけるかどうかわからない職に就かずに、真っ当な会社員や公務員になりなさい」などという会話があったとすれば、それがまさしく、会社員や公務員と、マジシャンという職業の市民権の差だと言えるだろう。 この市民権の差は、マジック業界が小さいということに由来するものではないだろうか。この
カッツの3能力 マジシャンとして成功するためには、どのようなスキルが必要なのだろうか。これからマジシャンを始める者も、現在マジシャンとして仕事をしている者も、その職業に必要とされる能力を勉強することは有用であるだろう。 実は、マジシャンとして成功するための能力は、マジシャン以外で成功するための能力とほとんど同じであると考えられる。たとえるならば、人間のDNAとチンパンジーのDNAは99%が同一であるという話に似ているだろう。ほんのわずかなDNA上の違いが、人間とチンパンジ
マジック業界の過去と現在 マジック業界の今後を予測するため、またその予測の確からしさを評価するためには、マジック業界の過去と現在を軽く説明する必要があるだろう。 日本におけるマジックの起源は奈良時代まで遡るとも言われるし、少なくとも江戸時代には手妻(てづま)という大衆演芸として、今でいうマジシャンが職業として定着していたとも言われており、業界の歴史は長いが、その割に、あまり社会に浸透していない節がある。2018年現在においてでも、マジックの市場規模は、100億円とも10億円
マーケティングとは マーケティングという言葉をとても簡単に説明するならば「売れる仕組み作り」と言うことができるだろう。しかし、ではどういう仕組みを作れば商品は売れるのか、というのが、とても難しい議論であるため、マーケティングという言葉の意味も広がりを持つことになる。 狭義の意味としては市場調査のことを指すこともあれば、「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動」と難しい言葉で定義されることもある
論語と算盤 日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一氏の著書に「論語と算盤」がある。「論語」とは、道徳や理想や理念を指す言葉であり、算盤(そろばん)とはお金や経済を指す言葉であるが、道徳ばかりでは現実に困窮する経済問題を解決できず、理想を失ったお金が幸せを生むこともできない、として、経営は理念とお金と、両方が大事だ、ということを渋沢氏は言っている。お腹を空かせた子供を助けるには、「助けてあげたい」と思う道徳心と、パンを買ってあげるお金の両方があって、はじめて助けてあげられる、という
AIDMAの法則 AIDMA(アイドマ)とは、消費者が商品を買うにあたっての心理プロセスを指す言葉であり、注意(Attention)、関心(Interest)、欲求(Desire)、記憶(Memory)、行動(Action)という5つの段階を示す言葉の頭文字である。 人が商品を買うためには、まずその商品の存在を知らねばならず(注意段階、認知段階)、知った上で興味を持たねばならず(関心段階、興味段階)、さらに欲しいと思わねばならず(欲求段階)、しかし忘れてしまっていてはならず
「戦略論:売り上げを上げる」の章で、流出客を食い止めるには顧客リストを使ってこまめに連絡をするのがよい、とすでに述べた。そして、そのためにLINEを使ってリストを管理する方法も説明した。 顧客リストとは、新しい商品やサービスを作ったときに能動的にお知らせの連絡ができて、そのお知らせを受けたときに行動を起こしてくれる顧客が何人いるのか、そのリストである。 売り上げの多い経営者はまず間違いなく顧客リストを作っているものである。そして、年々そのリストを増やしていく努力をしてい
「戦略論:売り上げを上げる」の章で、単価を上げるにはターゲットを変えるしかない、とすでに述べた。なぜならば、単価(ギャラ)とは、顧客の持つ予算によって決まるものだからである。 ギャラが上がるメカニズムは、マジシャンの腕前が上がることによって、5万円を支払っていた顧客が10万円を支払ってくれるようになる、というものではない。10万円の予算を持った顧客が、あなたに仕事を頼むようになる、というものであるのだ。 10万円、20万円、50万円、100万円の仕事を頼まれるようになる
マジシャンの成長とは この章では、自己成長を題材にしているが、そもそも、マジシャンの成長とは何を指すのだろうか。 その答えは、本書をここまで読んでくれた読者には、あらかた答えがわかっていることだろう。このテキストでは、マジック業界とプロマジシャンについて、まず定義した。その定義の姿を目指すことが、まず成長だと言える。プロマジシャンに必要なスキルも紹介した。それぞれのスキルを会得することが、成長だと言える。理念やビジョンの重要性も記した。それを見て理念、ビジョンを設定したなら
テーマ:芸人のキャラ作り とりっと Zさんはお笑い芸人からマジシャンになってるんですよね。 Z まぁ、マジシャンと名乗ってよいのかどうかわかりませんが、マジックを取り入れたお笑いのネタをやっています。コメディ&マジシャンと、一応言わせてもらっていますが。 とりっと なるほど。ただ、やってることが同じだとしても、考え方が違うと思うんですよね。マジシャンって、マジックの不思議さから入っていくんです。同じマジックをやるにしても、お笑い出身だと、人を楽しませたいとか笑わせたいとか